ディズニー＆ピクサー映画『バズ・ライトイヤー』アンガス・マクレーン監督＆ギャリン・サスマンプロデューサーインタビュー｜「バズの成長物語にしたかった」今だからこそ言える制作秘話も

今だからこそ言える制作秘話

——また、本作は“スペース・レンジャー”を題材にしているだけあって、CG技術がすごく映える映像美に魅了されました。最近の日本アニメはデジタルとアナログの併用が増えていますが、それぞれの良さはどこにあると思いますか？

アンガス：違ったものを表現できるので、それぞれの良さがあると思います。

ギャリン：そうね。私はやっぱり手書きのほうに温かみを感じます。CGの場合、正確無比な感じの表現になるので、温かさや生活感を与えたいときは結構大変です。逆に、手書きの場合はすごくクリーンな正確な表現をしようとすると大変なような気がします。

アンガス：手書きのほうが何でも書けるから自由があるよね。コンピューターで作るCGはまずモデルを作って、そこから動かさなさなければならないのでモデルを作る必要がないのも手書きの良いところだと思います。

——続いて、今だからこそ言える制作秘話をぜひ教えてください！

アンガス：オープニングシーンでバズは何回かテスト飛行をしますが、そのときに数式を書くシーンがあります。その数式をエンジニアである僕の父に考えてもらいました。

ただ、映画を制作しているときは守秘義務があるので、なぜ数式を考えなきゃいけないのか理由を父に伝えることはできません。

なので、作品名を伏せて“宇宙を旅している人が、外れてしまった航路に再びのるためにはどうすればいいのか、その”数式が欲しいんだ”と丁寧に説明しました（笑）

それで父が書いてくれた数式を宇宙船に載せたんですが、その数式が意外と長くて「これは全部入らない！」と。そこからどんどん減らしていって、最終的には一部しか載せられませんでした。でも、メイキングのアートブックには全部載っているので、ぜひチェックしてください。

ギャリン：あとはそうね……『トイ・ストーリー』関連でいえば、やっぱり『トイ・ストーリー2』のデータ消失事件かしら。

——『トイ・ストーリー』ファンにとって、あの衝撃的な話ですね！

ギャリン：当時、私はスーパーバイジングテクニカルディレクターとして参加していました。子どもを出産したばかりだったので、家族と一緒にいるために家でも作業ができるよう週に1回、全データをコピーして家に持って帰っていたんです。

そんなときに、ピクサーのあるスタッフが間違って全データを消去してしまいました。“バックアップを取っているから大丈夫だろう”と思っていたら、そのバックアップも全然取れていないことがわかり、すべてがなくなってしまったんです。

たまたま、家に持ち帰っていたデータが私のパソコンに残っていたので、そのデータを復活させて無事に『トイ・ストーリー2』が完成しました。

——絶望的状況を救ったのはある“女性スタッフ”と明かされていましたが、まさかその女性スタッフがギャリンさんだったとは……！

ギャリン：でも、無事に完成できたのは私1人の力ではありません。スタッフのみんなが集まって36時間ぐらいかけてデータを復活させることができたのでチームワークで成り立った作品だと感じています。

——ありがとうございました。今回の『バズ・ライトイヤー』も制作スタッフ陣のチームワークが発揮された作品となっております。ディズニープラスで配信されているドキュメンタリー番組も、本作への理解が深まる内容となっているので、ぜひ映画と併せてチェックしてくださいね！

映画『バズ・ライトイヤー』作品情報

7月1日(金) 全国ロードショー

ストーリー

有能なスペース・レンジャーのバズは、自分の力を過信したために、1200 人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。地球に帰還するため、バズは猫型の友だちロボットのソックスと共に不可能なミッションに挑む。

その行く手には、ずっと孤独だったバズの人生を変えるイジーや個性豊かな仲間たちと、思いもよらぬ“敵”が待ち受けていた──。

「トイ・ストーリー」で誰よりも仲間思いのバズ・ライトイヤーの、知られざるルーツを描く感動のファンタジー・アドベンチャー。
　

スタッフ＆キャスト

監督：アンガス・マクレーン
制作：ギャリン・サスマン
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン

日本版声優：
鈴木亮平（バズ・ライトイヤー）
今田美桜（イジ―）
山内健司・かまいたち（ソックス）
三木眞一郎（モー）
磯辺万沙子（ダービー）
銀河万丈（ザーグ）
沢城みゆき（アイヴァン）
りょう（アリーシャ）

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