“国宝級”のライブシーンで感じた感動や達成感――秋アニメ『おちこぼれフルーツタルト』チコ役・佐倉薫さん、ぬあ役・篠原侑さん、るあ役・田中貴子さん 声優インタビュー【連載第5回後編】

印象的だったのはチコとロコ、ぬあとるあの姉妹シーン

――ここまで放送された8話までの中で印象深いシーンを挙げてください。

佐倉：6話のあんみつのライブシーンはもちろんですが、「もうエッチなんだから！」というシーンがちょこちょこ出てくるところが好きで（笑）。チコとしてはロコお姉ちゃんへの接し方が好きです。最初はちょっと意地悪な感じで接するけど愛情が止められなくなって。私は、チコは一般的な常識人だと思っているんですけど……。

篠原：えっ!?

田中：むむっ!?

佐倉：私は思っているので（笑）。普段は少しおとなびた感じで、妹だけどお姉さんっぽく演じさせていただいていますが、姉さんとのシーンになると気持ち悪い感じが出せている手応えがあって（笑）、お気に入りです。だから姉さんとのシーン全部ですね。

篠原：クリームあんみつのお仕事シーンはもちろん印象深いんですけど、ぬあ・るあ姉妹はそろってセリフを言うシーンが多くて。回を重ねるごとに呼吸がどんどん合っていって、「せーの」と言わなくてもセリフが合って、一発OKをいただけるようになって。それが嬉しかったです。

また、姉妹で掛け合いしている時のるあの表情のヤバさもおもしろくて。ロコに対してのチコもそうですけど（笑）。いつもとは違う表情や雰囲気が見えるところは姉妹ならではだと思うし、見どころかなと思います。

田中：好きなシーンは7話で衣乃たちが下着屋さんに行った時、その色合いが淡くて、健康的に描かれているバランス感が素晴らしいなと。見ちゃいけない気がするのに、さわやかに見られるんですよね。「ああ、女の子っていい匂いがする」みたいな、さわやかな青春感を感じました（笑）。

クリームあんみつの曲「ブルーの爽快がめちゃShiny！」はカッコいいけど爽快感がある、ザ・アイドルソング

――クリームあんみつのライブシーンで披露されていた「ブルーの爽快がめちゃShiny！」ですが、川口敬一郎監督にインタビューした時、お気に入り楽曲に挙げていました。「アイドルっぽい曲」だと。

佐倉：本当ですか？

篠原：やったー！

田中：嬉しい！

佐倉：川口監督がおっしゃられたように「ザ・アイドルソング」らしい、キャッチーでノリがよくて。メンバーがお客さんをあおるようなイメージをしたり、表情に気を付けながらレコーディングしましたが、私自身はファン側に立っていることが多かったので、「ここでコールを入れたい」とかも考えつつ（笑）。

レコーディングの順番は私が一番最初だったので、方向性を決めなければいけないというプレッシャーもありましたが、私の歌を聞いた侑ちゃんから「すごくよかったです。カッコよかったです！」と言ってもらえたので、「世に出していいものができたかも」と自信を持てました。

篠原：アイドルソングだけどバンド感がある、カッコいいサウンドで。佐倉さんの歌が入っているものを聞いたらカッコよくて、逆に「私どうしよう？」って。でもチコを軸に、ぬあとるあが遊んででき上がるという方向性を聞いて、グループのことをより深く理解できました。

だからチコが歌っている横で、「fu！fu！fu！」の合いの手など2人が存分に盛り上げるようなイメージで楽しく歌えました。また、「わたし達は通じ合ってる」という絆や「こんなに青が似合うのは今だけ」など青春感がある歌詞で共感できるし、夢やパワーを皆さんに届けられる曲になったし、3人のコンビネーションも含めて大好きです。

あと完成した曲を聞いて、ぬあとるあは声が似ているなと思いました。どちらかに寄せたわけではないのに、「この声どっちだっけ？」とわからなかったところもあったりして。そんな姉妹感も聴きどころかなと思います。

田中：私も声が似てると思った（笑）。レコーディングが今年の夏頃だったからなのか、この曲を聞くとサイダーが飲みたくなるんですよね。

佐倉・篠原：わかる！

田中：タイトルも含めて、しゅわしゅわした爽快感がある曲だなと。夏に聞きたくなる曲だけど、今も無意識に口ずさんでいることが結構あって。また、るあはウイスパーボイス気味の優しめな声で演じていますが、そのままの声で歌ったらサウンドに負けてしまう気がして。

スタッフさんと相談した結果、るあなりの元気さで、歌う時に豹変するようなイメージでいくことになりました。普段のおっとりしたるあとは違う感じで聞けるのが注目ポイントかなと思います。そしてこの曲で改めてクリームあんみつは最高だなと。

佐倉・篠原：うん！