茜屋日海夏、 映画『13月の女の子』公開記念インタビュー | 演技をしていなければ生きている意味がない

映画『13月の女の子』が2020年8月15日（土）に劇場公開を迎えた。

2017年、2019年に公演された舞台『13月の女の子』が原案となっている本作は、舞台版でも2017年度版の演出を担当した戸田彬弘さんが監督としてメガホンを取っている。

様々なバックボーンを持つ女優たちが集結している点に思わず目が止まりがちだが、本作の魅力はその映像の美しさにある。

季節が持つ美しさと季節がない世界の儚さ。有彩色と無彩色。その両方をフィルムで表現することで、『13月の女の子』は人々の心に何かを語りかけて来る。
　
今回、アニメイトタイムズでは『13月の女の子』で辰巳涼子を演じた茜屋日海夏さんにインタビューを行った。

声優、アイドル、Youtube。そして、女優。マルチに才能を発揮している茜屋日海夏さんは『13月の女の子』という作品とどのように向き合っていったのか。

そして、彼女にとって芝居とは何か。これまでに全く見たことがない、茜屋日海夏さんの女優としての素顔に迫る。

今の時代だから心に刺さる物語

――今回、茜屋さんにとって3度目の映画出演となります。まずは、『13月の女の子』で辰巳涼子を演じることになった経緯からお聞かせいただいてもよろしいでしょうか？

茜屋日海夏さん（以下、茜屋）：はい。今回はオーディションではく、オファーという形で役をいただきました。

このお仕事が決まった時、共演者の中に小宮有紗さん（穴森一穂役）の名前があったので、「また一緒だ！」と思ったのが印象深いです。

――茜屋さんと小宮有紗さんは2019年2月に公開された『お前ら全員めんどくさい!』でご共演されていましたよね。タイミング的にはいつ頃だったんですか？

茜屋：2019年の春先ですね。ちょうど『i☆Ris』のツアーのリハーサル中だったかな。撮影とツアーのリハで大変だろうなとは思いつつ、頑張るぞ！という気持ちでしたね。

――今回の辰巳涼子は女子高生役でしたが、その点はいかがですか？

茜屋：舞台でもそうなんですけど、高校生の役が来ることが多いんです。『13月の女の子』とは全く別の作品のオーディションに行った時に「（まだまだ）高校生役いけるね」と言われたことがあって。意外とまだいけるんだなと。

『i☆Ris』の時の衣装は割と大人っぽいものを選びがちだし、あまり自分でも自覚がないんですけど、メイク薄くしたら案外いけちゃうみたいです（笑）。

――実際、フィルムを見たのですが全く違和感なかったですね。

茜屋：あはは（笑）。ありがとうございます。

――では、そんな茜屋さんが出演した『13月の女の子』について聞かせて下さい。

茜屋：ホームページに「SFヒューマンドラマ」と書いてありますよね。本当にその通りで空間と空間を移動したりするSFチックな設定もありつつ、たくさんの女の子が描く人間模様が中心となった作品になっています。

いわゆるパラレルワールドみたいなところで物語は進んでいくんですけど。私は13月という暦がある荒廃した世界に住んでいる設定の女の子を演じました。

そんなどう見てもこれまでの平和な世界とは違うところに穴森一穂（演 小宮有紗さん）が飛び込んできて、大好きだった唐木田巫女（演 秋本帆華）に会うというお話になっています。

一つの軸として、一穂と巫女の物語があるんですけど、私（涼子）たちの友情だったり、人間ドラマがたくさん描かれている作品になっていますね。うん。友情のお話だと思います。

――茜屋さんから見た『13月の女の子』は作品としてどんな魅力があると思いますか？

茜屋：可愛い女の子がたくさん出演しているので、それだけでキレイな画になっていると思います。

――なるほど（笑）。

茜屋：ええ（笑）。真面目にお話すると、私はストーリーが魅力的だと思っています。台本をいただいた時点から素敵な物語だなって率直に感じました。何よりも今の時代だから刺さる部分もありますよね。

――確かに。物語の中でも急に世界が変わったことが表現されていましたが、我々が生きる現実世界も2020年に大きく変わりました。

茜屋：普通の女の子同士の友情だけじゃない何かが運命的に詰まってしまったのだと思います。この記事を読んでくださっている方ってアニメが好きな方も多いと思うんですけど、現実には起こり得ないようなことを体験できる映画でもあるので、色々な層の方に見ていただきたいですね。