変化作『境界線上のホライゾンII』ED 結城アイラに直撃

変化作『境界線上のホライゾンII』ED 結城アイラに直撃

 話題作『宇宙戦艦ヤマト2199』第一章ED『星が永遠を照らしてる』を収録したカップリング・シングルが好調なチャート・アクションを記録している結城アイラさん。早くも2012年8月8日(水)に新作『境界線上のホライゾンII』EDテーマ-Side SunSet-『悲しみは誰の願いでもない』をリリースする。

 前作はドラマティックなミディアム・ナンバーだったが、今作では一転。下記インタビューでも語っている通り「"悲しい気持ち"をいかにシャウトするか」に力を入れた意欲作に仕上がった。どんな風に制作に挑んだのか、近況も含めて話を聞いた。

結城アイラさん。

結城アイラさん。

●アニメのテーマ・ソングにとどまらない曲になった

──前作『星が永遠(とわ)を 照らしてる』の取材のときに「次回の曲はまったく(カラーの)違う曲になってます」っておっしゃっていたんですけど、本当に正反対の曲で(笑)。

結城アイラ(以下、結城):全然違うでしょ?(笑)。前回は「優しい気持ち」を意識して歌ってたんですけど、今回は「悲しい気持ち」をいかに叫ぶかっていうか。ずっとシャウトしている熱い曲なので、レコーディングでもAメロからラストのサビまでずっと気が抜けなくて……声の枯れる一歩手前まで歌いました。激しい曲ですけど、希望に繋がっていくような光のある曲になっているので、大好きな曲のひとつになりました。

──では詳しく楽曲のことを聞いていきたいんですが、最初に曲を聴いたときのイメージは?

結城:最初聴いたときは……その時点ですでに歌詞もついていたんですけど、アレンジが全然ちがったんです。もっと普通のバンドサウンドで「キャッチーな曲ですね」なんて話をしてたくらいで。

 で、次にキーチェックをしにスタジオに行ったときにまたアレンジが変わってて、レコーディングをしに行ったときにまたアレンジが変わってて(笑)、レコーディングが終わったらまたアレンジが変わってる……みたいな感じで、最終的にリアレンジを10回以上したそうなんですよ。

──なぜそんなにリアレンジが続いたんでしょうか……?

結城:制作サイドがそれだけ力を入れて下さったってことだと思います。作品の世界観と合わせるために「もうちょっとここは(リズムが)跳ねてたほうが良いね」「ここはもう少しリズムが食ってた(前のめりに入ること)ほうが良いね」って試行錯誤を重ねて……ホントに細かいところなんですけど、何回もアレンジを変えていったんですよね。でもそうやって制作サイドがこだわりを持って曲を作って下さっていることが嬉しかったです。

 だから私もその熱い気持ちに応えなきゃなって思いましたね。最終的には打ち込みメインの曲になったんですけど、それが『境界線上のホライゾン』(以下ホライゾン)の世界観にすごく合っている気がしていて。だからこのアレンジで正解だったんじゃないかなって思ってます。

──歌詞はどんな印象でしたか?

結城:主人公のトーリくんは(契約のせいで)悲しいって感情を持ってはいけない人だけど、ホライゾンを失う事故なんかもあって……本当は悲しい気持ちを抱えているんじゃないかなって思ってたんです。お話のなかでは彼は悲しい気持ちを叫べないけど、私は歌のなかでその気持ちを代わりに叫ぼうかな……って今回の歌詞を読みながら考えました。

──「悲しさは誰のせいとか/誰かの願いじゃないのに/何故消えないの?」という一節はこの楽曲を特に象徴した内容になっていると思うんですが、アイラさん自身そういう風に考えたり悩んだりすることってありますか?

結城:苦しいなって思うことはあったりするんですけど……なんて言うんだろうな……この歌詞にも書いてあるんですけど、最終的に自分が前を向くことができれば世界は変わっていくんだろうなって。そういう前向きなところに共感できました。私自身、寝たら次の日に忘れてしまうようなタイプなので(笑)。

 でも普遍的な日常生活のなかで自分の弱い部分、苦しいって思うような部分をなかなか自分のせいにできなくて、自分を守るために人のせいにしてしまうことってあると思うんです。この歌詞のなかでは自分の弱さをきちんと認めてて……私もこういう風になれるようになりたいなって思いながら歌いました。誰もが思うような気持ちもこの歌詞のなかにたくさん入っているので、アニメのテーマ・ソングにとどまらない曲になったと思います。



●自分が見ていた作品に繋がれるってすごく嬉しい

──改めて曲を聴いたときの印象は?

結城:レコーディングのときは4つ打ちを基調にしてた曲だったんですが、改めて聴いたら喰う感じのリズムになっててより打ち込み感が強くなった気がしました。

 私のうたが滑らかになっていたのも印象的でしたね。2番の歌詞に「突き当たる/壁をたたきながら」って一節が出てくるんですけど、レコーディングのときに「壁たたきすぎ!」って言われるくらい、シャウトしてたんで(笑)。完成した音源ではいい壁の叩き具合になってたなと(笑)。

 今年の6月24日(日)に『ホライゾン』の学園祭(「境界線上のホライゾン」武蔵 アリアダスト教導院学園祭)というイベントがあって私も歌わせてもらったんですけど、そのときに原作者の川上 稔さんにお会いすることができて。そこで、曲を聴いた川上さんが「すごく内容と合っていて良かった」とおっしゃってくれたので「良かったー!」って。後半のシリアスな展開は今回の曲にピッタリなんじゃないかな、と私も思います。

──(インタビューした段階では)先日『ホライゾン』2期の第1話が放送されましたが見ましたか?

結城:見ました~! 第1話では曲にセリフがのっているという変わった形で私の曲が流れて、「すごく格好いいんですけど!」って思いながら見てました。まだ私の楽曲は(現段階では)エンディングで放送されていないんですけど、奥井さんのエンディングがすっごく可愛かったので、次回の放送が楽しみですね。

──『ホライゾン』には1期と同様エンディングが2種類あって、もう一方のエンディング『-Side SunRise-ソラノウタ』は奥井雅美さんが歌われています。

結城:奥井さんの明るいロックな楽曲も大好きです。逆に奥井さんはちょっと切ないほうが得意だからすごく苦労したってことをおっしゃっていて。だからこそ私も頑張らなきゃって思ったし、奥井さんの曲にすごく背中を押されました。

──『ホライゾン』はアイラさんから見てどんな作品ですか?

結城:とにかく「壮大すぎる!」って感じですね(笑)。1期のアニメを観ていたんですが、正直最初は内容が分からなかったんですよ(笑)。まず登場人物の関係が分からなくて、でもどんどん新しい登場人物が出てきて……すっごく難解なのが逆に衝撃的で。

 でも周りの人たちから「面白いよ」って話は聞いてたので「原作を読んでみよう」って読んでて「面白いな~」って思っていたときに「2期のエンディングに決まりましたよ!」って言われて(笑)。

──すごい偶然ですね。縁があったというか。

結城:だからすごくビックリして。前作にしてもそうなんですけど、自分が見ていた作品に繋がれるってすごく嬉しいですね。

<b>『悲しみは誰の願いでもない』/結城アイラ</b><br>発売日:2012年8月8日(水)<br>価格:1200円(税込)<br>発売元:株式会社ランティス<br>販売元:バンダイビジュアル株式会社

『悲しみは誰の願いでもない』/結城アイラ
発売日:2012年8月8日(水)
価格:1200円(税込)
発売元:株式会社ランティス
販売元:バンダイビジュアル株式会社

●「等身大でいくのが一番良い」って思えた

──今回の写真のコンセプトを教えてください。

結城:カフェで撮影したんですけど、レトロな電車に乗ってるような風景が気に入ってます。実はもともと私が「こういう感じの場所で次作の写真を撮りたいんです」って写真を持っていったら、デザイナーのかたが「あれ? ここの場所、この間ロケハンに行ったよ」って。「ええ!? この場所で撮りたいです!」」ってすぐこの場所で撮る場所が決まって(笑)。嬉しかったですね。

 衣装に関しては……前作のときは「くつろいでいるセレブ」みたいな雰囲気にしてたんですけど(笑)、実際の私は別にお金持ちでもセレブでもないので、もっと等身大な私を見せたいなと思ってカジュアルな服装にしました。だから私服に近いような形にして、メイクに関してもナチュラルにして……「海から上がってきてカフェでちょっとお茶してます」みたいな雰囲気の写真にしました。

──ジャケットに関してもそうですが、最近どんどん素のアイラさんが出てきているような……。

結城:そうですね。ずっと謎に包まれた人だったんで(笑)、実際はこんな感じだよ!っていうのをみんなに知ってもらいたくて……。「ミステリアス」って言ってもらえる機会が多かったので「ミステリアスにしなきゃいけないのかな?」って思っていた時期があったんですよ。でもミステリアスなんてできないし……って考えこんでいたら、怖くなって人前に出れなくなっちゃったんですよね。

 でも……ヤマトがきっかけなのかな? 大好きなアニメの歌を歌えることになって、自分の思い入れのある曲をみんなが聴いてくれて……って状況になったときにすごくいろいろなことに気づいて「飾った自分じゃなくて良いじゃん」「等身大でいくのが一番良い」って思えたんです。とは言え「ミステリアスじゃなくてゴメンね」って感じもあるんですけど(苦笑)。

──ブログ「アイラ部屋」でも「アニソンを歌わせて頂いてゆく中で、ひとつの作品をつくるために、本当にいろんな人達が関わっているんだなっていうことを改めて感じて」と心境の変化を詳しく綴られていましたよね。

結城:最近いろいろ書いちゃいましたねぇ……(笑)。弾き語りをやっていたときは聴いてくれる人に対して「ありがたい」とは思ってるんですけど、作詞・作曲にしても自分の小さな宇宙を書いていたというか。

 「自分を見せる」みたいな気持ちでいたんですけど、アニメの世界に飛び込んでから「自分のことばかり書かなくてもいいんだ」「自分のことを歌わなくても共感できることってたくさんあるんだ」「登場人物に心を寄せて書いても良いんだ」とか……たくさん思うことがあって。

 今回もそうですけど、いろいろな人たちが関わって何度もリアレンジしてくれて、聴いてくれる人たちがいて……。いろいろな人たちがいてくれるからこそ私は今歌ってられるんだなって改めて思ったんです。

 それで先日アコースティック・ライヴでデビュー曲『colorless wind』(2007年4月発売/アニメ『sola』OP)をピアノの弾き語りで歌わせてもらったんですけど……皆さんの前で弾き語りをするのは約6年ぶりだったんですけど、その当時とは心境が全然違くて。お客さんと喋っているような感じで歌えたというか、みんなと対話してる感覚だったんですよね。だから自分にとってアコースティック・ライヴはすごく意味があるし、改めて気づけたことが多かったです。……なんか恥ずかしいですね、こうやって話すと(笑)。

 今回のカップリングに収録されている『LETTER SONG』では、はじめて作詞・作曲の話し合いに参加させてもらったんです。これまでの想いをぶつけた曲になっています。今、自分が歌を歌えているのはみんなのおかげです、みんなに会えて本当に良かったよっていう歌の内容ですよ。ライヴでも盛り上がるようなアップテンポの曲なので早くみんなに聴いてもらいたいな。

──では今後の予定についても教えてください。

結城:8月末に発売するゲーム『特殊報道部』のエンディング・テーマ『DestiNAtion Destiny』を歌わせていただいてるんですけど、夏っぽいサウンドで今までにない楽曲になっているのでぜひ聴いていただけたら。また秋に発売するゲーム『いますぐお兄ちゃんに妹だっていいたい!』のグランド・エンディングを歌わせてもらいます。まだ曲は上がってきていない状態なんですが、「たぶんバラードかな?」って勝手に予想しています(笑)。

──(笑)。では夏に向けてのライヴについて最後にメッセージをお願いします。8月4日(土)にはオトメイトのイベント『オトメイトパーティ2012』もありますね。

結城:そうなんですよ~。私も黄色い声を出してもらえるかな~?と楽しみにしてます(笑)。また10月21日(日)に幕張メッセで行われるAMW『電撃20年祭』にも出演することになりました。実はあの付近は私の地元なんです。地元で歌えるってことがすごく嬉しいです。

 あと毎月六本木のmorph-tokyoでライヴを開催しているんですが、カップリングやアルバムの曲も歌う機会が多いのでぜひ遊びに来て欲しいですね。

――ありがとうございました!


テレビアニメ『境界線上のホライゾンII』ED主題歌-Side SunSet-
◆『悲しみは誰の願いでもない』/結城アイラ

発売日:2012年8月8日(水)
価格:1,200円(税込)
発売元:株式会社ランティス
販売元:バンダイビジュアル株式会社


>>結城アイラオフィシャルブログ「アイラ部屋」
>>テレビアニメ『境界線上のホライゾン』公式サイト

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