アニメ
『ウルトラマンオメガ』完結記念インタビュー【ネタバレあり】

【ネタバレあり】ソラトは怪獣たちにも幸せになって欲しい――『ウルトラマンオメガ』近藤頌利さん×吉田晴登さん×武居正能監督 完結記念インタビュー

ウルトラマンを魅せるプロフェッショナルの技

ーー共に戦ってきたスーツアクターの岩田栄慶さんが演じる「ウルトラマンオメガ」の魅力をお聞きかせください。

近藤:栄慶さんはすごいですよ。今回はドラマパートを全て撮った後、特撮パートを1話から撮っているんです。なので栄慶さんは僕の演技を全部見てくれていて。その回のソラトを見たうえで、栄慶さんなりの解釈を持って、ウルトラマンオメガを作ってくれました。ウルトラマンへのリスペクトがすごく強い方なんですよね。

我の強い演者さんだったら、「俺のやってきた経験でやるよ」「ディレクション通りやるよ」という人もいるかもしれない。でも、栄慶さんは「ソラトが変身してるオメガだから、そこを大事にしたい」と言ってくださって、それは僕としてもすごく嬉しいことでした。

武居:今まではそれをやりたくても、できなかったんですよね。撮影や編集のスケジュールで、スーツアクターさんは役者が演じた映像を見れたとしても、1日前や当日しか見れないんですよ。それが今回はできるので、「できたら全部見たい」と。

例えば、ファイティングポーズを取らないというのは話し合いで決まったんです。

その間を埋めるために、両手をぶらーんとしてみたり、急にスクッと立ち上がってみたり、相手の動きを真似たり。そういう中で「今のソラトとはこういう心境だろうな」「このくらいの興味を持つだろうな」という彼なりの解釈をふんだんに入れているんですよ。今回は今までにないくらい振り切って合わせたなという印象です。

近藤:ウルトラマンの声を入れるアフレコの時に、本編の特撮を見るんですけど、明らかに加えたなというのは分かるんですよ。「ユピアイエー」をやっているのを見て、「ちゃんと見てくれているんだ」と改めて実感しました。

武居:あれは面白かったね。

吉田:僕も「ユピアイエー」はすごいなと思いましたね。遊び心とリスペクトを感じました。日常で経験したことを戦いに生かされたり、行動に表れてたりして、すごくリアルだなと。

吉田:あと、栄慶さんは動きの一つ一つが全部綺麗ですよね。第25話で一緒にレティクリュート光線を撃たせていただきましたけど、けっこう反省があったんですよ。

近藤:難しいよね。栄慶さんもそうですけど、今まで関わったスーツアクターさんの光線の角度ってものすごく上手いんですよね。あの状態で動くのも特殊ですし、どういう角度がいいか教えてもらいたい。

武居:皆さんショーで子供達と写真を撮る時に光線ポーズを求められるから。とにかく光線を練習するらしいです。

吉田:見せ方に関して、すごくプロフェッショナルですよね。ポーズがカッコ良かったりするのは、すごい技術だなと改めて思います。

近藤:爪楊枝が入らないくらいの視界なんですよね。

武居:目の視界が狭いと、バランス感覚も保てないんです。実はオメガは綺麗さを重視して、見づらい方向に視界を作っていて、逆にウルトラマンアークは見やすかったらしいですね。

ーー最後の敵怪獣である「ゾメラ」のこだわりについても伺いたいです。

武居:エルドギメラは地球産の怪獣なので、かわいい感じにしたかったんですよ。そこにゾヴァラスをゾンビみたいにくっつけるというコンセプトです。

デザイン自体は5、6回書き直しました。地球産の怪獣は基本的に生っぽい、ゾヴァラスは鉄っぽい。加えて、エルドギメラは色が薄いじゃないですか。ゾメラにパワーアップしたことによって色がつくんです。

近藤:言ってしまえば、オメガが負けた2体の融合じゃないですか。それは絶対強いよなと。

武居:そこは分かりやすいよね。

吉田:第24話の出現シーンは印象的でした。暗闇の中で目だけ光ってるみたいな。しっかり全貌が見えないからこそ、「あいつだ!」みたいなトラウマが蘇ってくる感じ。

武居:立ち位置的には冒頭の戦いから続く因縁、人間が生み出した存在というコンセプトもあります。ウルトラマンは中立かつ平等な立場というか、忖度なく世界を見ている。そのうえで、人間という存在に可能性を見出したというお話なんです。

作品に込めたテーマ「目覚めの刻」

ーー第25話まで放送を終えた今、作品テーマについて改めて伺えればと思います。

武居:キャッチコピーが「目覚めの刻」なんですけど、あれは怪獣の「目覚めの刻」ではあり、作品全体のテーマとして、誰かが何かに目覚めていくお話になっています。

「ウルトラマンがなぜ地球を守るのか?」という問いに対して、「人間に可能性を見出したから」という一つの考え方がある。それによって、新たな力を目覚めさせたんだと。色んな意味合いに取れるんですけど、そこが作品の一番核になった部分です。観ていただければ、かなりダイレクトに伝わると思います。

ーー第25話まで見ると、初代ウルトラマンへのリスペクトも感じられました。

武居:同じものを作ろうとは思っていなかったですけど、そういう意識も少しありました。例えば、ビジュアル。セブンの顔にしなかったのは、僕らの中である種のエピソードゼロを作ろうという気持ちがあったからです。この地球上で初めてのウルトラマンはオメガなので、そこはやっぱり初代ウルトラマンだと思うんですよ。

ーー 終盤は地球人が自分たちの力で地球を守ろうとするシーンも印象的でした。

武居:ウルトラマンの力だけじゃなくて、コウセイのような地球人の力も借りて戦う選択するところがウルトラマンの良さです。最終的にはウルトラマンが手を貸してくれるとしても、負けまいとする地球人の戦いというものを描く必要があります。

加えて、今回伝えたかったのは「戦うことがメインじゃない」ということ。だからあくまで怪特隊は調査チームですし、武力のあるチームと連携はしますけど、「倒すことが全てではない」と子供たちには伝えたいなと思います。

吉田:「みんなのことを見守りたい」というセリフがあったように、ウルトラマンの本心みたいなものをちゃんと知れたというか。今までのシリーズでは第1話で起きていたことを『ウルトラマンオメガ』は全25話で描いたということなのかなと。全てのシリーズに繋がるような要素が盛り込まれている作品という印象もありましたね。

近藤:ヒーローって怪獣を倒したいわけじゃないと思うんです。ミコトやゲドラゴとか、そういう経験があった中で、出会った人たちが「とにかく幸せになって欲しい」。このセリフがソラトのテーマだと感じたんですよね。

そういう意味では、怪獣にも幸せになって欲しいと思います。ネズミ捕りやクロノケロスの話で描かれたように、悪じゃなければ倒さなくていい。だから怪獣と向き合うたび、「今回は倒さなくてはいけない怪獣なんだ」「今回は守るんだ」と考えた時間が記憶に残っています。そういう色々な人の幸せを願った作品だからこそ、ヒーローの根源を描けたんじゃないでしょうか。

ーー最後に『ウルトラマンオメガ』をご覧になったファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。

武居:まずは全25話を観ていただいて、ありがとうございます。皆さん続きが気になっていると思います。いずれあるかもしれませんけど、まだ分かりません。もしかしたら、全然違うものを作るかもしれないです(笑)。

オメガの物語は皆さんの想像の中でも続いていく物語になると思うので、少し期待しつつ、これからも何度も観ていただければ嬉しいです。

吉田:ぜひまた1話から観返していただきたいですね。感想もたくさん書いていただければなと。その声で何かが変わるかもしれないですし、僕は全部観ようと思います。第25話の感想を見るのは楽しみでもあり、怖くもありますけど、愛してくれたら嬉しいですね。

近藤:全話観ていただいて、本当にありがとうございます。

感想を書いていただけたら、もしかしたら続編が作られるかもしれません。もともと僕自身は「全25話で完結」と聞いていた仕事でした。もし続編ができるとしたら、作品が多くの人に届いたということだと思います。

視聴者の方には『ウルトラマンオメガ』に出演した俳優たちのことをこれからも応援していただきたいです。もしかしたら、誰かが違うウルトラマンシリーズに出るかもしれませんし、いつか自分が敵役で出るかもしれません(笑)。

ソラトがコウセイにウルトラマンのパワーを託したように、この作品で子どもたちに何か託せていたらいいですね。それが僕たちが後世のウルトラマンに残せるものなので。将来「オメガを見て、ウルトラマンを目指しました!」という子が現れるまで、俳優を続けていきたいと思います。

[インタビュー/田畑勇樹 撮影・編集/小川いなり]

『ウルトラマンオメガ』作品情報

ウルトラマンオメガ

あらすじ

ヒーローも怪獣も存在しない地球に、突然「ソラ」から落ちてきた宇宙人。それは、赤き宇宙ブーメラン「オメガスラッガー」をシンボルに持つ、“究極” の名を冠したウルトラマン。

それまでの記憶を失った宇宙人「オメガ」は、地球人の姿で現れ、「ソラト」と名付けられます。「ソラト」は初めて触れ合う生命体である「地球人」を理解しようと、興味津々に人々を見つめます。

ときに出現する巨大生物、ソラトの失われた記憶から蘇る「怪獣」という言葉。次々と出現する巨大生物「怪獣」を目の前にして、無意識に使命感を掻き立てられるソラトは「ウルトラマンオメガ」に変身し、シャープでパワフルな戦いを繰り広げます。

一方で地球人も、初めて遭遇する巨大生物と赤きスラッガーで戦う巨人が何者なのかを理解しようと、あらゆる視点からその姿を見つめます。やがて結ばれる「宇宙人と地球人」のバディ…ソラトと平凡な青年。見つめ合い響き合うバディの心を通して、「ウルトラマンがなぜ地球を守るのか?」の問いに迫る意欲作です。

今、目覚めの刻(とき)。最新TVシリーズ『ウルトラマンオメガ』にご期待ください。

キャスト

オオキダソラト:近藤頌利
ホシミコウセイ:吉田晴登
イチドウアユム:工藤綾乃
ウタサユキ:山本未來
丹下マサル:真木駿一
佐那河内レミ:潘めぐみ

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京
おすすめタグ
あわせて読みたい

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2026年夏アニメ一覧 7月放送開始
2025年秋アニメ一覧 10月放送開始
2026冬アニメ何観る
2026冬アニメ最速放送日
2026冬アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング