「「なりたい」という存在でいられるということは私自身、とてもうれしく感じています」──『ふたりはプリキュア Splash☆Star』ついに初の全話Blu-ray化＆HDリマスター！　樹元オリエさん、榎本温子さんインタビュー

「なりたい」と思われることがうれしい

──今日着られている衣装も爽やかですごくかわいいなと思っていました。

樹元：ありがとうございます。双子コーデっぽくしたいね、って話をしていました。

榎本：ふたりでイベントに出る時は大体双子コーデにしてるよね。選ぶのも楽しいよね。

樹元：楽しい！

榎本：今日の撮影のためにAZULさんにリースしていただいたんです。そしたらAZULの店員さんが『プリキュア』シリーズを見られていた方で、めちゃくちゃ感動してくれていたんです。それがうれしかったですね。

──「小さいころからプリキュアを見ていました」という方々が今社会で活躍されていますね。

榎本：そうですね、感慨深いです。あと、少し話は変わってしまいますが、七夕の時期に短冊を見ると、子どもたちが必ず「プリキュアになりたい」と書いているんですよね。それを見るのが大好きで「なれるよ」っていつも思っていて。「なりたい」という存在でいられるということは私自身、とてもうれしく感じています。

──『スター☆トゥインクルプリキュア』の成瀬瑛美さんも同様に「なれるよ」って、その短冊を手に挟むという話をされていて。

樹元：わあ、そうなんだ。素敵！

──『S☆S』はおふたりの声優人生にどのような影響を与えた作品だと考えられていますか？

樹元：声優としての自信をくれた作品。はじめは不安ばかりで、録音さんも「樹元下手くそ！」って言うんですよ（苦笑）。もう悔しくて収録後に泣いていました。そうやって鍛えてもらった経験がとても大きくて、映画の時にはその録音さんが「成長したな」と言ってくれて。それでまた泣いてしまいました。

榎本：当初制作の方は2年あるかも、と考えていたのでオリエちゃんを厳しく育てていたそうなんです。もちろん良いところはあったんだけど、もっと良くしたいから……という気持ちから、あえて厳しくされていたとうかがいました。

樹元：ありがたいことです。1年やりきったことで声優としての自信になりました。

──榎本さんはどうですか？

榎本：私は18歳の時にデビューと、比較的デビューが早かったので作品づくりには真摯に取り組んできたつもりだったのですが、アイドルと思われてしまうことが多い世相だったので、この作品で役者と思ってもらえたんじゃないかなと。それがすごく印象的です。

それまでは若くて主役で入っていたので、作品を引っ張れなかったんですよね。10代、20代前半ではまとめられなかった。でも『S☆S』には（山口）勝平さんもいらっしゃいましたし、現場づくりのようなものも意識していたんですね。

（新たな）ダークフォールのキャラがきたら迎えて、ガヤで参加してくれた人たちにも声をかけて、なんとなくそういうことを自分がやっていたつもりでした。

そうしたら最終回の時に咲ちゃんのお母さん（日向沙織）役の土井美加さんが「あなたよく頑張ったね、あなたがこの作品を支えたのよ」と言ってくれて、号泣してしまいました。少しでも現場づくりに貢献ができたのかなって、すごくうれしくて。

土井さんのお言葉は今でも忘れられないですね。その後も、（現場をまとめるような）そういう場面に出くわす機会があって。『S☆S』が現場の作り方を教えてくれたように思っています。

──『ふたりはプリキュア Splash☆Star ～20th LEGENDARY BOX～』が発表になって、SNSを中心に『S☆S』ファンの皆さんがさらに盛り上がっている印象です。

榎本：今『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』が放送されることが発表になっているので、ファンの方たちの中には、もしかしたらここで盛り上がったら『S☆S』も……？ と期待されている方もいらっしゃると思うんです（インタビュー段階では、〜オトナプリキュア'23〜に『S☆S』が参加することは未発表）。

でも本当にありがたいことに、私たちも『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』に出演させていただくことが決まっていて。言えないことをもどかしく感じていました。でもこのインタビューが掲載されるころには発表になっていると思うので、ぜひ『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』も楽しみにしていただきたいです。

　
インタビュー・逆井マリ