音楽
七海ひろき 3rdアルバム『Crystal』に込めた想いと表現の核に迫るインタビュー

俳優・声優・アーティスト・七海ひろきにしか表現できない多彩な輝き――3rdアルバム『Crystal』に込めた想いと表現の核に迫るインタビュー!

 

“触れるたびに光る”Crystalのように──聴くたびに変わる表情

──今回のアルバムの中で「Skyward」の他にもご自身の新しい一面を表現できた楽曲を挙げるとすれば?

七海:「Not Over」ですね。この曲は「Dearest」と「夜の隨」を除くと一番最初にレコーディングした楽曲だったのですが、スタイリッシュな曲調なので、街のネオンの中を車で颯爽と走り抜けているような空気感を出せるように、軽やかかつかっこよく歌うことを意識しました。私は意識しないとすぐに熱さや力強さが出てしまうんです。

それとこの曲は英語詞の部分が多いのですが、楽曲提供とディレクションをしてくださったARAKIさんにかっこよく聴こえる発音のコツを教わって、歌いました(笑)。

 

 

──七海さん的にはどんなイメージをお伝えして生まれた楽曲だったのですか?

七海:かっこ良さにもいろいろな種類がある中で、例えば「SASSOU」は熱いかっこ良さを象徴する楽曲になりましたが、この曲はクールなかっこ良さのある楽曲をイメージしていました。プラスして、私がこれまでにあまり歌ったことのなかった曲にしたかったです。

──曲調はクールですが、歌詞を紐解くと情熱的な愛の歌でもありますよね。

七海:なので熱く歌ったらすごく重くなると思うんです(笑)。そこをいかにスタイリッシュに聴かせるかを意識した楽曲なので、練習する時も声を大きく出し過ぎないようにしていました。声が大きいと自然と情熱的になってしまうので。

──この曲の七海さんの歌は、イケメン感が半端なくて。特に“胸にKiss,Just do what you want”でのささやきがすごく良かったです。

七海:そこはこだわったポイントです。絶妙なところを狙いたいなと思って。すごく大人っぽい曲になったので、聴いてくださる方も楽しんでもらえると嬉しいです。

──それらの新しい一面を出せた楽曲とは逆に、等身大の自分らしさを表現できた楽曲はありますか?

七海:先ほどチラッとお話しした「SASSOU」は、ある意味、私の一面がすごく出た楽曲なんです。私は最終的にド根性で何とかするところがあるのですが(笑)、そういう部分が出た曲だと感じていて。でも、楽曲として一番皆さんからの反応を感じるのがジャジーな曲なんです。私もそういう曲調が好きだし、これまでのアルバムでも「Ambition」や「花に嵐」を歌ってきたなかで、今作のジャジーな新曲「Knock down night」は、サウンドだけでなく物語性も含めて私らしさが表れた曲になりました。

──「Knock down night」は、同じジャズ路線とはいえ「Ambition」や「花に嵐」とはまた違ったアプローチだと思うのですが、七海さん的にはどんなところに違いを感じますか?

 

 
七海:「Ambition」と「花に嵐」は自分で歌詞を書いたのですが、今回はあえて私以外の方に歌詞を書いていただいたのが大きな違いになります。実はこのアルバム自体、自分で作詞した曲は「Dearest」だけにしたいと思って制作を進めたんです。それによって「Dearest」がより際立つだろうし、「私以外の方が書いた歌詞でどういう表現ができるか?」という楽しみも追及したくて。

「Knock down night」に関しては、デモを聴いた時に“シンデレラ”というフレーズが入っていたので、「ロミオとジュリエット」をモチーフに書いた「花に嵐」と物語性という意味でのリンクも感じていました。これまでの経験を積んだからこその感情表現が出せたように思います。

──この曲はシンデレラをモチーフにしつつ、歌詞としてはシンデレラを惑わすような視点で書かれていますよね。

七海:そうなんです。ジャズ系の楽曲は、どこかアンダーグラウンドな雰囲気があるじゃないですか。だからこの楽曲もきっと王子ではないんだろうなと思って。最後に“甘美な罠に囚われて 靴を無くしたシンデレラ”というフレーズもあるので、きっと幸せになれないバージョンのシンデレラなのかなと思って、この曲を歌う時は、本来なら助けてくれるはずの魔法使いが逆にシンデレラを自分のものにしようとするようなイメージで歌いました。もちろんそれは私が歌った時の解釈で、答えというわけではないので、皆さんなりの想像を膨らませて聴いてもらえると嬉しいです。

──お話を戻して恐縮ですが、「SASSOU」のド根性の話も気になったので、ぜひ制作エピソードをお伺いしたいです。

七海:「SASSOU」はデモを聴いた瞬間に絶対に歌いたいと思いました。暑苦しさがクセになるような曲調で、「これは私にしか歌えない曲にしたい!」という欲が生まれたんですよね。松平健さんにとっての「マツケンサンバ」じゃないですけど、それくらいのレベルの楽曲にしたいと思って(笑)。

この曲では戦国の乱世を生きていく覚悟が描かれているのですが、私は宝塚時代に戦国武将の役を演じたこともありますし、戦い続ける精神も自分に合っていると思ったんですよね。もし「SASSOU」というタイトルのショーがあれば、ぜひプロローグで歌いたいです(笑)。

──歌詞に“威風堂々”とありますが、まさに威風堂々と歌われていて。

七海:この曲は汗をかきながら熱く歌いましたね。“おらおらおらよっしゃあ”や“いざいざ”といった合いの手の掛け声パートもたくさんあるのですが、そこも「全部自分で言います!」とお願いして、声を枯らさない程度に気合いを入れて録りました(笑)。

新曲の中では「BuZZ」がコール&レスポンスできる曲として作ったのですが、「SASSOU」もぜひみんなに歌って欲しいので、掛け声を覚えて大声で叫んでもらえると嬉しいです。きっと普段のいろんなもやもやが吹っ飛ぶと思うので。

──ライブが楽しみです! 話は変わりまして、以前に七海さんがご自身のことを“役者アーティスト”と話されていたので、今作で役者としての一面をより発揮できた楽曲があれば聞いてみたいです。

七海:役者とは少しズレるかもですが、今作で言うと「曖昧」はストーリー性があっていろんな想像ができる曲なんです。別れの曲とも解釈できるし、別れの後にまた出会いがあって振り返っているようにも想像できる。だからこそ、この曲は歌のニュアンスを印象的にしたくて、“想い出の場所に咲く さよならの花言葉”で始まる落ちサビの箇所は何回も録り直しました。息遣いにもこだわりつつ、繰り返し何回も聴きたくなるような歌にしたくて。

よくアニメでも好きなシーンやセリフを繰り返し観てしまうことがあるじゃないですか。そういう感覚がこのパートに生まれたらいいなと思って歌いました。皆さんもいろんな想像をしながら聴いてもらえたらと思います。

 

 

──新曲で言うと「Magic of Love」も物語性があって想像が膨らむ曲ですよね。爽やかで青春感があると言いますか。

七海:そう、青春っぽいですよね。今回のアルバムはかっこいい曲が多めだったので、ポップでかわいい感じのキュンキュンする曲も欲しくて収録した曲になります。

構成的にリピートする箇所が多いのですが、同じフレーズでも後半ではより盛り上がりが伝わるように、時間をかけてレコーディングしました。逆に「BuZZ」はいままでの中でも最短で録りました(笑)。細かく考えて歌うのではなく、勢いで録るのがこの曲には合っているだろうなと思って。

──ライブ感を重視したわけですね。本当にさまざまな楽曲が詰まった作品になりましたが、改めてファンの皆さんにどのように楽しんでいただきたいですか?

七海:まさにクリスタルのように、触れるたびにいろいろな輝きを感じられる、聴く度にいろんな感情を発見できるアルバムになったと思うので、いろんなタイミングで聴いていただいて、さまざまな感情や思考を呼び起こしてもらえたら嬉しいです。

──本作を引っ提げたワンマンライブ『One-man LIVE773“Crystal”』が、5月から東京・福岡・大阪の3都市で開催されます。最後にライブに向けての意気込みをお聞かせください。

七海:2024年はオーケストラコンサートだったので、バンドでのライブという意味では、2023年の『HIROKI NANAMI One-man LIVE773“DAYLIGHT”』以来になるんです。今回のアルバムでコール&レスポンス曲も増えたので、音源では味わえないライブだからこその臨場感と一体感が感じられる、心に残るライブを一緒に作りたいので、皆さん楽しみにしていてください!

 
[文・北野創]

 

CD情報

【発売日】2025年4月16日
【価格】
初回限定盤:6,050円(税込)
通常盤:3,630円(税込)

≪収録予定内容≫
<CD>
1.Skyward
作詞/作曲/編曲:田中マッシュ
プロデュース:植木豪

2. 夜の隨
作詞/作曲/編曲:松本明人

3. SASSOU
作詞/作曲/編曲:賀佐泰洋(SUPA LOVE)

4.BuZZ
作詞/作曲/編曲:廣中トキワ

5.Not Over
作詞/作曲/編曲:ARAKI

6. Knock down night
作詞/作曲/編曲:槇島隆人(SUPA LOVE)

7.Magic of Love
作詞:町田トシユキ(Blue Bird's Nest)
作曲:五戸力,町田トシユキ(Blue Bird's Nest)
編曲:日比野裕史(Blue Bird's Nest)

8. 曖昧
作詞/作曲/編曲:槇島隆人(SUPA LOVE)

9.Dearest
作詞:七海ひろき
作曲:西村奈央
編曲:Soft Boiled Rockers

<Blu-ray>※初回限定盤のみ
「Skyward」Music Video & Behind The Scenes
「夜の隨」Music Video & Behind The Scenes
「Crystal」ジャケット撮影 Behind The Scenes
七海ひろき オリジナルキャンディ作り!

 

One-man LIVE773“Crystal”

<公演概要>
【東京】2025年5月10日(土)
会場:新ニッショーホール
(1)開場:13:00/開演:13:45
(2)開場:16:00/開演:16:45
お問い合わせ先:キョードー東京/TEL: 0570-550-799 (平日11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)

【福岡】2025年5月31日(土)
会場:スカラエスパシオ
(1)開場:15:00/開演:15:45
(2)開場:18:00/開演:18:45
お問い合わせ先:キョードー西日本/TEL: 0570-09-2424 (11:00~15:00 ※日曜・祝日休業)

【大阪】2025年6月1日(日)
会場:大阪国際交流センター 大ホール
開場:15:45/開演:16:30
お問い合わせ先:キョードーインフォメーション/TEL: 0570-200-888 (12:00~17:00 ※土日祝日休業)

<チケット料金>
全席指定:¥12,000(税込)
年齢制限:※未就学児童⼊場不可
福岡公演スカラエスパシオのみ別途ドリンク代500円

<チケット申し込みに関してのご案内>
■各先行受付
※申込期間・会場は各サイトによって会場が異なります。
※福岡・大阪公演のみ受付になります。

お申し込みはこちらから
ローソンチケット:https://l-tike.com/nanamihiroki/
イープラス:https://eplus.jp/hirokinanami/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/nanairoinko-crystal/

<チケット・受付方法に関するお問い合わせ先>
●ローソンチケットインフォメーション
https://faq.l-tike.com/contact/0014/0199/
 
※詳しくは、公式サイトをご確認ください。

 
オフィシャルサイト:https://nanamihiroki-artist.com/
七海ひろきX:@hirokinanami773
スタッフX:@hiroki773staff

 

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