映画

劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣インタビュー

2019-10-23 17:00

劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』安野希世乃さん、大西沙織さん、茅野愛衣さんインタビュー｜ついに完結を迎えるアニメ『冴えカノ』と演じるキャラクターへの想いとは

安野さんが演じたかったシーン、一番見たかったシーンとは!?

――安野さんにお聞きします。恵は新生blessing softwareの面々ともかなりかけあうことになりますが、その辺りはいかがでしたか？

安野：TVシリーズではギリギリ描かれず、劇場版のみで見られる部分ですね。一番見たかった部分は入っていると思います。特に伊織との犬猿の仲感は印象に残っていて……。

茅野：ふたりのやりとりが滅茶苦茶面白かった！　急にブラックな恵が出てきてね……（笑）。

安野：恵としての劇場版収録での第一声が、出海ちゃんに言っているようで伊織に向けた当てつけのセリフだったんです。

意識して演じたら、逆に意識しすぎて「恵いきなり怖すぎる、腹黒が出過ぎてるから」と言われリテイクになってしまって（笑）。

それを受けて気持ちを入れ替え、出海ちゃんを励ますところは励まし、伊織に向けたところは向けるようにしました。ここは私的にも見たいし演じてみたいと思っていたので、嬉しかったです。

後は私自身一番見たかったシーンが、丸戸さんが原作のあとがきで「ある意味本編です」とおっしゃっていた、『冴えない彼女の育てかた Girls Side３』（※4）のとあるシーンだったんですが、あそこはドキドキしましたね。

あそこは本編になくて、こんな大事なシーンなのに『Girls Side』で言わせてるって驚きました。

※4：冴えない彼女の育てかた Girls Side
本編とは別に、ヒロインたちの視点で語られた短編作品。倫也のいないところで繰り広げられた物語やヒロインたちの心情が深く描かれている。

茅野：丸戸さんの作品を追いかけていて、『Girls Side』まで読んでいる方は驚くと思います。

安野：私も驚きました。見落としたら損してると言っていいくらい大事なシーンだと思います。『Girls Side』で描かれている部分も劇場版にはあるので、期待していてください。

ヒロインを演じる声優陣から見た劇場版の倫也

――では最後の質問です。劇場版で印象に残った倫也とそれぞれのキャラクターのシーンについても聞かせてください。

安野：倫也と恵の掛け合いは文量が多かったので、TVシリーズのようにたっぷり時間を使っていただき、二人だけで録りました。

TVシリーズでも丁寧に掛け合いを収録してもらえたのですが、今回も同じような形だったので集中できましたね。

恵は、今までの物語でも、色々な事情があって倫也が肝心な時にいなくなるとか、勝手な行動をされてヤキモキさせられることは何度も経験してきたはずなんです。

これまではそんなに怒ったのを露わにしなかったんですが、今回の恵はかなり怒るんですよね。

それだけ新しく自分たちのゲームを作ろうと動き出したことに恵も嬉しくなっていたのかなとも思えますね。

大西：英梨々が泣くシーンがあることと長時間の戦いになることはわかっていたので、リラックスできるラフな格好で収録に臨みました。

出来上がった作品についてはまだ見られていないので、先ほど安野さんが話していた恵と倫也の掛け合いのシーンがどうなっているのか、まだ私たちは知らないんです。

それでも収録をしていて感じたのは、「倫也ってやっぱりこういう人だよな」ということです。

ゲーム制作に対する意欲や仲間たちを大切にする気持ちの部分が劇場版でも変わっていなくて、素敵だなと思いました。

恵にしか見せない顔については、私もファンのみなさんと同じように作品を観て楽しみたいと思います。

茅野：詩羽の意味深な発言で倫也をドギマギさせるくだりは、TVシリーズから変わりません。

基本的に詩羽はあんまり素直になれない人だとは思うんですけど、そのやりとりすら楽しんでいるのを感じられたり、付き合いが長いからこそのやりとりは演じていて楽しかったですね。

倫也のことは自分の作品の一番のファンとしてだけでなく、心の支えにしているところがあって、そこが彼女自身の目標に繋がっているところもあると思っています。

倫也が大切な人なのは変わってないし、それを考えると切ないシーンもたくさんあります。

「倫理君は倫理君だなぁ」と思うところはありつつ、「成長した姿も見られるのかな」という感じもしています。

後はネタバレになるので詳しくは言えないのですが、劇場版の『冴えカノ』はマー●ル作品と同じ感覚で見て欲しいところがあります。

エンドロールが終わっても席を立たず、最後まで観てもらえると嬉しいです。

[取材・文/胃の上の心臓　写真/鳥谷部宏平]

劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』作品情報

2019年10月26日（土）全国ロードショー

イントロダクション

新生blessing software始動！
ある春の日、少年が抱いた想いはどこまでも駆け上っていく。

『冴えない彼女の育てかた』は丸戸史明が執筆し、深崎暮人がイラストを担当する人気ライトノベルシリーズ。富士見ファンタジア文庫（KADOKAWA）より2012年から本編全13巻＋短編集・ファンブック6巻で刊行された。

2015年にアニメ第一期『冴えない彼女の育てかた』が放送され、2017年にはアニメ第二期『冴えない彼女の育てかた♭』をオンエア。

制作をA-1 Pictures高円寺スタジオ（現 CloverWorks）が担当。ドキドキするほどかわいらしいヒロインたちの描写とキャスト陣の弾けた演技、そして原作者・丸戸史明自らが書き下ろしたシナリオにより、作品は話題となり、劇場版の制作が決定した。

劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』はTVシリーズのスタッフ、キャストが集結し、新たに送りだす完全新作。

安芸倫也は、理想のメインヒロインを描いた同人ゲームを作ることができるのか。

恋のフラグのラプソディー最終楽章が始まる。
　

ストーリー

ある春の日、安芸倫也は桜舞う坂道で運命的に出会った少女・加藤恵をメインヒロインにした同人ゲームを制作することを思いつく。

美術部に所属していながら、同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、学年一位の優等生でありながら、ライトノベル作家として活躍している霞ヶ丘詩羽を誘い、blessing softwareを結成。やっとのことで一作目を発表した――。

英梨々と詩羽は大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するために、人気クリエイターの紅坂朱音のもとへ。

blessing software代表の倫也はサークル活動を継続し、副代表の恵とともに新作の開発を開始した。イラストレーターに後輩・波島出海を起用、プロデューサーを出海の兄・伊織へ依頼し、氷堂美智留と彼女のバンドicy tailとともに新作の開発を進めるが……。

英梨々と詩羽の大作はどうなるのか？　倫也と恵の関係に異変が？　はたしてblessing softwareの新作の行方は？

冴えないヒロインをめぐる青春グラフィティ、グランドフィナーレ。
　

スタッフ

原作：丸戸史明（ファンタジア文庫
株式会社KADOKAWA）
キャラクター原案：深崎暮人
総監督：亀井幹太
監督：柴田彰久
脚本：丸戸史明
キャラクターデザイン：高瀬智章
制作：CloverWorks
配給：アニプレックス
　

キャスト

安芸倫也：松岡禎丞
加藤恵：安野希世乃
澤村・スペンサー・英梨々：大西沙織
霞ヶ丘詩羽：茅野愛衣
氷堂美智留：矢作紗友里
波島出海：赤崎千夏
波島伊織：柿原徹也
　

劇場版公式サイト
 公式Twitter(@saenai_heroine)

主題歌「glory days」CD情報

発売日：2019年10月23日発売
アーティスト：春奈るな
作曲：沢井美空（blue but white）

▼収録曲
M1 glory days ※劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』主題歌
M2 君色シグナル ※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた』OP
M3 ステラブリーズ ※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』OP
M4 カラフル。（原曲：沢井美空 2015 年）※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた』ED
M5 桜色ダイアリー（原曲：妄想キャリブレーション2017年）※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』ED
M6 glory days -Instrumental-
M7 カラフル。-Instrumental-
M8 桜色ダイアリー -Instrumental-