『勇者が死んだ！』で声優デビュー！注目の新人声優・新福桜さんの素顔に迫る｜自分の限界を超えなければ演じられないと思ったデビュー作のキャラクター

音の高さや喋り方だけでなく、“中身”を大事にしたいと思いました

――アフレコで皆さんの演技や立ち回りを見て、すごいなと思ったことや印象的だったことを教えて下さい。

新福：一番すごいと思ったのは、トウカくんの精神が入った“その体の人”が、トウカくんの魂で喋るシーンですね。シンプルにすごくて職人技だと思いました。声はもともとの体のままだけど、魂はトウカくんだから、“加藤さんが演じるトウカ・スコットとして”喋るんですよ。

そういうシーンでは、よく音響監督が「今のシーン(セリフ)は、加藤くんだったらどう演じますか？」と聞いて、加藤さんが自分のセリフではないのにやって、それを(トウカの魂が入ったキャラクターを演じる)皆さんがアウトプットするんです。そうやってすごく鮮明に表現するのは、ほかにはない演じ分けなんじゃないかと思います。

――ミリィに関しては普段の声とは違うと話していましたが、どのような役作りをして臨んだのでしょうか？

新福：ミリィちゃんって幼くて可愛い女の子かなと、原作を最初に読んだときは思っていたんです。でも、読み進めていくと、可愛いだけじゃなくてすごく芯が強くてしっかりしているし、弱音を吐かない部分があると感じたんですね。そこがミリィちゃんの魅力だと思ったので、その魅力を最大限にお伝えできるようなお芝居をしたいと思いました。

もちろん、音の高さや幼い喋り方といった、“聞こえてくるもの”も大事にしないといけないですけど、ミリィという人間の考え方や感情といった“中身”をもっと大事にしていきたいなって。ですので、セリフのひとつひとつを深堀りして、このセリフの裏ではどんな思いがあるのか、じっくり考えるようにしました。

――そのようなことを意識して演じていく中で、印象的だったディレクションはありますか？

新福：トウカくんに対して感情的な言葉をかけるシーンで、音響監督の清水(洋史)さんから「ただ声を荒げているだけだと、理性を失って感情だけで喋っている人になるから、それはダメ。怒っていてもミリィの中に理性はあるし、ちゃんと言葉を選んでトウカに伝えているから、その作業を怠ったら人間らしくなくなっちゃうよ」と言われたことです。ミリィちゃんだけでなく、どんな作品、どんなキャラクターにも通じることだと思いますので、それを丁寧にやろうと努めました。

――言葉として頭で理解しても、なかなか難しそうですね。

新福：難しいです。特に私は、尺やマイクのことなど本当に基本的なことすら出来ない状況でしたから。でも、出来る範囲での精一杯は出そうと思って頑張りました。

――収録は結構皆さんと一緒にできたとのことですが、チームとしての雰囲気はいかがですか？

新福：めちゃめちゃいいですね。あたふたしていた私を優しく迎え入れてくださいましたし、わからないことはよく山村さん(ユナ役の山村響さん)が教えてくださったんですよ。加藤さんもたわいもない話をしてリラックスできる環境を作ってくださって。スタッフさん含めて、とてもありがたかったです。

――アフレコはミリィが登場する回だけでなく、第1話から見学したとお聞きしました。最初は「あの人がいる！」となったのでは？

新福：なりました。挨拶したときも現実感が全くなくて。憧れの方々だったから「本当にいらっしゃるんだ！」って感覚でした(笑)。もちろん今はそういうのはなく、「もっと吸収したい！」「先輩から学びたい！」という感覚ですね。

トウカのフトモモ好きは、見ていて清々しいです

――では、この作品ですから単刀直入にお聞きします。女性のフトモモは好きですか？

新福：好きです。柔らかくていいですよね！(笑)

すらっとしているのもいいなと思いますけど、やっぱりこの作品で強調されているような、ちょっとムチムチ、むにむにしている感じがいいなと思います。作中でも、ニーハイを履いてぷにっとしているところにこだわりが垣間見えて、「いいよね、そこをぷにぷにしたくなるよね」ってなります(笑)。

――フトモモに関するシーンは、今後もいっぱい出てきますからね。

新福：たぶん加藤さん(トウカ役の加藤渉さん)は一生分ぐらい「フトモモ」って言っていると思います(笑)。カウントしたいぐらい言っていますもん。現場ではフトモモのゲシュタルト崩壊が起きていて「フトモモって何だっけ？」「フトモモってフトモモであってる？」みたいな会話が実際にありましたから。

――そうなってしまうぐらい、トウカはとにかくフトモモが大好きだと。

新福：そうなんですよ。トウカくんの不思議なところって、本当に“フトモモにしか”興味がないんですよ。胸とかには全く興味を示さず、フトモモのことだけ考えて生きているので、その執着力というか、それ以外に目移りしない一途な感じがすごいなと思います(笑)。

――裸ニーソが出てきても、気にするのはあくまでフトモモとニーソでしたし。

新福：本当ですよね。それを隠そうともせずに、「俺はフトモモが好きだ！」と突き進んでいくのが逆に清々しいというか。そのままでいて欲しいです(笑)。

――それと同じと言っていいのかわかりませんが、ユナとミリィの父親であるフィエリ役の東地宏樹さんは公式サイトで「こんなにもセリフで、おっぱいをたくさん言ったのは、後にも先にもこれが最後でしょう」とコメントされていました。

新福：フィエリもフィエリで清々しいですから、ぜひ登場を楽しみにしてもらいたいです。

意外なギャップを知ると、その人のことをもっと知りたくなります

――トウカがフトモモにものすごく執着するように、新福さんが執着するもの、いわゆる「◯◯フェチ」のようなものはありますか？

新福：人ってギャップに弱いじゃないですか。私もそうなんです。例えば、見た目が筋肉モリモリなのに甘いものが好きとか、そういうギャップを知るとその人への興味がすごく増して、もっと知りたくなります。お仕事で関わった人のギャップをあえて探しに行くこともありますね。私もギャップをお見せしたいんですけど……ありましたかね？(笑)

――失礼かもしれませんが、写真から大人しい人なのかなという印象がありました。でも、その印象よりも気さくで話しやすい感じでしたね。

新福：清楚で大人しい系の女の子かと思った、ってよく言われます(笑)。

――掘り下げていけばもっとギャップがありそうな気もします。

新福：まだちょっと猫を被っているかもしれないですね。

――そこは配信やイベントなどを楽しみにしていますね。では最後に、新福さんにとってミリィはどういう存在なのか、皆さんへのメッセージと合わせてお聞かせ下さい。

新福：初めてお仕事として演じさせていただいたキャラクターなので、やっぱり人一倍ミリィに対しても作品に対しても思い入れがあります。ド新人がやるんだ、大丈夫かな？という不安を持っている方がいるかもしれません。私はまだまだ未熟ですけど、その中で出来ることは最大限、全力で演じましたので、ミリィちゃんのことも私のことも見守って応援してくださったら嬉しいです。よろしくお願いします！

――ご覧になった方はわかる通り、本当に面白い作品ですからね。

新福：頭を空っぽにして見られますので、ゲラゲラ笑いたいときに見ていただけたらと思います。トウカくんにもギャップがあって格好いいところは本当に格好いいですし、ピンチに巻き込まれてハラハラするシーンも出てきます。ぜひ楽しみにしていただきたいです。

――その一方で、ちょっぴりお色気なシーンも。

新福：ちょいちょいありますのでお楽しみに！

［文＆写真・千葉研一］

TVアニメ「勇者が死んだ！」作品情報

作品概要

原作はスバルイチ作の『勇者が死んだ！』。「マンガワン」にて2014年12月〜2020年12月まで連載し現在20巻まで発売。さらに2022年5月よりスピンオフ漫画『勇者が死んだ！神の国編』の連載中！

あらすじ

剣と魔法、そして人類の敵として悪魔が息づく世界。
ちょっとスケベな農夫の少年トウカは、ある日自作の落とし穴に勇者シオンを落とし、殺してしまう！
その事実を隠すため勇者の死体を埋めたが、翌朝トウカの体に異変が…！！？
落とし穴からはじまる、村人と美少女たちのちょっとエッチな冒険ファンタジー開幕！

放送情報

TOKYO MX 4月6日より毎週木曜25時00分〜
BS11 4月6日より毎週木曜25時00分〜
テレビ北海道　4月11日より毎週火曜26:35〜
ファミリー劇場 4月27日より毎週木曜24時00分～

スタッフ情報

原作：「勇者が死んだ！」スバルイチ（小学館「マンガワン」連載）
監督：久城りおん
シリーズ構成：佐藤裕
キャラクターデザイン：薮本陽輔
モンスター・プロップデザイン：藤原彰人
美術設定：大山裕之（バーンストーム・デザインラボ）
美術監督：福島孝喜
色彩設計：大西峰代
撮影監督：村上優作
編集：榎田美咲
音響監督：清水洋史
音楽：うたたね歌菜、奈良悠樹、yamazo、MOKA☆
音響制作：東北新社
音楽制作：ポニーキャニオン
プロデュース：WOWMAX
アニメーション制作：ライデンフィルム