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『ふたりはプリキュア Splash☆Star ~20th LEGENDARY BOX~』樹元オリエ&榎本温子 対談

「「なりたい」という存在でいられるということは私自身、とてもうれしく感じています」──『ふたりはプリキュア Splash☆Star』ついに初の全話Blu-ray化&HDリマスター! 樹元オリエさん、榎本温子さんインタビュー

 

ファンが増えていることを感じる

──本作にはシリーズディレクター小村敏明氏担当の第1話絵コンテ、AR台本も収録されています。これを見ながらアニメを見るのも面白そうです。

榎本:特に絵コンテを見ると、どういう意図で小村(敏明)さんが流れを組んでいるのか、演出の意図が分かりやすいと思います。間に入る街の景色ひとつにも意味があるものなので。

──本作には購入者特典イベント「20周年メモリアル ~ふたりはプリキュア 3シリーズ大同窓会~」の抽選券も。どんなお話が繰り広げられるのかが楽しみです。

榎本:本当は全員をご招待したいのですが、ぜひ応募して欲しいです。すごく楽しみですね。

──ほかのシリーズとともに出演するのはいかがですか?

樹元:はじめてのオールスターズの『ちょ〜短編 プリキュアオールスターズ GoGoドリームライブ』では、『ふたりはプリキュアMaxHeart』、『S☆S』、『Yes!プリキュア5GoGo!』が参加していたんですよね。特に思い入れがあります。

オールスターズの場合は、各チームからひとりということが多くて、本名(陽子)ちゃん、私、三瓶(由布子)ちゃん、(『フレッシュプリキュア!』の)沖(佳苗)ちゃんと、いつも同じメンバーで(公開イベント等を)回らせていただいていたのですが、それもとても楽しくて。

世代を超えても、こうやって仲良くできるのって良いなぁといつも思っていました。だから同窓会はすごく楽しみです。

 

 

──そこからさらに多くのプリキュアが誕生しています。『プリキュア』シリーズが20周年を迎えられたことについては、おふたりはどのように感じられていますか?

榎本:15周年からがすごく早かった気がしています。コロナ禍で失った3年間があったので「この間、15周年があった」というような感覚なんですよね。

樹元:15周年の時の『HUGっと!プリキュア』の時に、『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』があって、さらに“名前入りのギネス認定証”ももらって……。(注:ギネス世界記録「アニメ映画に登場する最も多いマジカル戦士の数」に認定。関係者に名前入りの公式認定書が贈られた)

榎本:すごく印象的な出来事がたくさんあって。でも本当にそこからが早かったですね。15周年のときに「これは20周年もあるかもね!」なんて話をしていて。

樹元:「じゃあ頑張って体調を整えて生きていこう!」って話をした記憶があります(笑)。

──『プリキュア』シリーズがここまで長く続いていることで、黎明期を作った皆さんのすごさも改めて感じています。冒頭にファンが増えていることを感じられているというお話がありました。それはやはりSNSで?

榎本:SNSが出来てから抜群に増えた感じがします。『ハートキャッチプリキュア!』から入って全部見て『S☆S』が好きになったというお声をいただいたり、全作品の中から選んだ好きなプリキュアに選んでいただいたり。

樹元:さきほど不遇という話がありましたが、『ふたりはプリキュア』が2年続いた中で、私たちは1年だったので、ファンの方は「不遇」と思われているようで、それもあって余計に熱いようにも感じています。

榎本:ただ、私たち自身は2年じゃなかったことってそんなに気にしていなくて。

樹元:そうなんだよね。オーディションのときにも1年とうかがっていましたし、「運が良ければ2年目があるかもしれないけど」くらいで。

榎本:『プリキュア』シリーズ自体が続くか、続かないか、っていう時代だったので。そこからバトンがつながって、『Yes!プリキュア5』になって。

“ふたりは”がテーマになっていた中でプリキュアを増やすというのは、当時の制作陣の方はかなり悩んだとは思うんですよね。それでも『プリキュア』という名前を残して、続ける方向になっていって、私たちも『Yes!プリキュア5』に「頑張ってほしい」と思っていました。

そう考えると、『S☆S』は転換点にもなった作品だと思うんです。我々としては、当時から「良い作品が作れたな」って満足感がありました。

──鷲尾さんも『S☆S』は大好きな作品だといい続けていますよね。

榎本:関係者の皆さんの愛を感じます。

樹元:みんなの愛がすごい。

榎本:以前Twitterにも書いたのですが……サバゲに行ったときに、なぎほのの痛銃を持ってる方がいて。しばらく見ていたのですが、「プリキュア好きなんですか?」と話しかけたんです。「実は『S☆S』のキュアイーグレットなんです」と。

そしたら「僕はずっと『S☆S』に謝りたかったんです」と。初代が好きすぎて終わること、『S☆S』がはじまることを受け止められなかったと。でも、今も『プリキュア』シリーズが続いているのは『S☆S』のおかげだし、改めて見れば『S☆S』ってめちゃくちゃ良い作品だと。でも当時、受け入れられなかった。それをずっと謝りたかった、と熱弁されていて。

当時の『プリキュア』ファンの気持ちってそうだったと思うんですよね。続くと思っていた『ふたりはプリキュアMaxHeart』が似たようなキャラクターで、物語が変わるってファンの方にとっては衝撃だったんだろうなと。でも後に、作品として評価されている。それだけ丁寧に作られた作品なんです。

『ふたりはプリキュア』の名前を受け継いで、新しくキャラクターを作って。全身全霊で東映さんが向き合った結果が『S☆S』なので、他のシリーズとは少し違うような気がしています。「来年もプリキュアがあるかもしれない」という作品と、「終わるかもしれない」と思いながらの作品って絶対違うと思うんですよね。『Yes!プリキュア5』あたりまでは、そういったプレッシャーがそれぞれにあったのではないでしょうか。

 

 

──今振り返れば過渡期の作品であるということですね。

榎本:そうですね。でも『S☆S』を見ると、ふたりが生き生きとしているじゃないですか。キャラクターとして素晴らしいので、そういうことを一切感じさせない、キャラクターと作品ですよね。

──例えば「ふたりの力を合わせれば!その力は三倍にも、四倍にも、百倍にだってなる!!!」といった言葉も、原点と言いますか。今だからこそグッとくるものがあります。

樹元:うんうん。『映画ふたりはプリキュア Splash☆Star チクタク危機一髪!』のときには「だからプリキュアはふたりなの!」というセリフを入れてきて、その言葉もすごいなって。秋の時点で、『プリキュア』が新しくなることが決まっていたんですね。でも映画には『ふたり』のプリキュアという意味を込めて。

榎本:その思いを私たちもひしひしと感じていたよね。

樹元:だからこそ映画のクオリティも高かった気がします。当時は同時上映だったんですよね。『S☆S』単独では映画はできなかったので、みんな力を注いでいたなと。

榎本:でも同時上映って良いよね。私はすごく好き。

樹元:私も子どもの頃好きだった! 普段は見ないものも見られるもんね。

榎本:確かに考え方によっては単体ではできないのか、って思われる可能性もあるということだよね。

樹元:そうそう。不遇と呼ばれる理由はそういうところだと思うんですけど、そう言われたくなかったから頑張っていたところもあるのかもしれない。そもそも私の場合は、続く、続かない、という意識がなかったんですよね。とにかく与えられたものを面白くしたい! という気持ちでした。

榎本:繰り返しになりますけど、全然不遇じゃないよね。こうやってBOXにもしていただき、感謝しかありません。

 

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