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アニメ『えがたえ』ねこのて役・花井美春×原作・くずしろ【連載インタビュー:第8回】

双見と梨田の手助けもあり、ねこのての成長が見られた第11話。花井さんのお芝居を聴いて、彼女の決断の重みを再認識した──アニメ『笑顔のたえない職場です。』ねこのて役・花井美春さん×原作・くずしろさん対談インタビュー

双見と梨田の手助けもあり、ねこのての成長が見られた第11話

──第11話は、ねこのてが東京に来て双見や梨田からアドバイスをもらう、彼女の成長が描かれる回となりました。

花井:ねこのてちゃんがたくさん出てくる回でした。中でも「佐藤さんとの打ち合わせがうまくいかなかった」と言っているシーンがすごく印象的です。

双見先生も梨田さんも普段はわちゃわちゃしているけれど、後輩のねこのてちゃんが悩んでいるときは頼れる先輩になってくれるんですよね。落ち込んでいるところを二人が盛り上げてくれて、最終的には佐藤さんに連絡することができて、(再度の打ち合わせの)OKももらうことができて。ほんわかしましたし、先輩たちがいたからこそできたことだなと思いました。

くずしろ:双見の家にねこのてが来たときの声がめちゃめちゃ震えていて。「私が思っている以上に、勇気を出して都会に出てきたんだね」と……そこで泣きそうになりました。花井さんが仰っていたように、双見と梨田が先輩風を吹かせて(笑)、佐藤との打ち合わせもうまくいって。その後の梨田と塔子のデートを尾行するところでは、ねこのてもちょっと余裕ができて。東京観光を楽しむ、可愛い高校生らしい一面が見られたのも良かったです。

花井:尾行そっちのけでゲームセンターとかで遊んでいましたね(笑)。

くずしろ:(笑)。ねこのての成長が見られて、幸せな回だなと。

花井:双見先生と梨田さんがああいう感じだからこそ、打ち解け合うのも早い……精神年齢が割と近いといいますか(笑)。ねこのてちゃんはむしろ精神年齢が高めですよね。

くずしろ:そうですね。ねこのては自信がないだけだったりします。なので(3人のバランスが)ちょうどいいなと思っていて。

花井:ねこのてちゃんは不安な気持ちや心のモヤモヤがあった中で東京に出てきたと思うのですが、あの瞬間はマイナスな気持ちを忘れていられたのかなと。楽しげに遊ぶねこのてちゃんが見られて、すごく嬉しかったです。

──ねこのては、どのようにして生まれたキャラクターなのでしょうか。

くずしろ:なんとなく「年下ポジション」「後輩キャラ」が欲しいなと思っていた記憶があります。

花井:実際に先生の周りにいる人をモデルにする、みたいなことはあるんですか?

くずしろ:要素を混ぜ込んで、ということはありますが、やはりファンタジーの部分が強いですね。

私のアシスタントさん全員に言えることなんですが、頑張りすぎなところがあって。その生真面目過ぎるところって、引いて見ていくと「可愛げ」になってくるんです。ねこのては、その「可愛げ」をさらに誇張させた感じなんです。

でも気付いたらツインテールだったし、マスクをしてたし、パンダのパーカーを着ていました(笑)。私がキャラクターを考えるときは、すごくちゃんと考えなきゃいけないキャラクターと、気付いたらそこにいた人、という2パターンがあるんです。ちなみに梨田は後者です。

花井:あんなにクセが強いのに(笑)。

くずしろ:(笑)。ねこのてもあまり考えずに出てきたので、きっとこの子はどこかで生きているんだろうなと思います。

花井さんのお芝居を聴いて、ねこのての決断の重みを再認識した

──花井さんのお芝居を聴いて、新たに見えた「ねこのて」の一面などはありますか?

くずしろ:先ほども少しお話ししたように、ねこのての声が震えていて。嬉しさ、怖さ、緊張、疲れなどいろんな感情が混ざっている演技をしてくださったおかげで「漫画家になりたい」という気持ちや行動が、彼女の中で勇気が必要な決断だったんだなと再認識できました。

そのおかげで、ねこのてがより真摯に漫画と向き合っていって、成長速度が上がったような気がしています。可愛いだけでも、梨田に振り回されるだけでもなく「こうしたいんです!」とちょっとずつでも前進していく様を描けるようになったので、花井さんのおかげで成長させていただいたなと思います。

花井:もう……嬉しすぎます……! 天にも昇る気持ちです(笑)。ありがとうございます。めちゃくちゃ気が早いですが、第2期があればまた演じたいです。

くずしろ:あったらいいですね。ねこのての成長した部分を演じていただきたいです。

花井:皆さん、よろしくお願いします!(笑)

──続いて、本作のアニメならではの面白さについてお聞かせください。

花井:やはりキャラクターが見せてくれる一個一個の動きがアニメならではだと思います。ねこのてちゃんはもちろん、みんなのちょっとした目の動きだったり、表情の変化を見ていただきたいなと思います。

あとは、双見先生と周りのみんながわちゃわちゃしているシーンの掛け合いや、ボケとツッコミのテンポ感がすごく良くて、クスっと笑える部分なので、そういったところもアニメの魅力かなと思います。

──先生は、アニメで動くねこのてを見て、どんなところに魅力を感じましたか?

くずしろ:やっぱり小動物的な可愛さがありますよね。あと、ねこのては基本マスクをしている関係で口元の情報が少ないのですが、目や髪の動きなど「声に付いている表情」がすごいんです。口元が見えなくても感情が伝わるところが本当に魅力的だなと。なので、マスクをさせなきゃよかったな、と(笑)。

花井:え!? トレードマークじゃないんですか?(笑)

くずしろ:トレードマークではあるのですが、表情ってやっぱり目と口なんです。「口隠しちゃった~……!」と思っていたのですが、そこも見事に花井さんが演技力でカバーしてくださって、素晴らしかったです。

(C)くずしろ・講談社/「笑顔のたえない職場です。」製作委員会
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