
石原夏織さんが語る2nd E.P「ASOVIVA!!!」――遊び心あふれる5曲に込めた想い【インタビュー】
高音キーへの挑戦と英語の発音にこだわった、リード曲「Little Humming Love」
──そして、2nd E.Pのリード曲が、5曲目の「Little Humming Love」。乙女の恋心を描いていて、また違った“楽しい”の形なのかなと思いますが、石原さんはどのように捉えましたか?
石原:少女漫画みたいだなと思いました。わかりやすい“楽しい”ではないかもしれませんが、少女漫画の主人公の女の子がワクワクしたりドキドキしたり……そういったことをひっくるめた“楽しい”なのかなって。
──レコーディングはいかがでしたか?
石原:この曲は、私の出せるキーの中でも相当高いところをずっと歌っているんです。サビも普段歌ったことのないキーなので、こんなに可愛くて爽やかな楽曲ですが、私としてはすごく挑戦的な楽曲でもありました。
でも、それ以上に楽しさもありました。少女漫画みたいだと言いましたが、サビ以外の部分は歌が交差していて、セリフを言っているように感じるんです。それに引っ張られて、キーは高いですけど、歌っていて楽しく軽やかな気持ちになりました。挑戦的であり楽しくもあるレコーディングでしたね。
──歌詞は児玉雨子さんとつむぎしゃちさんが共作しているのですね。
石原:そうなんです。私は共作してもらったことがあまりなかったので、どういう風にやるのか詳しくは知らなかったんです。聞いてみたら、基本的には1人が書いた大元があって、それをもう1人の方が少しずつ変えていくのが多いんですね。でも、この曲は、交換日記みたいな感じで詞を書いていったそうなんです。1Aを片方が書いたら、それを渡して、もう片方の方が1Bを書き、それをまた戻して……といった感じに、交互に送り合って書いたらしくて。
私のところにチェックで届く歌詞も、不思議なタイミングで送られてくるなと思ったんですよ。普通だったら1サビまで(1番の終わりまで)送られてきて、その次に全部来るみたいな感じなのですが、この曲は1Bまで書いたものが来て、次はどこまでくるんだろうと思ったら2Aまで来て。なぜだろうと思っていたから、レコーディングで「実は交換日記のように書いていたんです」と聞いて納得しました。
──その作り方は初めて聞きました。
石原:おふたりとも「あまりやらない手法なので、面白かったです」と言っていました。これも少女漫画っぽいというか。女の子なら誰しも幼い頃に交換日記をやったことがありますよね。だからこそ、続きがどうなるかのワクワク感が伝わってきます。私も途中からどこをどっちが書いたのかわからなくなったので、作詞家さんのファンの方は、この部分はどっちが書いたのか想像しながら読むのも面白いかなと思います。
──高音は挑戦だったとありましたが、ほかにこだわったところはありますか?
石原:英語の発音にもこだわりました。作曲のYHELさんは「ILLUSION」(3rdアルバム収録曲)も書いてくださっていて、そのときも「ジャパニーズイングリッシュに聞こえないように」と言われたんです。今回は〈Little love Little love Little love...〉と「L(l)」がたくさん出てくる単語が多くて。カタカナの「リル」と聞こえないように、すごく丁寧に収録しました。ここは「リル」に「ラブ」が付くから、さらに「L」が続きますし、日本人の私からすると本当に難しかったですね。それプラス、リズムと曲の雰囲気を壊さないようにしないといけないですから。いろんな方向に意識を向けなきゃいけないのは、一番苦戦したところかもしれないです。
──それで雰囲気や世界観を壊すわけにはいかないですからね。
石原:そうなんです。ただ、毎回レコーディングでは苦戦しますけど、ライブのときには英語もちゃんと歌えるようになっているので、いい挑戦であり、ありがたい試練だなと思っています。
少女漫画のようなストーリー性のあるMVで1人2役を演じる
──少女漫画っぽい、という話がありましたけど、この曲のMVは完全に少女漫画テイストで面白いです。
石原:面白いですよね。MVを作ってくださった監督さんとは「Blooming Flower」や「夢想的クロニクル」など何回かご一緒しているんですけど、CGが得意ですし今回も楽しいものができそうだなと思っていました。いつも自分が想像できないようなものを提案してくださるので、今回もお任せしたら本当に面白くて感動しました。絵コンテの段階から絶対に面白いMVになることが確定していたので、ワクワクしながら撮影したんです。
──学校が舞台となっていますが、どこで撮影したのですか?
石原:鴨川の学校です。いまは名前が変わってしまいましたが、『輪廻のラグランジェ』に登場する学校のモデルになったところなんですよ。
──やっぱり鴨川なんですね。当時、『輪廻のラグランジェ』の取材で行ったことがあったので、校内の雰囲気や窓から見える景色でもしかしてと思ったのですが、本当にあの学校だったとは。
石原:私も驚きました。実は鴨川で撮影すること自体、知ったのは撮影をする前日くらいだったんです。鴨川で撮影なんて珍しいけど、めっちゃ久々の鴨川だな……と思って当日行ってみたら、「あれ?近くにあるのって、“おらが丼”を食べた東洋さんかな?」「本当だ、あのお店だ!」とマネージャーさんとなって。そこで初めて『輪廻のラグランジェ』のモデル校で撮影すると知りました。
この学校で撮影するのは、私から提案したわけじゃなく本当に偶然だったんですけど、『輪廻のラグランジェ』は2012年放送なので、まさか14年後にまた行けるとは思ってもいなかったです。サイクリングのイベントでも、最終地点としてファンの皆さんと会うのがこの学校の玄関でしたし、なんか縁があるなと思ってとても嬉しかったですね。
──そのイベントに参加したファンもいるでしょうし、感慨深いでしょうね。
石原:MVを見て気づいてくれる人いるかな?いたらいいな、と思って言わないでおきました(笑)。
──その学校で撮影されたMVですが、内容は石原さんがアイドルと女子高生の2役を演じていて、まさに少女漫画のようなストーリーになっています。撮影はいかがでしたか?
石原:変な話ですけど、アイドル役の方は、いつもファンの皆さんとお会いしたりライブをやったりしているから馴染みがあるというか。自分のことをアイドルと思ってはいないですけど(笑)、すんなりと役に入れました。
女子高生役も恥ずかしいとかは全然なく楽しくやれたのですが、昔なら女子高生の方が普通だったのに、いつのまにかアイドル役の方が近く感じるようになっていて。制服もFCで去年着ましたけど、普段着ることがなくなって何年も経ちますから、なんだか不思議だなと思って演じていました。
でも、撮影がスタートしたら、そんなことは考えずに、生徒会長の彼に振り向いてもらえるようにいろいろ画策とかしました。実際には(CGで描かれた)彼はいませんから、どんなことをしているのか想像しながら演技するのが楽しかったです。
──どんなMVにするかは監督からの提案だったとのことですが、男性キャラに石原さんの趣味嗜好が反映されているわけではない?
石原:ではないですね。「どんな感じがいいですか?」と聞いてくださったのですが、あまり私利私欲が入ってしまうのは違うのかなって。それよりも全体像が見えている監督にお任せした方がいいと思ったんです。私は現地に行くまで教室の色味すらわからなかったですし、監督の頭の中で想像しているものに全部乗っかった方が、間違いないものができますからね。実際、乙女ゲームみたいな感じもあり、女の子ファンの子たちもキュンキュンしてくれるんじゃないかなと思います。
自分自身もハマっている「シール交換会」を実施
──曲の内容は前回お聞きした「We Can Do!!」と「星眼鏡」ですが、アニメの主題歌としてオンエアされたのをご覧になっていかがでしたか?
石原:絵がのることによって、「We Can Do」は可愛らしさが一層強まって、曲も違って聴こえるなと思いました。もちろん、曲単体でも可愛く作っていたんですけど、オンエア後は曲を聴くとドゥちゃんの過ごしている様子も目に浮かぶようになりましたし、「We Can Do」の縦の幅が広がったと感じています。アニメを見ていないときでも、この曲を聴いたら朗らかな気持ちになりますよね。
「星眼鏡」は、いろんな種族をイメージして作った曲であると前回お話しましたが、エンディングでもそれが表現されています。原作漫画のような繊細なタッチで描かれていて、「星眼鏡」のきらびやかで、ちょっと切ない、でも楽しい感じがより伝わったんじゃないかなと思います。どちらの曲も作品の一部となって皆さんにお届けできて本当に嬉しいですし、作品を楽しんでもらえていたら私も幸せです。
──楽曲以外のこととしては、5月に2nd E.P「ASOVIVA!!!」のリリースを記念した「トーク&シール交換会」が実施されます。やはり「シール交換会」が気になりますね。
石原:「ASOVIVA!!!」(遊び場)というタイトルなので、なにか遊ぶことをやりたいなと思って。シールは私自身もハマっていますし、生放送とかでもファンの皆さんとシールの話をよくしているんです。同年代の女の子でもハマっている人が多く、やったことのない男性のファンの人からは「やってみたい」という声がたくさん届きまして。今回のリリイベはちょうどいいんじゃないかと思い、「シール交換会」をやることになりました。
──石原さんは子供の頃もシール交換をやっていたのですか?
石原:はい。私はドンピシャ世代です。いまは危険だからなくなった箱型のブランコで、よく友だちとシール交換をしていました。
──当時もモコモコしたシールを?
石原:いや、ボンボンドロップシールとかうるちゅるシールは、当時はまだなかったです。
──それにしても、令和の時代にアナログなシール帳やシール交換が流行って、売り場に人だかりができるのは驚きました。
石原:私もシールは好きでしたけど、ここまで人気になるとは思わなかったから、人だかりを見ると毎回ビックリします。あとで買えばいいやと思って買わなかったシールもたくさんあって、ちょっと後悔しています(笑)。
──ちなみに、石原さんはどういうシールの貼り方をするタイプですか?
石原:私は同じシールを一面に貼るタイプです。ただ綺麗に並べたらシールのシートと同じなので、隙間やバランスを自分で考えて貼っています。
──シールの貼り方にも個性が出ますよね。
石原:面白いですよね。「なんでそのシールを買ったの?」と思うような人もいますし(笑)。YouTubeとかで、まったく知らない人の「こんな変なシールありました」みたいな動画を見るのも好きです。
──最後にライブ関連として、4月19日(日)には「Sho Watanabe 20th Anniversary Fes.2026 supported by リスアニ!」に出演されます。単独ライブとは違った面白さがあると思いますので、意気込みをお聞かせください。
石原:作曲家さん名義のフェスは初めてなので、渡辺 翔さんの数々の名曲が聴けるのかな?と、すごく楽しみにしています。そういう意味でも、これまでのフェスとは違う気持ちですね。ファンの方もきっと普段とは違った熱の入り方をすると思いますし、私もそれに負けないように楽しみたいです。
[文・千葉研一]
石原夏織2nd E.P「ASOVIVA!!!」
【発売日】2026年3月25日
【価格】2,999円(税込)
≪収録楽曲≫
*収録曲:全5曲
01.ASOBO-YO運命論序説
02.We Can Do!!
03.Yummy!Yummy!
04.星眼鏡
05.Little Humming Love
[特典映像]
・特典Blu-ray [Music Video+Making Movie]

































