これまでの10年とこれから──アニメーションレーベル「TOHO animation」山中一孝さん（製作プロデューサー）＆下山 亮さん（宣伝プロデューサー）インタビュー｜「TOHO animation 10周年プロジェクト」に込めた想いとは？

ありがとう。今後もいっしょに楽しんでいきましょう

──「TOHO animation 10周年大感謝祭」のお話も伺いたいのですが、今回この催しの一番の目的は？

下山：こちらに関しましては、まず、今年がTOHO animationの10周年ということで、今年3月から10周年プロジェクトをスタートさせました。

プロジェクトとしては、例えば作品をチョイスして映画で全話一挙上映や神回上映をする「シアターフェス」を毎月やっています。また、YouTubeのチャンネル登録者数もおかげさまで200万人を超えまして、そこでレーベル第一作の『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』の全話配信をやったり、いろいろ10周年企画をいろいろと展開しています。

やはり、この10年みなさん本当にありがとうございましたと、感謝を伝えるというのが一番のポイントだと思っています。

10年を振り返りつつ、「本当にありがとうございました。これからも一緒に楽しんでいきましょう」というメッセージを出したいなと思ったのが、今回の10周年プロジェクトであり感謝祭かな、と。番組タイトルに大々的に「大感謝祭」って入っているので（笑）。

その分、どういう風なものにしていこうかなといろいろ考えていて。作品単体をテーマに出演声優の皆さんが出演する番組だったり、アニメ制作側にすごく寄った玄人好みな番組だったり、さまざまな番組を朝から晩まで10時間くらい繋いでいきます。10周年だから10時間かな、みたいな感じの思い付きみたいなアイデアだったんですけど（笑）。

これまでを振り返りつつ、番組の最後には、「未来を見る」ということで10月以降に放送・公開されるテレビアニメや劇場映画をプレゼンテーションするステージ形式のものを準備しています。

感謝を一番に伝えつつ、これからも一緒に楽しみましょうというメッセージをとにかくわかりやすく伝えたいっていうのが一番です。

▲TOHO animation 10周年 大感謝祭

──製作プロデューサーの山中さんは、その日はどういったことやられるとか決まっているんですか？

山中：僕自身がどっちかというと、いま管理側に関わっているので俯瞰してイベントの様子を見守る形になります（笑）。どっちかというと、いま現場で頑張っているプロデューサーの方々の活躍を見たいなと思っています。

──山中さんがこの催しで期待していること、楽しみにしていることはありますか？

山中：感謝の気持ちはもちろんありますし、これからも是非TOHO animationっていうレーベルを認識していただいて「あ、これTOHO animationだから」と見ていただけるような側面が、どこかにあるといいなとは思っています。すごくおこがましい部分はありますけれど。

当然、我々は映画の配給会社でもありますので、レーベルが前に出るっていう考え方よりも“作品を前に出す”というのが会社の考え方ではあるんです。

ただ、安心感だったりワクワク感だったりみたいなものを、レーベルのブランディングのひとつとして付け加えられるのであれば、チャレンジしていきたいなとは思っています。
　
そういう意味で、お客さんにそういった感覚を持っていただけるようなイベントになるといいなと。

──宣伝プロデューサーの下山さん的に、ほかに伝えておきたいことはありますか。

下山： 「10周年大感謝祭」は、YouTubeで行う生配信番組ですので、ご自宅など、スマホやパソコン、テレビで多くの方に見ていただけるものです。ですので、それこそYouTubeのチャット機能だったり、あとはTwitterなどのSNSで是非、「#TOHOアニメ10周年大感謝祭」のタグ付きけてで盛り上がっていただけるとありがたいかなと思っています。

やっぱり「感謝」なので、ただお一人だけに伝えるんじゃなくて、視聴者の皆さん全員に「一緒に楽しみましょう。今後もいっしょに楽しんでいきましょう」というのを、今回配信という場を使って表現できればいいのかなと。ぜひご覧くださいとしか言いようがないです（笑）。

©堀越耕平／集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

アニメがもっと当たり前なものに

──最後に今後10年、20年続いていく中で、TOHO animationとしての今後の展望についてお聞かせいただければと思います。

山中：おそらくもっとより広いお客様、よりライトなお客様が向こう10年で増えていくんだろうな、と。今よりももっとアニメって当たり前なものになるし、それが恐らく全世界でそうなってくるだろうと。

その時に、我々はやはりアニメを全世界にくまなく届けられる人間でいたいと思いますし、いいものを作って、いいものを届ける集団として、引き続き丁寧にいいものを提供していく。これまでやってきたところは変わらずにやり続けたいなと思っています。

反対に、この10年間であんまりできてないところがオリジナルアニメ。それは業界全体もそうだと思うんですけれど、その現状をなんとか打破していくというチャレンジもできないかなとは思っていたりするので、そういうことも考えていきたいなと思っています。

下山：この10年でアニメを取り巻く環境ってすごく変わったと思います。アニメというもの自体がここまで大きくなって、配信というツールが広がり、TwitterなどのSNSが重要度を増していたり……。10年前にはあまりイメージできていなかった気がします。

おそらくこの先10年に関しても同じで、変化があるのだと思います。僕ら宣伝という観点からいうと、手法やアイディアの出し方、受け取るファンの皆さんのタッチポイント、興味の持ち方も変わっていくと思います。

僕らもそこをしっかりと勉強しながら、山中達が企画・製作をする作品群・アニメをより楽しんでもらうために、手助けをしていくということは変わらずやっていきたいなとは思っています。

あとは、僕らとしては楽しみながらやっているので、皆さんにアニメ本編だけじゃなくて、宣伝をきっかけにまた楽しんでもらうというか、宣伝も一緒に楽しんでもらいたいですね。

©芥見下々／集英社・呪術廻戦製作委員会

　
グッズ、イベント、コラボなど、アニメには楽しめるポイントがいろいろあると思うので、ファン、視聴者の皆さんがそれぞれの角度から楽しんでもらえるように、僕らもそのキッカケ作りをしっかりやっていきたいなと思います。

山中が言った通り、オリジナルのアニメーションが発信できるとなった場合に関しては、難易度が高いかもしれないですけれど、より良い意味で爆発できるような形で僕らも一緒に頑張って宣伝していきたいなと思っています。

TOHO animationは頑張りますので、よろしくお願いします。

TOHO animation 10周年プロジェクト

　
期間：2022年3月10日 ～ 2023年3月末迄（予定）
10周年記念特設サイト

「TOHO animation 10周年大感謝祭」番組概要

【大型配信番組概要】

番組名：「TOHO animation 10周年 大感謝祭」
配信日：2022年9月25日（日）10:30～20:30 ※予定
配信URL：https://youtu.be/-W_Y-xNwR38
配信元：TOHO animation公式 YouTubeチャンネル
イベントHP：https://tohoanimation.jp/10thanniversary/special/event5/

「TOHO animation 10周年 大感謝祭 フィナーレステージ」概要

今年10月以降に放送・公開される新作アニメの魅力を豪華ゲストと共にプレゼンテーションしていくフィナーレステージ。ゲストとして、10月放送開始の『僕のヒーローアカデミア』第6期から山下大輝さん、内山昂輝さん、同じく10月放送開始の『弱虫ペダル LIMIT BREAK』から山下大輝さん、鳥海浩輔さん、福島潤さん、代永翼さん、内田雄馬さん、23年放送予定の『呪術廻戦』第2期から榎木淳弥さん、内田雄馬さん、瀬戸麻沙美さんが登場します。

さらに、23年に放送されるTVアニメ『お兄ちゃんはおしまい！』『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』『TRIGUN STAMPEDE』のメインキャストからファンの皆様へのスペシャルメッセージムービーも上映・配信。そして、22年11月11日（金）に公開を控える新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』をはじめとするアニメ映画作品の情報もお届けします。司会進行は、アニメ番組などのMCやゲーム配信YouTuberとして活躍中のフリーアナウンサーの田口尚平さん、『宝石の国』の主演などTOHO animationのアニメにも出演してきた声優の黒沢ともよさんが務めます。