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『16bitセンセーション』若木民喜(原作)×佐久間貴史(監督)×中山信宏(プロデューサー)インタビュー前編【連載第9回】

『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』第8話放送後インタビュー:若木民喜さん(原作)×佐久間貴史さん(監督)×中山信宏さん(プロデューサー)|守がまさかのタイプスリップ! 異質な雰囲気となった第8話はぜひ考察してほしい【連載第9回】

かおりさんのネコ耳帽子が外れたワケとは?

――第7話までで印象的だったシーンを挙げるならば?

中山:やっぱり第4話の98ロボかなぁ。そこから当時盛り上がってきたコスプレの話を延々していた気がしますね。

――コミケのシーンですね。

中山:「アルコールソフトの面々がコスプレをするなら何がいいんだろう?」っていう話になって、「エヴァでしょ」っていう話になり……。もしくは『美少女戦士セーラームーン』とか? でもこれもジジくさい話なんですが、「この当時はもうエヴァだったんだ!」って。まだまだ身近なものに感じていたんですが。

――実は結構古くに始まった作品なんですよね。アルコールソフトで聞きたかったのですが、かおりさんのネコ耳帽子ってなくなっちゃったのですか? 

佐久間:漫画を読んだときにずっと付けているので、「かおりさんはずっとネコ耳ですよね?」という話をしたら、みつみ美里さんに「アニメでは外していいんじゃない」と言われて。確かそういう流れだったと思います。

若木:漫画だと僕の裁量になるのでね。僕が勝手にお風呂に入っているときも外さない、『ドカベン』の岩鬼の帽子くらいのノリにしていたんです。「この人はこういう人なんだ」って思っていたら、みつみさんが「外したらいいじゃん」みたいな感じで(笑)。

佐久間:そうそう。

若木:アニメに関しては、絵のことは全部みつみさんに任せていたので、みつみさんが外していいと言うのなら、外していいんです!(笑)

佐久間:みつみさんって本読みのときにあまりしゃべらないんですが、しゃべったときのコメントは全部的確だったんですよ。

若木:長年視聴者としてオタクをしているからね(笑)。

――かおりさんみたいですね。普段面白がっていて、言うときは言うという。

中山:確かにそんな感じはあったなぁ。ビシッと言うときはすごく的確だったので。ネコ耳も、おそらく漫画的なアイコンとしてはアリでも、アニメだとリアリティーラインが少し変わってくるんですよね。それで、なくてもいいということになったんだと思います。

若木:確かにこのあとのことを考えると、早めに外しておくのはありなんですよね。

――それにかおりさんって意外と服装が大胆ですよね。コノハのパーカー姿も袖がなくて大胆でしたけど。

佐久間:線画設定をチェックした段階で「この服装、想定してたよりも横乳が強調されてるけど良いのかな?」とちょっと悩みましたが、「まぁいいか。」とOKにしました。

中山:確かに肩めっちゃ出てましたね。

若木:かおりさんは確かに露出度高いよなぁ。

佐久間:あれって、アムラー(95〜96年頃に流行した、安室奈美恵を模倣したファッションをする人たちのこと)ですよね?

若木:何なんですかね? 今で言うY2Kファッションってことなのかな?

佐久間:そのあたりの衣装に関しては、st.シルバーの高荷(恭子)さんが、その年代の女性のファッショントレンドを調べて提案していたような気がします。

――ファッションが、一番その時代を表しますからね。

佐久間:そうなんですよ。

――第5話のスパチャを読んでいるときのVTuberのマネをコノハがしていたのも面白かったです。当初コノハのイメージが「VTuber」だとおっしゃられていたと思うのですが、結構リアルだと思いました。

若木:(演技については)僕は何も言っていませんが、古賀さんは自主的に勉強されていたんですよね。

中山:そうでしたね。アフレコのときも、「勉強してきました!」と言っていて面白かった。

若木:特にダメ出しもなかったし。

中山:僕ら世代はVTuberとかは分からないので、たぶん正解なんだろうって思っていました。

若木:VTuberはすべてのパターンがあるので大丈夫だったと思います。

中山:若木先生のほうがすごいですよね。そういうところまでちゃんとチェックしているから。

若木:いや、僕はVTuberの方にインタビューをされたことがあったので。ただ、その時の現場を見ていると、昔の美少女ゲームの会社みたいだなって、ちょっと思ったんですよ。現場感が似ているなって。若い人たちがすごく忙しそうにしているのを見ながら、これ、昔なら美少女ゲームを作ってた人たちだろうなって。

――何か新しいものを生み出そうとしている熱気みたいな感じかもしれないですね。第5話では、いかにも怪しい市ケ谷も登場しましたけど、特にモデルはいないんですよね。

中山:どうなんでしょうね(苦笑)。ただ絵コンテとか作画の段階で、ゲーム業界に限らず、アニメ業界とかにもああいうタイプの人っていたよねっていう共通認識があったので、そういう人はいたのかもしれない。

若木:でもああいう人って、どこにでもいるんですよね。

――突然連絡が取れなくなる人とかはいますよね。でもこの作品では、最後はいい人というか、コンシューマー化を目指していたのは本当だったというオチになっていました。

若木:あれは第5〜6話の脚本の雑破 業さんがいい感じに作り上げてくれたんです。

中山:一応救いは残した感じでしたね。

――それによって、てんちょーが救われたなと思いました。

若木:そうですね。あれはあれで良かったんじゃないかなって思っていて。雑破さんがいろいろとアイデアをくれて救われる感じになりましたが、僕としては市ケ谷は悪いままで、しかものうのうと生きているみたいなイメージだったんです。「こいつ何でまだ業界にいるの?」みたいな感じが好きなんですよ(笑)。「あれだけ迷惑をかけたのにいなくならないんだ!」っていう。

――面の皮が厚い感じの人、いますよね(笑)。

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