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アニメ『殺し愛』原作者・Fe&シャトー役・大西沙織 対談【前編】

リャンハとシャトーの歪んだ関係が性癖にドンピシャ!? アニメ『殺し愛』インタビュー連載企画特別編 原作者・Fe先生&シャトー役・大西沙織さん対談【前編】

どこまでアニメで描くのかが先生と大西さんの最大の関心事

――先生にお聞きします。『殺し愛』が決まった時の感想と発表後の反響はいかがでしたか?

Fe:アニメ化するかもしれないという話から実際に決まるまでちょっと時間があったので、自分の中では「本当になるのかな?」という不安もありました。そして、いざ発表できた時には読者の皆さんから祝福や喜びの声をいただけたので、安心しました。

そしてアクションシーンなど動きが多い作品なので、映像になった時に映えればいいなと思いました。

――先生からアニメの制作サイドにリクエストされたことはありますか?

Fe:その時点で、原作が8~9巻まで出ていたので、どこまでアニメ化するかというのが一番最初の課題でした。私からは「できるなら7巻のラストまで入れていただければ」という希望を出しています。

大西:私もどこまでアニメになるのか気になっていました。アフレコが始まった時にもどこまでアニメでやるのかは明確には教えてもらえなくて。大庭(秀昭)監督に尋ねても「楽しみが減ってしまうので言わないでおきます」と。リャンハ役の下野(紘)さんと毎回、「今、3巻あたりまで来たから、このペースで行くとここまでかな」と、その場で電子書籍を見ながら話していました。結局、最終回の台本をもらうまで、どう終わるのかわからなくて、不思議なサプライズを受けた感覚でした(笑)。

Fe:教えてもらえないなんて、今聞いて驚きました。そういうものなんですか? やるところまで教えてもらえるのが当たり前だと思っていたんですけど。

大西:特殊だと思います(笑)。

原作のお気に入りシーンが一致!?

――大西さんが原作で好きなシーンやエピソードをお聞かせください。

大西:たくさんあるのですが、初見で一番心を打たれたのは、シャトーが過去を思い出してしまって、錯乱している中でのリャンハとのやり取りですね。心臓をギュッとつかまれたような。1巻からシャトーとリャンハに過去、何があったのかはヒントはちょこちょこ落とされていますが、明確にはわからないままで。その中でシャトーが少し記憶を取り戻して、昔の本当のリャンハとの出来事を思い出した時、すんなりとは自分に落とし込めないくらい衝撃的な出来事だったんだなと思いました。

そしてそんな状態でも、リャンハ自身は昔の本当のリャンハのことを思い出してくれたことに対しての喜びもあるようで。2人の昔のつながりがやっと見えてきた部分だったので、好きなシーンです。

Fe:大西さんと同じような意見で、私にとってはアニメで入れてほしかった6~7巻あたりのエピソードが一番思い出深かったし、気をつけながら大切に描いていた気がします。

描いていく中で言うことを聞かなくなるシャトー

――先生はシャトーというキャラクターはどのように作られたのでしょうか?

Fe:クールビューティのイメージで描いていましたが、そのうちに段々、言うことを聞かなくなって。最初はリャンハに付きまとわれて、ずっと嫌そうな顔をしているだけでしたが、今はリャンハとシャトーの立場が逆転気味で、シャトーのほうが少し強気になっています。描いているうちにキャラクターに変化が起きたという意味では、イキイキしたキャラになったんじゃないかなと思いたい(笑)。

大西:先生のお話を聞いていてすごく腑に落ちました。最終回で演じたシャトーは最初の頃と乖離(かいり)している気がして。実は後半では「私、こんなに声を張って演じていたっけ?」とか「こんなに感情を出していたっけ?」と不安を感じながら演じていましたが、その謎が解けました。「シャトーは変化しているから自分の演技プランは間違っていなかったんだ」と思えましたし、先生に「それで合っているんだよ」と言っていただけた気がしました。

最初の頃のシャトーは普通にしゃべる時にもそれほど声量はなく、感情の起伏も大きくないけれど、感情もちゃんとあるし、ベースとしてクールっぽかっただけなんだなと。

――このアニメの台本を読むと、シャトーのセリフのところに(イライラ)というト書きが多くて、珍しいなと思っていました。

大西:原作を読んでいてもしゃべらずに表情で感情を表現することが多いですからね。

Fe:シャトーは油断をしているとまったくしゃべらない場面が多いんですけど、一方ですごくしゃべらないといけない時もありますよね。その辺のバランスが悪くて、大西さんには申し訳なかったんですけど。

大西:そんなことないですよ! あとギャグテイストのツッコミや、イライラした時の顔が独特で、とてもかわいくて。アニメで、私のリアクションが付いて、動いたシャトーを見るのが楽しみでした。

 

(C)2022 Fe/KADOKAWA/殺し愛製作委員会
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