
『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章 水色の乙女』アベルト・デスラー役 山寺宏一さんインタビュー|サーシャの存在からシンパシーを感じる古代進とデスラー。冒頭の振り返りへの思い入れも語る
冒頭の振り返りパートにも注目してほしい
──リメイクシリーズのデスラーはどういった話し合いの中でキャラクターを作っていったのでしょうか?
山寺:歴代の監督さんや音響監督さんとの話し合いからキャラクターが固まっていきました。最初はやっぱり、どんな感じでお芝居するかが鍵になって。リメイクシリーズだとビジュアルがより美しくイケメンになっているので、若くなったような印象が出ていたんです。
だから僕のほうから「こんな感じでどうですか?」と伺ってみたら、やっぱり伊武さんのように低音であまり感情を込めずに淡々と喋る、それでいてカリスマ性があるという方向性を踏襲してほしいとのディレクションを受けました。それからは、そのイメージと必死に向き合ってお芝居しながら作り上げたという感じで、いまだにこれを続けています。
でも、やっぱりひとつひとつの台詞が素晴らしいので、本当に素直に向き合うことを大切にしていて。デスラーを演じる時は毎回戦っている感覚があります。
──キャラクターがより立体的になったことで心を動かされた部分や、アフレコしながら心を寄せられた部分はありましたか?
山寺:特に『2202』で描かれた過去の回想シーンでしょうか。デスラーが一番幼い時期を僕は演じていないのですが、その時期から成長して青年になり、ガミラスの民の前で話すところ。このおかげでよりデスラーのことを理解できたと言いますか。『2205』でスターシャとの関係性もしっかり描いてくださったことも大きいです。
ガミラスというものを自分が救わなければならない、そのために強く冷徹であらねばならない。そういう部分とスターシャへの愛が作中で表現されているので、その後に地球や古代たちヤマトクルーと共闘する時の心情が作りやすかった気がしています。
デスラーは元々愛を知らない人ではなく、幼いころからスターシャを深く想っていました。そういう意味では、兄のマティウスほど人々を統治する器ではなかったのかもしれません。もちろんカリスマ性なんて簡単に作れるものではないから、その才能自体は持っていた。だけど、その使命感を胸に自分は強くあらねばと思っていたから、無理もしていたんだろうなと。
その一方で、今回の第四章では「ちょっと丸くなりすぎじゃない!?」と思える部分があるかもしれません。ヤマトから和や協調というものを学んだのではないでしょうか。あとは、部下への態度にしても前はボタンひとつで命を奪ったりして、そんなところにキャラクター性が出ていましたが、今となってはあれも無理をしていたのかもしれないと思えてきて。
当時はそういうキャラクターなのだと思ってお芝居していました。
──ここへきてまたデスラーの新たな一面が見えてきたところがありそうですね。
山寺:やはりスターシャがいなくなってしまったことが大きいですね。でも、イスカンダルの欠片と称されるサーシャの存在があるので、彼女への想いはあるんだろうなと。まあ、その割に中々出てこなかったので、第四章でもデスラーは活躍したと言えるのかどうか……。
──大事なところで空気を変えてくれるのがデスラーなので、きっとこれからです!
山寺:今回のデスラーはガルマン星の遺跡でシャルバートに関することを頑張っています。これはこの先も注目すべきポイントになっていきます。やっぱりデザリアムをどうするのかという部分が『2205』から主軸にあるじゃないですか。瀕死の状態であったにせよガミラス星を破壊してしまったのはデザリアムな訳ですから。だから、地球人には騙されないでほしいという気持ちを持っています。だけど、デスラーとしては「今回は違うのか?」みたいな疑念も出てきていて。
そんな想いが第四章の冒頭にある「これまでのあらすじ」に全部表れていますよ。リメイクシリーズでは各章の冒頭にこれまでの物語の振り返りがあるのですが、それが物凄く良くできているんです。第一章~第三章までも各キャラクターの目線でそれぞれの方々が見事に担当されていますが、それがこれまでのシリーズをご覧になられていない方や、改めて復習したい方の助けになってくれている。そんな人たちにも優しいシリーズになっていると思います。
第四章は僕が担当だったので最近収録に臨んだのですが、「おお!デスラー目線の振り返りだ!」と思って凄く嬉しかったですね。毎回あれだけ長い物語をぎゅっと纏める福井さんも凄いですし、あの振り返りは大好きです。上映されたらぜひここも楽しみにしていただきたいなと。
──ああいう形で振り返ることで、それぞれの思惑や心情がわかりやすくなっていますよね。だからこそデスラーにも寄り添いたくなりますし。
山寺:第四章で出番があったことも、あの振り返りを担当できたことも良かったです。若手クルーの土門竜介がやれるなら僕もやりたいと思っていました(笑)若手の活躍はリメイクシリーズならではという感じがしましたし、特に土門は凄く良いキャラクターでした。
──それこそ継承というか、土門君はそんな新しい世代の代表という感じがします。
山寺:そのおかげでより物語の厚みが増したというか、このリメイクシリーズはオリジナル以上に群像劇としての魅力を強めているんじゃないかと思いましたね。だって、昔のシリーズはあそこまでヤマトに女性クルーはいなかったじゃないですか。あまり絡みがないけれど、デスラーはヤマトの女性クルーなんて把握しているのかな。
他の艦にも良いキャラクターがいっぱいいますし。例えば高垣彩陽さんのやっている藤堂早紀とか、林原めぐみさんのやっている神崎恵とか。もう魅力的なキャラクターがいっぱいいて、それもこのリメイクシリーズの魅力になっている。みんな、あの振り返りをやれるかどうかを気にしていると思いますよ。個人的には、あそこだけすぐに見られるようにしてほしいくらいです!
[文/胃の上心臓]
作品情報
あらすじ
そこで待っていたのはデスラー総統だけではなかった。
17歳へと成長したサーシャ。
かつて失われた幼い少女との、ありえない再会。
戸惑いと喜びの狭間で、古代の心は揺れる。
一方、地球ではマザー・デザリアムの計画が新たな段階を迎えていた。
策謀渦巻く社交の場に現れたのは、ドレスに身を包んだ雪。
敵であるアルフォンに寄り添う彼女の胸に秘めた覚悟とは――。
ガルマン星系にはボラー連邦に従うバース星のラジェンドラ艦隊が侵入。
ヤマトは、二大勢力の紛争に巻き込まれていく。
迫り来る惑星破壊ミサイル。
果たして、ヤマトはガルマン星を救い、「ウラリアの魔女」の正体に迫ることができるのか――。
キャスト
(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会







































