艦長・秋津竜太は特殊な"クーデレ"!? キャスト全員が女性声優の『空母いぶき』ボイスドラマで主人公を演じた上坂すみれさんにインタビュー！

巨匠・かわぐちかいじ先生の同名漫画を原作とし、5月24日（土）より全国330館規模で公開される映画『空母いぶき』。

本作は、近未来の日本に訪れた危機から平和を守るため、命がけで任務にあたることになった海上自衛隊第5護衛隊群、その旗艦である空母《いぶき》の戦いや顛末を描くクライシス超大作です。

いよいよ公開間近となっている映画『空母いぶき』の公開に先駆け、なんと同作のキャラクターたちを全員"女性声優"が演じるというボイスドラマ「第5護衛隊群かく戦えり—女子部—（映画「空母いぶき」より）」が突如として発表されました。

このボイスドラマは三章構成となっており、主人公の艦長・秋津竜太を上坂すみれさん、副長・新波歳也をM・A・Oさんが演じるなど、すべての登場人物に一線で活躍する実力派女性声優陣が起用されています。

まさかすぎるこの企画には演じたキャスト陣もびっくりしていた様子。今回はそのボイスドラマで艦長・秋津竜太とナレーションの2役を演じた上坂すみれさんにインタビュー！

ボイスドラマ化に当たってのお話や、上坂さんならではの着眼点から飛び出した作品の見方など、様々なポイントを語っていただきました。

“はつゆき”つながりで号泣

──まさかの全員女性キャストが演じるという、ボイスドラマの企画を聞いた時の感想をお願いします。

上坂すみれさん（以下、上坂）：ミリタリーと女性キャラがたくさん登場するという組み合わせは、とても相性が良いものなんです。

原作も映画もリアルな海自（海上自衛隊）の世界を描いていて、それが全員女性キャストになるということで、どういう風にアレンジされるのかすごく気になっていました。

——実際に台本を見ていかがでしたか？

上坂：意外とアレンジされていなくてびっくりしました（笑）。秋津さんの名前もそのままなので、すごく新鮮でした。

大体、女子ミリタリーものは、ちょっとゆるふわな部分があるんですけど、そういうのが一切なく、本当にあの原作や映画の雰囲気をそのままに、CVだけ女子という男らしい作品になっていました。

——映画を先にご覧になった率直な感想をお伺いしてもよろしいですか？

上坂：原作は映画を見た後に読んだので、映画が完全に作品の初見でした。《はつゆき》という護衛艦が出てくるシーンで私、ぼろ泣きしてしまいまして……。

ミリタリーは好きなんですけど、《いぶき》のような海自の艦にはあまり触れてこなかったので大変新鮮でした。

あと、映画では護衛艦の乗組員以外にも、メディアの人たちや一般の人々の暮らし、そして内閣の様子と、《いぶき》艦隊以外の人たちも描かれているので、あまりミリタリーがわからないという人にこそ是非見て欲しいなと思いました。

——《はつゆき》のシーンで泣いてしまったというのはどういう感情で涙があふれてきたんですか？

上坂：なんか、「よく頑張ったね……！」という感じで（笑）。全然関係はない作品ではあるんですけど、某艦隊ゲームで、駆逐艦だった頃の日本海軍の「初雪」を演じていたので、それもあって泣けるなと……。

艦隊ものの魅力は、戦車や戦闘機とはまた違うと思っていて、たくさんの乗員が身を挺して、主力となる《いぶき》を守るという描かれ方がすごく良かったです。

──演じた際に気をつけたことなどありましたら教えてください。

上坂：男性キャストを演じるのは、はじめての挑戦だったのですが、声を低くすればいいというものでもないので、難しかったです。

特に今回は、メンタル的には男性の海上自衛隊の人だけど、声は普通の女子という新しい萌えの領域を見た気がします。なんのサービスシーンもないですがかっこよかったです（笑）。

でも凛とした感じというか、「私たちが誇るべきは、自衛隊に戦死者がいないことじゃない。戦後何十年もの間、国民に誰一人として戦争犠牲者を出していないこと」というセリフがあったりと、国を守る人としてのメンタリティを意識して演じました。

──映画のキャストの演技は意識しましたか？

上坂：映画は間があるお芝居が多いのですが、ボイスドラマは音声を中心としているので、早めのテンポを意識するように言われました。ですので一回映画は忘れて演技しました。

——『空母いぶき』という作品はすごく難しい専門用語などがたくさん出てくると思います。実際にその辺りを演じて苦労した部分はありましたか？

上坂：艦長は指示出しがメインなので、実は意外とそういう用語は多くありませんでした。むしろ他の役を演じた方は「１２０」を「ヒトフタマル」と独特の言い回しをしなければならなかったりしたのでスラスラ読むのは大変だろうなと思いながら見ていました。

ただ、ナレーションは大変でした……。主役とナレーションを兼ねることは今まであまりなかったので難しかったです。