貴方に“人生を変えたバイブル”はありますか？　書泉ブックタワーで開催されたイベント「イチオシ☆マンガバトル」をレポート！

　5月14日（水）、東京の秋葉原にある書泉ブックタワー9Fイベントスペースにて、同書店で開催中の謎解きイベント「漫画迷宮からの脱出」の特別企画として「イチオシ☆マンガバトル」が開催された。

　「イチオシ☆マンガバトル」は一般参加者による“自身の人生を左右したイチオシの漫画”を紹介するイベントで、当日は会場から溢れるほどの参加者が詰めかけ大盛りあがり。集まった全員が漫画を愛する方々なだけあって、終始アットホームな雰囲気のなかで計14名の登壇者が思い入れのある漫画を熱くプレゼンテーションしていった。

▲同日、たまたま書泉でサインを書いていたという小説家や映画監督として知られている山本俊輔さんもイベントに参加。紹介したマンガは『迷走王ボーダー』だった。

▲スケッチブックを使ったフリップネタと、芸人顔負けの弾丸トークで『げんしけん』を紹介したナガノタカヒロさん。中でも、斑目晴信の名言集は印象深く、参加者も大爆笑であった。

また、イベントには登壇者のプレゼンテーションと紹介された漫画を評価する審査員が参加。「GANTZ」「うさぎドロップ」などの装丁で知られるマンガデザイナーの関善之さん、アニメイト書籍バイヤーの三枝謙介さん、書泉ブックマート店長でコミック担当の長谷見賢一さんという豪華メンバーが、プレゼンテーションの感想や漫画にまつわるエピソードを語って参加者を楽しませていた。

　イベントの最後にはプレゼンテーションされた作品の中で“もっとも読みたくなった漫画”を決める投票タイムが設けられ、その優秀賞、最優秀賞を決定。

　投票数7票を獲得し、優秀賞に選ばれた佐藤みどりさんが紹介したのは、『機動警察パトレイバー（著：ゆうきまさみ）』。最近では“等身大イングラム”でも話題となっている人気SF作品だ。

　紹介者である佐藤さんは公務員のお仕事をしているそうで、プレゼンテーションでは作中で描かれる警察官という仕事がどれだけ苦しい現場なのかを熱弁。「そんな現場で働く主人公たちが心に秘める志に、自分は何度も救われた」と語る佐藤さんの姿に、参加者の多くが心打たれたようだ。

　そして、18票というぶっちぎりの投票数で最優秀賞を獲得したのは、鹿野康二さんが紹介した『わたしは真悟（著：楳図かずお）』。

　『わたしは真悟』は1982年に小学館の『ビッグコミックスピリッツ』で連載されていた長編SF漫画で、知る人ぞ知る名作漫画。プレゼンテーションでは、そんな作中の出来事をクイズ形式で紹介し、楳図かずお先生が描くイラストの迫力と、予想斜め上を行く解答の連続に全員が驚き。紹介方法と、作品が持つインパクトが参加者の心を鷲掴みにした。

　ちなみに、鹿野さんは書泉ブックタワーで現在開催中の「漫画迷宮からの脱出」でシナリオライターを担当している、ゲームシナリオライター。選ぶ漫画も流石のセンスである。

▲実際に出題された1問がこちら。内容は「すべてのコンピューターにつながるとどうなる？」だが、衝撃の答えは……右の画像だ！

　イベント終了後、審査員の3人にイベント感想をお聞きしてみると「お客さんの空気がよくて楽しかったです。プレゼンテーションでは驚きの方法で発表する方も多く、勉強にもなりました。いいイベントでしたね！」と口をそろえてコメント。

　発表された作品に対しても、それぞれに心打たれた作品があったようで、最優秀賞の『わたしは真悟』に関しては関善之さんも「あんなシーンがあったのかと驚きで、思わず読み返したくなりました（笑）」と語っていた。

▲それぞれに「イベントに出て、紹介してみたい漫画はありますか？」と聞くと関善之さんは『栞と紙魚子（著：諸星大二郎）』、三枝謙介さんは『G戦場ヘヴンズドア（著：日本橋ヨヲコ）』、長谷見賢一さんは『寄生獣（著：岩明均）』と話してくれた。

　参加した観客からも「次の開催はいつ？」という声が多く聞こえるほど満足度の高いイベントとなった「イチオシ☆マンガバトル」。現在、書泉ブックタワー6階で登壇者のオススメした漫画が各登壇者による手書きのPOP付きで販売されているので確認して欲しい。