
映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』で乃木坂46の4人が声優に挑戦! 井上和さん、中西アルノさん、一ノ瀬美空さん、冨里奈央さんが明かす役作りと声だけで感情を伝える難しさ
2026年11月6日より全国公開中の映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』。監督を務めるのは錦織敦史(『アイドルマスター』『ダーリン・イン・ザ・フランキス』)。『エリィアンズ』『夜露死駆★少女』『ノクターン~このグロテスクな夜に~』という、まったく世界観も絵柄も違う3つのエピソードからなる作品だ。圧倒的な映像美とハイクオリティな音楽。物語を彩る少女たちも、異星人・ギャル・ヴァンパイアと様々だ。
今回は、『ノクターン~このグロテスクな夜に~』で、声優を務めた乃木坂46の井上和(アヤメ役)、中西アルノ(シオン役)、一ノ瀬美空(モモ役)、冨里奈央(カンナ役)に、作品について語ってもらった。
アフレコで役を演じる前に準備をしていったこととは?
──皆さんは、アニメに対してどんな印象を持たれていましたか?
アヤメ役 井上和さん(以下、井上):私はアニメに育ててもらったと言っても過言ではないほどアニメが大好きで、今アイドルという形でエンタメ業界に関わらせていただいていますが、人生の楽しみの大半……特に映像作品に関しては9割がアニメと言っても過言ではないくらい、私の人生を語る上でなくてはならないものなんです。
アニメに救われたこともたくさんありますし、私は逃げ場がアニメだったので、居場所がなくなってしまったときも、ずっとそこにいてくれたのがアニメでした。一生懸命リアタイをしていたので、そういう時間も青春だったと思うし、今もずっと大好きです。
──アニメに救われていたんですね。
井上:なかなか自分では整理できない感情が来てしまったときって、誰かの言葉で解決するものでもないじゃないですか。そういうときに、教えを請うわけでもなく、日常アニメとか、ただゆるやかに時が流れて、主人公たちの清らかな心や真っ直ぐ頑張る姿を観るだけで、どこか心が洗われるんですよね。学生時代、人とうまく関われなくなったときに、アニメを通して人と関わったりしていたので、自分の中でアニメはそういう存在なんです。
シオン役 中西アルノさん(以下、中西):小さい頃から馴染みがあるというところだと、さくらももこさんが好きで、『ちびまる子ちゃん』や『コジコジ』を観ていました。最近では、さくらももこさんではないけれど『ちいかわ』にハマっていたりします。私にとってアニメは癒しだったので、今回関わらせていただいた『GROTESQQQUE-グロテスク-』のようなテイストのアニメは、馴染みはなかったんですけど、今のアニメが日本のカルチャーとして成立していっているんだなぁと、すごく感じています。
ただ、自分にとってアニメは、自分の心をほんのちょっと温めてくれる存在だったので、そういう意味では、私もアニメに救われてきたんだと思います。
モモ役 一ノ瀬美空さん(以下、一ノ瀬):少年漫画を原作としたアニメやバトルものを観ることが多いので、アニメは日常ではないからこそ楽しめるという印象があります。アニメでしか観られないようなものが好きなので、そういうものに小さい頃から憧れていました。
──それは、観ていてスカッとするんですか?
一ノ瀬:というより熱くなれます。負けたくないとか、日常的に思うことは全然ないんですけど、アニメを観ていると、キャラクターに感情移入するので、手に汗握るんです。そこでしか生まれない感情が多いし、そういう作品ばかり選んでしまいます。
──今作だと『夜露死駆★少女』が合いそうですね(笑)。では、最後に冨里さん。
カンナ役 冨里奈央さん(以下、冨里):私は、小さい頃は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』とか、きっと誰もが好きで、観たことがある作品に馴染みがありました。今では、アニメは日本の大事な文化のひとつになっていると思っていますので、今回こうして携われたことがすごく嬉しいし、普通の女の子というより、ヴァンパイアが出てくるという個性溢れる作品に出られたことがすごく嬉しいんです。
──そこからはだいぶ方向性が違う作品かと思いますが、こういうヴァンパイアが出てくるような作品は、あまり観てこなかったですか?
冨里:あまり観てこなかったです。だからこそ、すごく新鮮で! 台本を読んでいて、初めての感覚だなと思いました。自分がそれをどう演じられるのかな?って考えるだけでも楽しかったです。
──『ノクターン~このグロテスクな夜に~』の台本を読んだとき、どこに一番興味を持ちましたか?
中西:台本を見たときは「強烈な作品に出演することになったんだな」と思いました。ヴァンパイアって、私の中でカッコ良くて、ミステリアスなイメージがあったので、個人的にはすごく魅力を感じましたし、それに声を当てられることが嬉しかったです。
冨里:物語を説明する台詞がみんなにあるんですけど、台本を読んでいて、この子はどうやって読むだろうと想像が膨らんで、アフレコが楽しかった思い出があります。
井上:アニメ作品の中でも、人類がいなくなってしまった世界で二人きり、みたいな設定の作品ってたくさんあったと思うんです。その中でも今回の作品の魅力は、アヤメの存在だと個人的に思っているんです。もう何も頼れるものがない状況にもかかわらず、ここまで自分の腹の中を明かさないキャラクターがいる……。私たちメンバーの関係性って、突き放すように聞こえてしまうかもしれないですけど、“友達とはまた違う関係”だと思っているんです。この4人の関係性も、きっと友達とかではなく、ちょっと歪で、何か不規則なんですよね。そういう時間の流れとキャラクターの関わり合いみたいなのが、『ノクターン~このグロテスクな夜に~』の魅力だと個人的には思っています。
一ノ瀬:ワゴン車の中とか、キャッキャした女の子たちの会話みたいなシーンもあるんですけど、急にその雰囲気が一変して、不穏な空気が流れるような展開が何度かあるんです。そのシーンの切り替わりは、前の会話が楽しかった分、ゾクッとしました。そこは映像で観て、結構心が動いた部分で、アフレコで感じていたのとは違う魅力が、実際の映像にはあるんだなと思いました。
──皆さん、声優というお仕事をするにあたって、どんな準備をしましたか?
中西:役と向き合わなければいけないというところがあったので、私はアニメを観ました。さくらももこさんが好きだと話しましたが、やはり観ていたジャンルが違っていたんですよね。なので、異世界転生のアニメとか、『ご注文はうさぎですか?』とか『シャインポスト』とか、かわいい女の子がいっぱい出るアニメとかも観て、声優としてのアプローチというのを学んだりしました。
冨里:私もアニメを観ました。錦織監督の『ダーリン・イン・ザ・フランキス』を観て、こういうのを作ってらっしゃるんだと勉強をしたりしました。あと、声優さんがとある番組で「アフレコをする前にリンゴを食べるといい」と仰っていて、そうすると滑舌が良くなるみたいなんですよ。
中西:え! それ早く知りたかったー!
冨里:ごめーん! 独り占めしちゃった(笑)。でも、リンゴが良いらしいと聞いたので、アフレコ前にりんごを食べたりしました。
一ノ瀬:これまではアニメを観るとき、ストーリーばかりを追っていて、お芝居に注目して観たことがなかったんです。なので、初めて声に注目して観ました。それで「この声優さん素敵だな」と思って調べてみたら、いろんなキャラを演じられていて! 本当にいろんな声で、それこそカメレオンのように作品に溶け込んでいるんですよね。なので、結構声優さんについて知る期間になりました。
井上:自分がやらせていただくアヤメが、オリジナルアニメなので手本にするものがなかったんですよね。それをイチから自分の力だけで作るのは無理だと判断しまして、他の作品からヒントを得ようと思ったんです。そこで、わかりやすく近そうなのが〈物語〉シリーズの忍野忍だったんです。
──声は坂本真綾さんですね。
井上:はい。で、考え始めたら「うーん、もう無理だ!」となってしまって(笑)。でも、坂本真綾さんは大好きで、小さい頃から『七つの大罪』を観ていたし、『攻殻機動隊』シリーズも観て好きなんです。だから〈物語〉シリーズを観て、ヴァンパイアのイメージだけはしていったつもりだったんですけど、程遠かったですね……。
──いや、すごく良かったと思いますし、何かしらのヒントにはなっていたのだと思います。では、それぞれ演じた役柄について、どんなことを大切に演じていきましたか?
井上:アヤメはすごく不器用なキャラクターだと思っていて。自分の存在や感情をすべて出さないし、きっと出せないんです。そんな自分に対しても、好きだと心の底から思えてないんだろうなと感じました。だからこそ、関わってくれる3人のことをすごく大切に思っていて、当たり前の形ではないかもしれないけれど、自分が与えられる最大限の愛情を与え続けているのかなと思いました。そんな、不器用ながらもすごく愛と優しさに溢れた子なので、その感情の出し引きは意識して演じさせていただきました。
中西:影があるじゃないですけど、シオン自身もネガティブな面を持ち合わせているんです。描かれてはいないですけど、3人に出会うまでは傷ついた経験や挫折もあったと思うんです。そういう意味では、少し私に似ているなと思っていました。ただ、シオンにしかない部分としては、“無自覚な人たらし”なんですよね(笑)。人を惑わせてしまう、ちょっと魔性なところを持ち合わせているんです。シオンは、アヤメによって、あとから仲間に加わっていますしね。そういうところは私にはないし、それは彼女自身のミステリアスさから来ていると思ったので、台詞ひとつひとつに含みを持たせるようにして収録に臨んでいました。
冨里:カンナはお姉さんで、みんなをまとめる役だったので、普段の私とはちょっと違うかなと思いつつ、私には妹がいるので、妹に接する感じを思い出して演じました。この物語では客観的にみんなを見ているんですよね。悩んでも、カンナは人に言わないというか、隠すから、そういうところも、どうやって感情を表現するのか悩みました。でもそこがカンナの良いところだと思ったし、素敵なところなんだと思います。
一ノ瀬:モモは感情の波がちゃんとあるキャラクターなので、声にも波があるのかなと思っています。アフレコをするときは、楽しいシーンだったら思いっきり笑って口角を上げてしゃべったり、悲しいときや拗ねているときは、そういう顔をしてしゃべったりしました。表情を変えると声のニュアンスも変わると思ったので、そこは意識しながら演じていました。いじけたときは、手に力が入ってグーになったりもしたりしたので、そういうところも声に意外と関係しているんだなという気づきもありました。








































