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『ARIA The CREPUSCOLO』佐藤総監督&広橋涼&茅野愛衣&葉月絵理乃 インタビュー

『ARIA The CREPUSCOLO』Blu-ray発売記念! 佐藤総監督&広橋涼さん&茅野愛衣さん&葉月絵理乃さんインタビュー|特典映像はプロフェッショナル感が溢れる!?

オレンジぷらねっとのあるあるとは?それぞれに社風があることが判明!

ーーここから本編のお話も伺っていきたいのですが、オトナになってから見ても、というかオトナだからこそ泣いてしまうのがARIAという作品なのかなと思いました。今回は、そこにある幸せの大切さにも気づかせてくれたのですが、佐藤さんはこの作品を作るにあたって、どんなことをテーマにしよう、伝えようと思ったのでしょうか?

佐藤:ARIAという作品がずっと持っている大きなテーマというものがあって、それは人と人との絆と、それは場所や時を越えても繋がっていくということなんです。これはどの作品にも共通してあると思うんですけど、今回のひとつのトピックとしては、アテナさんを今回新たに佐藤利奈さんがやってくれるということもあったので、変わっていくものに対して、それをどう受け止めていくのか、ということも入れたいなと思いました(※佐藤利奈さんは、本作で、11年に亡くなった声優・川上とも子さんからアテナ役を引き継ぐことになった)。

これは、いろいろなことで言えることだけど、ずっと同じではいられないし、変わったから違うのですか? ということでもなく、変わったけれど変わらないものってあるよねとか、そのあたりを感じてもらえたらいいのかなと思いました。

ーー長く続くことによって少しずつ変化はするものですし、逆に変わらないと長くは続かないものなんですけど、核となるものは変わっていないっていうことは大事なことかもしれません。

佐藤:そうですね。今回の話は、もとは天野こずえ先生の原作にもあることなんですけど、アリスの(プリマへの)昇格試験のときに、実はアテナさんはこんな事を考えていたんだよっていうことは、そのときのマンガには描かれていなかったんです。でも、天野先生の頭の中でずっとあって、それを今回アテナさん目線で描いていこうということになったんです。

だからアテナさんからすると、アリスにどうやって自分のことを伝えていこうか、ということなんです。アテナさんにとっては歌に対しての取り組みのことなので、歌を重視するのかアリスの成長を重視するのかみたいなところで悩むんですけど、やはり歌に対しては嘘を付きたくないと思って発した言葉が、結果的にアリスを成長させるという、すごく良い話だったんですよね。だからアテナさんは変わらないモノを大事にしたことで、ちゃんとアリスが変わっていっているんです。そうやって含んでいるものがしっかり作品にあったので、僕が取り出せたメッセージはそれなんです。

ーーアテナとアリスのすれ違いがずっと描かれていますが、ちゃんと二人が二人のことを思い合っているだけなのが温かいですよね。でも、自分の中で思ってしまったことに対してあんなに悩んでいるアテナさんも、らしいなぁと思いました。

佐藤:意外でしたよね。そんなに見せたこともないような顔をしているアテナさんを、佐藤利奈さんも初めて演じてくれて。

ーー佐藤利奈さんの演じるアテナさんもすごく良かったです。

佐藤:周りはみんなそう思っているし言っているのに、本人はずっと不安がるんですよ。

広橋:利奈ちゃんはすごく不安に思っていましたからね。

ーーでは、映像を実際に見て良かったところを教えてください。

葉月:私は、トラゲット3人娘が出てきてくれたことが、最初に台本を見たときに嬉しかったことです。杏ちゃん(オレンジぷらねっと)とあゆみちゃん(姫屋)とアトラちゃん(オレンジぷらねっと)が出てくると、『ARIA The ORIGINATION』の第4話のことを思い出すんですよ。3人が映像に出てくると、当時の記憶まで甦ってくるのでダブルで感動するんですよね。ちゃんと(杏とアトラが)プリマになっていたのを確認できたので嬉しかったです。

茅野:私はお風呂シーンが嬉しかったです。オレンジぷらねっとはお風呂に入りがちですよね?

広橋:大浴場があるからね、使わないと。

茅野:お風呂は、オレンジぷらねっとの人たちにとって大事な場所なんだろうなと思いました。先輩・後輩があそこで必ず悩みを話したり……。

葉月:思いを打ち明けたりしているよね。

茅野:裸になるから、心も裸に……みたいなことなのかな。

広橋:裸の付き合いって大事だよ! 心も体もほぐれて話せることもいっぱいあると思う。

茅野:ちょっと日本的なところがあるのかもしれないですね。サトジュンさん的にも、お風呂にこだわりはあったんですか?

佐藤:お風呂に!? 特にお風呂にこだわりはないですけど、入浴しているところより、髪の毛を乾かしてあげているところが好きで、アリスがアテナさんにしてもらったように、アーニャにしてあげているところが好きです。

茅野:そこはキュンとしました! これ、アーニャもやってもらえるんだ!と。

葉月:みんな髪が長いから、めちゃめちゃ時間かかりそうだよね(笑)。

佐藤:確かに。アテナさんも乾かし始めてから、「アリス、髪長いな」って思ったかもしれない(笑)。



ーーでも、そのぶんゆっくりしゃべれるかもしれないですね。

広橋:そうか。ゆっくり話せるかもしれないですね。私は、どこかなぁ。どことかではなく、ARIAの映像を見るとお客さんになってしまって、「ARIAだぁ!」ってなってしまうんです。そうなると、みんな元気だなぁって思うし、あの空と街と海と音楽が流れると自分がネオ・ヴェネツィアに行った気持ちになってしまうんです。

台本や出来上がる前の映像のときから素敵だと思っているんですけど、やっぱり色が付いた映像を見ると震えるというか。心が持っていかれちゃうんですよね。だからお話も知っているのに涙が出てしまう、それは何の涙なのかはよく分からなくて、単純に感動だけでもないような気がするんです。

茅野:謎の涙(笑)。

広橋:そう! しかも決してイヤな涙ではなく清々しいので、涙を流せるっていいなと、あとから思うんです。なかなか普段生活していて、そんなに泣くときってないなとふと思うと、映像を見て心が沸き立って出る涙ってすごくいいなと思いました。よく愛衣ちゃんがインタビューでデトックスって言うけど、本当にそうなんだと思います。

その中で具体的な場面で言うとしたら、私エンディングが好きです。歌も好きだし、映像もすごく好きなんです。あれはどういう思いで作ったのですか?

佐藤:あれは名取監督なんですよ。だから名取くんが大活躍しているんです。

ーーそこはスタッフコメンタリーで語られているかもしれない。

広橋:すごく良かったんですよ。

葉月:アテナさんが制服を着ているんですよね。

広橋:そうなの! すごく良い!

 

 

ーー歌もすごく良かったですよね。安野希世乃さんの「echoes」でしたが。

佐藤:“buddy”というワードが良かったですね。

茅野:今回、安野ちゃんはアレッタ役でARIAに初めて出演していて、やっぱり安野ちゃんもARIAに通じるものがあるなって、アフレコをしながら感じていました。アレッタとアーニャのシーンは一緒に録れたので、そのときに安野ちゃんとサトジュンさんの歩み寄りが、すごくかわいらしかったです。

佐藤:探り合いね(笑)。接点を見つけようとパスを出し続けていて。

茅野:トークバック越しにボールを投げては、スカッ!みたいなのを繰り返していたんです(笑)。

佐藤:これも、届かない……これも違う……ってやりながらね。

茅野:安野さんは、本当のぼんやりさんなんですよ。

広橋:どういうこと?(笑)

茅野:イベントとかで一緒になっても、5分前まで歯磨きをしていて、準備が終わらないような子なんです。すっごくマイペースでARIAっぽいなと思っていたんです。自分の時計というのを持っていて、誰もその針を動かすことはできないという。

ーー良いのか悪いのか全然分からないですけどね(笑)。

茅野:でも、そういうふわっとしたところが、歌声とかお芝居に出ているのかなぁって思います。

ーーアレッタの遠くまで飛べるようになったときに、今いるところの幸せに気づく、みたいなことをアーニャに言っているところが、すごくメッセージ性があって感動しました。

広橋:そこのシーンは、セリフもすごく良いんですけど、映像が広がったところでのアレッタとアーニャのやり取りがグッとくるんですよ。すごく好きなシーンです!

佐藤:空のシーンは、あまりなかったですしね。

広橋:普段はウンディーネの話が多いから。

茅野:そういう意味では劇場の大画面に映える、広さも感じる映像でしたよね。

ーー歌の話でいうと、広橋さんの歌がものすごく良かったと思っていて……。河井英里さんの歌声に合わせるという形で、「コッコロ」「バルカローレ」を歌ったと思うのですが、いかがでしたか?

広橋:『ARIA The ORIGINATION』のときも英里さんの歌声を聴きながらやっていて、そのときのディレクションがとにかく幸せな感じでということだったので、幸せそうに歌わせていただいたんですけど、今回は、英里さんと一緒に歌っているものが流れるということだったんです。

私が『CREPUSCOLO』をやりますよと聞くよりも先に、歌の話が来て、そこでオレンジぷらねっとのエピソードをやることを知ったので、歌うということにも驚いたし、アテナ先輩と一緒に歌えるなんてことが起こるんだ!と思いました。

英里さんの歌声が残っていて、今回はアレンジも新しく、作曲をした窪田ミナさんがやってくださって、新たな感じで一緒に歌えたことが、すごくすごく素敵な奇跡だと思いました。

ただ、これは舞台挨拶でも話したのですが、感動的なシーンで流れていたんですけど、歌の収録中は、私の中では筋肉ムキムキな人たちが踊っている画が流れていて、それがなかなか消せずに「ごめんなさい、英里さん」と思いながら歌っていたんです(笑)。だから皆さんには素敵なところだけが届いていてくれたら良いなと思いました。

ーーちゃんと素敵なところしか届いていなかったと思います(笑)。

広橋:それなら良かったです!

佐藤:ムキムキは届いてないから大丈夫(笑)。今回は歌が大事だと思っていたんです。それも奇跡的に河井英里さんのボーカルトラックが残っていたことで、今回のようなことができたという、いろいろな奇跡が重なっているんですけど、ただ、広橋さんに河井さんと一緒に歌うことになるということを誰も伝える勇気がなくて(笑)。

広橋:ホントですよ! 誰が言うかってなっていたらしいんです。

佐藤:結局窪田ミナさんが伝えることになって、誰も伝えないまま練習をするという。

ーー確かに、少し伝えづらいかもしれないですね。それと、ARIAを見ていてよく感じるのは、同じ会社の同僚の関係性とは別に、ARIAカンパニーとオレンジぷらねっとと姫屋の同期の関係性もあって、今作でもそうですが、そこがすごく絶妙に絡み合っているんですよね。同期というところで、灯里とアリスを長く演じてきた葉月さんと広橋さんにも絆があるのではないかと思ったのですが。

広橋:コロナ禍だったので、みんな一緒に収録はできなかったんです。これは絆と言えるのかは分からないのですが、台本を読んだ時点で灯里ちゃんと藍華ちゃん(CV.斎藤千和)の声がするんですよね。それはすごく感じました。

葉月:聞いてはいないけど、たぶんアリスちゃんも藍華ちゃんもこうくるんだろうなっていうのはイメージができちゃうんです。

広橋:私が単純に「うおお!!」って思ったのが灯里先輩と藍華先輩の二人のシーンで、私は二人で録って、二人でアドリブで話していると完全に思っていたんですよ。でも一緒に録っていなかったことをあとから聞いて、「一緒に録ってないのっ! 声優すげー」ってなりました(笑)。

ーーそれこそ、長年やってきたからこそのエピソードですね。

広橋:本当にそうです。すごいな!って感じました。

葉月:今回はほとんどひとりで録っていたんですけど、言葉を見ているとみんなの声が聞こえてくるので、それはARIAという作品ならではだなと思いました。

ーーそして、先輩と後輩の絆も育まれているということですね。

茅野:はい! 涼さんを頼って頼ってという感じですけど。

広橋:オレンジぷらねっとあるあるでいうと、後輩になればなるほどしっかりしているんですよ。ホント、それは常にそうだなと思うんです。

茅野:「ありがとう、アーニャちゃん」ってお礼を言われた覚えがあります(笑)。

佐藤:僕のイメージの中では、佐藤利奈さんはわりとしっかりとしている役者さんだと思っていたんですけど、最近そうでもなかったんだなというのが分かってきて、やっぱり後輩になるほどしっかりしてるじゃん!と思いました(笑)。

茅野:こんなことを言っていいのかな?とも思うんですけど、今回、3人でインタビューをする機会も多かったんです。それで気づいたんですけど佐藤利奈さんは、しゃべっているうちに質問の内容を忘れてしまうんですね(笑)。そのときにこういう質問ですよって伝えるんですけど、だんだん、こういうコントなんじゃないかと思えてきて(笑)。でも、それもオレンジぷらねっとらしいなと思いました。そういう社風みたいなものってあるんですか?

葉月:社風はあると思いますよ!

ーーARIAカンパニーの社風はどんな感じなんですか?

葉月:ARIAカンパニーは全部アリシア(CV.大原さやか)が引っ張ってくれるんですよ。

(一同納得)

佐藤:裏で糸を引いているのがアリシアさん(笑)。

広橋:そうかもね。姫屋は姫屋でテンポ感があるしね! 熱い感じ。

茅野:確かに! いちばん話すスピードも早い感じがします。

広橋:オレンジぷらねっとはふわふわしているし、誰も突っ込まないからどこに行くんだろうって思う。

茅野:だから、サトジュンさんがたまに突っ込んでくれるんです。

ーーそのふわっとした雰囲気をアフレコ再現VTRで見せたかったということだったんですね(笑)。本日はありがとうございました!

劇場アニメ『ARIA The CREPUSCOLO』パッケージ情報

Blu-ray発売中&デジタル配信中

価格:9,900円(税込)
発売・販売元:松竹

 

 

劇場アニメ『ARIA The CREPUSCOLO』作品情報

イントロダクション

未来形ヒーリングストーリー 蒼のカーテンコール 《第2章》開幕

現在、WEBマンガサイト「MAGCOMI(マグコミ)」にて『あまんちゅ!』を絶賛連載中の天野こずえが描いた未来形ヒーリングコミック『ARIA』。

単行本累計460万部、関連書籍累計80万部が発行された本作は、2005年に『ARIA The ANIMATION』としてアニメ化。その後も、2006年に『The NATURAL』、2007年に『The OVA ~ARIETTA~』、2008年に『The ORIGINATION』、2015年に完全新作アニメーション『ARIA The AVVENIRE』が制作され、原作コミックの雰囲気そのままの優しい世界が数多くのファンを魅了しました。

そして、『ARIA The ANIMATION』放送から15年目を迎える2020年。このメモリアルイヤーに、再び『ARIA』が新作アニメーションとして帰ってきました。

オレンジぷらねっとのメンバーを中心に描かれる、完全新作アニメーション『ARIA The CREPUSCOLO』。

制作に当たっては、天野こずえの完全新作描き下ろし原作漫画を元に、総監督・脚本:佐藤順一、監督:名取孝浩、アニメーション制作: J.C. STAFF(「あまんちゅ!」)が制作致します。

キャストもおなじみのメンバーに、アテナ役として佐藤利奈が新たに加わりました。新しい、そして変わらない『ARIA』の世界を是非、劇場でご覧ください。

あらすじ

ネオ・ヴェネツィアの街が、落ち葉の絨毯で彩られる秋。オレンジぷらねっとで修業の日々を送るアーニャには、気がかりなことがありました。お互いに多忙なこともあり、長い間会えていない先輩のアリスとアテナ。

そのせいで元気がないアテナに対し、アリスはなぜか会うのを避けている様子なのです。友達のアイとあずさにも協力してもらい、先輩たちが絶対に会える方法を探す中、アーニャは今の自分だからこそ見える“景色”があることに気づかされるのでした......。

STAFF

原作:天野こずえ「ARIA」(ブレイドコミックス/マッグガーデン刊)
総監督・脚本:佐藤順一
監督:名取孝浩
キャラクターデザイン・総作画監督:伊東葉子
美術監督:氣賀澤佐知子(スタジオユニ)
色彩設計:木村美保
撮影監督:間中秀典
音楽:Choro Club feat. Senoo
OPテーマ:「フェリチータ」安野希世乃
EDテーマ:「echoes」安野希世乃
音楽制作:フライングドッグ
音響制作:楽音舎
アニメーション制作:J.C.STAFF
製作:松竹
配給:松竹ODS事業室

CAST

アリス・キャロル:広橋涼
アテナ・グローリィ:佐藤利奈
アーニャ・ドストエフスカヤ:茅野愛衣
まぁ:渡辺明乃
水無灯里:葉月絵理乃
アリシア・フローレンス:大原さやか
愛野アイ:水橋かおり
アリア:西村ちなみ
藍華・S・グランチェスタ:斎藤千和
晃・E・フェラーリ:皆川純子
あずさ・B・マクラーレン:中原麻衣
アレッタ・パーチェ:安野希世乃

公式サイト
公式ツイッター(@ARIA_SENDEN)

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