橋本晃太朗さん、沢城千春さん、山下誠一郎さんが演じるキャラのように「バラバラなようで、まとまっている」コンテンツ｜おとぎ話×音楽がコンセプトの『音戯の譜～CHRONICLE～』無色の空と嗤う糸収録レポ＆インタビュー

沢城さんはアドリブ多め？　その場で生まれる互いの演技☆

――役作りなど、演じる上で意識したことがあれば教えてください。

橋本：演じる上では、なるべく表に出るノノの感情の部分を探っていこうと思って。本当は感情が出ないんですけど、そこを探ろうと思って、出せる部分をひたすら探していました。

特に、嫌気や面倒くさいなという感じは出してあげないと、ノノが本当にどういう存在か分からなくなってしまうかなと思って。そこは、すごく気をつけたところではありました。

沢城：僕は、コメディになるかならないかの、せめぎ合いを意識していました。僕的にはこうやったら面白いなというところを攻めているんですけど、そこはスタッフさんたちとのディスカッションで、もうちょっと落とした方がこの物語には合うよね、というところを探りながら演じました。

かっこいいイラストだからこそ、あえて攻めてみようという意識で臨ませていただきましたし、自分のやりたいことも取り入れていただけたので、やりきった感があります。

山下：そもそも、もとになったお話があって、そのままの面白さが反映されていると思ったので、カッコよさとか、どうウケるかとかはあまり考えず。キャラクター的に、あまり目的を持っていないというか、もう諦めて死にたいと思っていたようなところを、偶然生かされ、こんなことをする羽目になって……というところのリアリティというか、「なんで、俺が!?」みたいな部分は大事にしました。

会話になるようでならないような、人かどうかもよく分からないノノとのやり取りもあるので、聴いていて面白くなるようにしたいなと。そこはやはり、現場でキャストの声を聞いて分かることでもあるので、現場で考えようと腹をくくった部分ではありました。

あとは、千春さんに関して、どのくらいの感じで来るか、なんとなく想像していましたが、それにちゃんと対応しようという覚悟はしていました（笑）。

沢城：覚悟!?（笑）

山下：覚悟はしていましたけど、それを超えられたので、付いていくのが楽しかったです。ヒーヒー言いながら必死でしたけど。もう面白くて！

一同：（笑）。

――山下さん、沢城さんは共演したことがあるかと思いますが、3人では初めてかと思います。共演されてみていかがでしたか？

山下：沢城さんとは、（共演した）ペアキャラが意外と多いんですよね。

沢城：そうなんです。

山下：お互いお調子者なキャラの時もあったり、今回みたいに僕が無口で、千春さんが元気キャラとか結構あったりしたので、それを当てはめて考えていたんですけど、今回はそれとはまた違う、新しいやり取りができたので、面白かったです。

沢城：今回はまた、違ってね。で、（橋本さんを見て）初めましてで。

山下：（橋本さんの方を見て）「沢城さん、こんなにアドリブする!?」と思いました？

橋本：それは、ありましたね（笑）。「そんなに全部のページで!?」みたいな。

沢城：そんなにアドリブないですよ。台本通りにやってるから（笑）。

橋本：（笑）。でも、すごく楽しい方たちだなと思いました。

最初はスタジオに入る時、ノノとカン・クモオの関係性として、今日はこころの距離を取って、すごく感じ悪く入ろうと。お二方に嫌われてもいいから重たい雰囲気で行こうと思って入ったんですけど、お二方が面白くて、「もうダメだ。こんなの（距離を取って）やってられない」と思って。

一同：（笑）。

山下：カンにのまれましたね。

地獄から上がった時に「ミュートじゃない」というセリフがあったので、逆に今までミュートの姿だったんだとか、ミュートを意識して「（かわいいキャラっぽく）助けて～」「苦ちぃ」とやった方がいいのかなとか（笑）。

沢城：それに、今日はハプニングが一番最初にあって。それを待っている間にコミュニケーションを取りながら演者同士の仲を深めて、いい時間になったんじゃないかなと思います。

ちなみに、今もインタビューを聞いていて、（橋本さんの）普段のしゃべり方もゆっくりでノノっぽいなと（笑）。本当にノノにぴったりですよね。

山下：ぴったりですよね、キャラとしても個性が出てます。

橋本：そうなんです、もともとゆっくりで。

沢城：ノノの役も、自分の持っているモノを使いながら演じているんだなと、インタビューを受ける中ですごく思いました。

橋本：ありがとうございます。

山下：これね！　カンも、千春さんのユーモアが出ていて浸食しているなと。

沢城：もう、（カンは）千春です！

一同：……（笑）。

山下：先ほどもおっしゃっていましたが、千春さんがイラストを見て、結構カッコいいからと、意識はされていたんですよ。どのくらいまで（コメディ感を）やっていいんだろう、これ以上やっちゃうのは……みたいな。

沢城：そう。これ以上やっちゃうと、乙女の心にヒットしないのかなとか思っていたんですけど、2人の役柄を考えると、僕まであまり振り切らないでいくより、そこは僕の担当かなと思って頑張りました。

スタッフ：そうですね。ディレクションしながら聞いていく中で、クモオも大人しい、ノノも何を考えているか分からないとなった時、今回演じていただいたように、暗い過去もあるけど、今は振り切ってバカなことをやっているカンがいるからこそ、全体のバランスが良いかなと。

沢城：（ドヤ顔で）やはりそうでしたか、良かった。

山下：狙い通り。

一同：（笑）。