春アニメ『SPY×FAMILY』ヨル・フォージャー役：早見沙織さんインタビュー｜殺し屋＆母親役を演じることから見えた家族の関係性【連載第3回】

実家族と疑似家族の関係性

ーー今作の中で注目してほしいポイントを教えてください。

早見：ご時世上のものはあれど、アフレコを掛け合いで収録できているのは、この作品においては大事な部分だと感じています。掛け合いでしか生まれない絶妙なテンポ感もそうですし、他の役者さんのキャラクターがどんどんできあがっていくのを肌で感じながら、自分もお芝居できているというのは、確実に映像にものってくると思っています。

その息の合った感覚や徐々にチームとしても家族としても絆が繋がれていく様子というのを映像の方から感じ取っていただけると嬉しいなと思いますね。会話のテンポはすごくいい作品だと思います。

ーー作品に登場するキャラクターの中で、お気に入りのキャラクターはいますか。

早見：ヨルさん的に大事なキャラクターでいうと、やっぱりユーリ（ヨルの弟：ユーリ・ブライア）は外せないですね。一緒に収録することもできました。

少しの会話の中でも、できあがっている家族の絆や家族らしいラフなコミュニケーションというのがあって、「この関係性、いいな」と感じました。彼は彼でいろいろあって、言ってはいけないことは、特に姉には絶対言わないという信念を持って生きていますけど、
おとぼけ感だとか、暴れ方とかを見ても、姉弟だと感じられるようなところがあります（笑）。原作を読んでいくと、そういった部分がどんどん出てくるので、アニメ化されるのがとても楽しみなパートの一つですね。

ーーフォージャー家の中でも関係性は変わっていきますか。

早見：ユーリとは姉弟の二人で会話することにも全く違和感がないし、本人も飾らずに何の気負いもなく話せるという関係性がすでにあるんですけど、それは育ってきた歴史がある家族だからなのかなと思っています。

フォージャー家の関係性というのは、これから徐々に生まれていくものです。疑似家族になったことで、「これは人から見たら、家族に見えるんだ」とか「家族という気持ちがあるから、生まれる行動なんだ」という自分でも予想していなかった気持ちがどんどん生まれていくのも楽しみですね。

ユーリとの関係性の中ではあまり意識していなかった家族の形や妻や母という役回りを与えられることで、「じゃあ、それは何なんだろう？」と逆に浮き彫りになっていくのがこの疑似家族の面白いところかなと思っています。