
春アニメ『ガンバレ!中村くん!!』コンセプトディレクター・畳谷哲也さん&OPディレクター・アズマさんインタビュー|どんな作品なのか分かるオープニング・読後感を楽しめるエンディングを目指して
読後感を楽しめたりするエンディングにしたい
──続いて、エンディングについてお聞かせください。本作は毎回エンディングの映像も曲も変わることで話題にもなっていますが、そういう演出をしようと思った理由を教えてください。
畳谷:最初の会議で、本編を見終わったあとの余韻だったり、読後感を楽しめたりするエンディングにしたいという話になったんです。そこから、中村くんが本編のあとにどう感じているのか、どういう生活をしていたのかがエンディングで描けたらいいかなと思って。本編と本編とをつなぐ橋渡し的な意味を持たせられたらということで、毎回映像も音楽も変わるというコンセプトのエンディングの制作がスタートしました。
──中村くんの部屋のワンカットという映像も印象的でした。
畳谷:中村くんの様子を第三者目線で追うみたいな感じにできたらと思い、部屋で音楽を聞いている一幕をワンカットで描きました。また、こだわる部分はこだわりたいという気持ちはありつつも、エンディングにリソースを割いて本編が疎かになったら本末転倒なので、工数を極力かけ過ぎないようにという意味でもワンカットにしています。
──音楽については、「今回は何が流れるのか」とSNSで予想などが白熱していました。楽曲はどのようにセレクトされましたか?
畳谷:基本的にはみんなで中村くんが聞いてそうな楽曲をテーマに候補を出しています。第1話のエンディング曲だった「初恋」は春泥先生からのリクエストでした。
──無音エンディングの第12話には衝撃を受けた方も多かったと思います。
畳谷:中村くんが毎回家で音楽を聞いているかと言ったら、聞いていない日もあると思うんです。そういう音楽演出においても緩急を上手く取り入れられたらいいなと、プリプロダクションの段階で考えていました。第12話は中村くんが家から飛び出して不在の状態だから、ここで無音を採用するのがいいのではと思ったんです。音楽があるときの感情、音楽がないときの感情も意識しながら制作しました。
──アズマさんがエンディングを見たときの感想を教えてください。
アズマ:畳谷さんからお話があった読後感をすごく感じたんです。本編の引き続きで見られますし、単体で見てもオシャレでかわいいルックになっていて、見応えがありました。80年代、90年代のヒット曲を音楽にするという発想、作画的なコストへの配慮も含めて、すばらしいエンディングだと思います。
モブキャラクターを大事にすることで作品の厚みが何倍も増す
──おふたりがアニメや映像制作をするうえで大切にしていること、大事だと思っていることを教えてください。
アズマ:個人制作などで色々な監督さんとタッグを組んでやることが多いのですが、監督ごとにやりたいこと・やりたくないこと・やってほしいことは違うんです。そのなかで、監督と僕の見ている方向性や作りたいものがハマったとき、いい映像が完成するという感覚があって。映像って、完璧だったら見てもらえるというものじゃないと僕は思うんです。噛み合っている映像が、結果的に色々な人に見てもらえるものになるんじゃないかなと。その噛み合うということが、大事だと思っています。
畳谷:一人ひとりのキャラクターを大事にすることを意識していますね。本作でも、中村くんや広瀬だけでなく、名前も出てこない生徒とかも含めて、みんなそれぞれの人生があることを大事にしたいよねという話をしていました。
──クラスメイト全員の座席表や苗字なども決めているとお聞きしました。
畳谷:それは、相当大変だったと思います。作品愛がないと乗り越えられない所業です。他作品でも、もともとモブだったキャラクターが、主要キャラばりに愛されることがあったりと。モブキャラクターであっても蔑ろにせずに大事にすることが、実は作品の厚みを何倍も増すことにつながる気がするんです。今後のアニメ制作でも本作のように、キャラクター一人ひとりを大事にしていきたいですね。
──最後に、おふたりが思う本作の推しポイントを語っていただければと思います。
アズマ:この作品は、中村くんのドタバタ奮闘ぶりの楽しさのなかに、少しの苦味みたいなのが共存していると思っていて。その楽しさと苦味の塩梅を巧みに見せている映像・演出・音楽すべてがすごいなと思っています。中村くん役の小林千晃さんの演技で、より楽しさも苦みもすんなり受け入れられるようになっていると感じました。声優さんのお芝居も含めて、バランス感覚が実に見事な作品だと思っています。
畳谷:中村くんが中心の物語ではありますが、作品を見返すときには、他のキャラクターにも注目してみると、面白いんじゃないかと思っています。例えば広瀬。彼も、ちゃんと中村くんとの距離感が変わっているんですよ。最初は知り合いっぽい感じだったけれど、次第に自分の弱さや本音みたいなことを出したり、後半にかけては悩みだったり、迷いだったりとかも出ているんですよね。色々なキャラクターが13話を通して変化しているので、ぜひ見ていただければと思います。
[文・M.TOKU]
作品情報
あらすじ
主人公・中村男久斗はどこにでもいる内気な男子高校生。
友人ゼロの彼の前に現れたのは、クラスメイトの広瀬愛貴。
何だこの気持ちは…!?
まだ会話もしたことがないのに、広瀬をみると毎日ドキドキがとまらない…!!
内気な男子高校生・中村くんの広瀬への“片想いをめぐる妄想と暴走”をどこか懐かしい80~90'sタッチでコミカルに表現し、高い人気を博す、春泥による王道BLラブコメディ「ガンバレ!中村くん!!」のTVアニメーション化が決定!
キャスト
(C)Nakamura-kun!! Animation Project

































