音楽
ポピパらしさ溢れる、とびっきりの1枚! 大塚紗英、大橋彩香が語る3rd Album『POPIGENIC』【インタビュー】

一度でもポピパの曲を聴いてくれたすべての人に、これまでも、これからも、Poppin'Partyの音楽が在りますように――3rd Album『POPIGENIC』花園たえ役・大塚紗英さん、山吹沙綾役・大橋彩香さんロングインタビュー

“ニコ”じゃなく“ニヤ”でつながる関係性

──「ぽっぴん'どりーむ!」は演奏が楽しそうな曲ですよね。

大橋:めちゃくちゃ楽しいです! 演奏していると、息を吸ったと思ったらもう曲が終わってたくらい(笑)、あっという間に感じます。分かる?

大塚:うんうん。終わった瞬間、まるでずっと水の中で泳いでいて、ようやく地上に戻ってきて空気を吸ったときみたいな感覚です。全力で泳ぎ切った達成感がすごい。「ああ、地上だあああ〜!」って(笑)。中でも間奏のジャンプはアドレナリンが爆発しますね。

大橋:いいなあ。そこ飛びたい。スタンドセットだと飛べるんですけど、普通のドラムセットだと動けなくて。

── でも大橋さんは立ち位置に、全員のことが見えるわけじゃないですか。それってすごく良い光景なんだろうなあって。

大橋:楽しいですね。山吹沙綾自身も少し離れたところからみんなを見守っているところがあるので、沙綾と同じ目線でみんなを見られることが嬉しいです。ライブ中、メンバーの何気ない姿を見ているのも楽しいですね。

一段高い場所でもあるので、見える景色がより広がっていて。私、ライブが始まった瞬間が一番気持ちがクライマックスのようになるんです。ステージに立って、最初に見た景色が心にグッときて。メンバーの姿も一緒に視界に入るのがすごく嬉しいですね。良いポジションを獲得しました(笑)。自分の人間性的にも合ってるなって思うところがあって。あまり特攻隊長タイプではなくて、周りを見て考えるタイプなので。

大塚:ああ、それはすごく感じる。普段から俯瞰的にモノを見ているもんね。視野の範囲的には私たちって近いところがあると思うんだけど……出方は真逆かもね。

大橋:ああ、確かに(笑)。

──へえ、面白い分析! 根底にある感性が近いってことですよね。

大塚:そうですね。私はもし建築するとしたら、骨組みを組んで「あとはどうぞ」ってお任せするから、タイプは逆。でもいつも、いちばん似たようなことを考えてるんだろうな、って思いながら話しています。パフォーマンスも、音の聴き方も近いなあって思ってて。

大橋:うんうん。

大塚:お互いわりと、ニュートラルな視点で見ている気がします。パートの特性的に違いはもちろんあるんだけど、似てるよね。

大橋:似たもの同士かもしれない。

大塚:たまに(本番中にステージで)寝っ転がると、目が合います。

──「あ」っていう(笑)。

大橋:そうそう、まさに「あ」ってなってます。そもそも、パートの特性で言ったら、目が合うのもおかしい立ち位置なんだけどね(笑)。めっちゃ笑っちゃうもん。

大塚:本番の演奏中の、素の瞬間にふっと目が合うんですよ。決め打ちで目を合わせに行くとかじゃなくて、自分たちだけが「あっ!」となることがおきたとき、絶対にいちばんに目が合うのは彩香ちゃんですね。

大橋:「あっ、ちょっとミスったかも!?」みたいな時とか、ニヤリとしてくるんですよ。で、ふたりでニヤ(笑)。

大塚:そうそう。ニコ、じゃなくて、ニヤ、で目が合うんだよね。

大橋:そういう瞬間に「バンドしてるな!」って感じる。

大塚:分かる〜! そもそも、そこまで深く付き合えるっていうのが、このコンテンツのすごいことだなと思っているんです。姉妹・兄弟のような感覚に近いんですよね。だから「仲いいんですか?」と聞かれると、仲は良いんですけど、ちょっと違うというか……「仲いいんですか?」って、友だちの範囲じゃないですか。そこよりも濃い。実際、仲の良い兄弟・姉妹に「仲が良いですか?」って聞いたら「仲いい方だと思いますよ」って感じじゃないですか(笑)。そのほうがしっくりくる。

大橋:ああ、確かに。親戚とかね。「毎日会ってるわけじゃないけど」っていう。

大塚:互いのことはよくわかっているよな、ってたぶん全員思ってるよね。何があっても受け入れ合える信頼があるんですよね。言わなくても「今この人こう思ってるだろうな」ってお互いに察していて。それがすごいなって。だからもう、ライブ前は打ち合わせをせずとも、みんなでテレビを見ているっていう……(笑)。

大橋:バンドに喧嘩は付き物、みたいなことはよく言うけども、そもそも喧嘩もしないんですよ。仮に何かあっても絶対に修復できるっていう安心感があります。

大塚:(何か、この先に)あるかなぁ。

大橋:何かがあったとしたら家族の喧嘩みたいな感じじゃないかな。

大塚:ああ、そうね(笑)。みんな気遣いしいなんですよね。ちょっとしたすれ違い、勘違いはあったかもしれないけど、大きく喧嘩したことってないよね。

大橋:ないね。みんな大人ですね(笑)。争いが嫌いだし、穏やかで、平和主義なところがあります。

大塚:あ、私Poppin'Partyの好きなところがあって……。

大橋:なになに?

大塚:みんな言葉遣いが綺麗なんです。みんなネガティブなことを言わないし、たとえ言うとしてもちゃんと言葉を選べる人たち。そこがすごく好きです。

──今、バンドとして最強じゃないですか? それがAlbumの歌詞にも出ている気がします。

大橋:ああ、確かに。たくましくなったなって思います。

──では3枚目となるAlbum、改めてどんなところを楽しんでもらいたいですか?

大橋:Poppin'Partyの歴史を感じながら聴いてほしいです。最初はシンプルに聴いて、2回目は歴史を振り返りながら聴くと、また違った味わいがあるんじゃないかなって。二度美味しい感じになるかと思います。もちろん、最近好きになってくれた方は1st Albumから聴いてみるのもおすすめです。

大塚:この記事を読んでくださっている方の中には、ポピパという名前は知ってるけど、意外と最近の曲は知らないという方や、ライフステージが変わって追えなくなってしまった方もいると思うんです。でもそれは全然良いことだと思っていて。

でも、皆さまの生活の中で良いこと、悲しいこと……何かしらの変化があったときにそばにいたいと言いますか。ふとした時に思い出して「変わらずにポピパはいるんだ」と思ってもらえたら、活動している励みになります。だから今どこにいたとしても「帰る場所はそのままあるよ」というか。ぜひ気軽に、今のPoppin'Partyをぜひ聴いてもらいたいです。

──『POPIGENIC』というタイトルも素敵ですよね。

大塚:そうなんですよね! ポピパの彩色豊かな作品であることが伝わるんじゃないかなと。

ライブで発表になった、今年の日本武道館公演

── 今回のAlbumには、2024年10月14日(月・祝)に河口湖ステラシアターで開催されたPoppin'Party LIVE 2024『Poppin'Canvas 〜芸術の秋、音楽の秋!〜』の模様も収録されています。あの日のライブは今振り返るといかがでしたか。

大塚:登場の演出もいつもと違っているんですよね。それと、会場が半野外で、ステージ後方の壁面が開いて森の中で演奏しているような演出が印象的でした。開いた瞬間、冷たい風が吹いて一気に寒くなったのが思い出深いです。客席からは見えにくかったかもしれませんが、各々、寒さと戦いながら演奏していました(笑)。

大橋:逆にリハーサルの時は日差しが強くて暑かったんですよ。本番は急に寒くなって驚きました(笑)。でもその野外感がすごく楽しかったです。

大塚:寒すぎて面白かったよね(笑)。さっきまで汗をかいていたのに、その1秒後には震えるくらいで。

大橋:春夏秋冬、いろいろなステラシアターの景色を見てみたいなと思いました。空が見えたり、花火が上がったりして、本当に特別なライブでしたね。

大塚:演出面でもあたらしい挑戦もあるので、映像美も楽しんでもらえると思います。ライブ初披露の「TARINAI」もあって。それと久々のカバーや、アコースティックコーナーでの長めのトークも収録されています。メンバーで手書きした質問ボードがカオスで面白くて。1枚は5人で絵を書いたんですけど……前衛的なアートになりました(笑)。あれは映像でしか見られないと思うので、ぜひ見てほしいですね。

──前衛的!(笑)

大橋:ポピパらしいマイペースさが絵でも表現されています(笑)。各々が描きたい絵をただただ描いていて「ああ、ポピパだな」って思いました。でも、一つひとつのパーツはバラバラなんだけど、並べてみるとちゃんと一つの作品になっているというか……。そう思えちゃうのも、ポピパっぽいんです。

大塚:こんな感じで、ポピパって基本的に肯定するんです。お互いを否定しないんですよ。誰かが「こうしよう」って言ったら、「いいね、いいね!」って肯定していく雰囲気があって。

大橋:あいみん(愛美)も「みんなで褒め合っていこう!」ってよく言うよね(笑)。「最高じゃん!」ってなるのがポピパらしさだよね。

── そしてそのライブでは、日本武道館でのライブ開催も発表されましたね。

大塚:そうなんです!  長く活動してきたからこそ、いろいろなタイミングでポピパに出会ってくれた人がいるんですよね。その皆さんが応援してくれているのは本当にありがたいことなんですが、それと同時にすごく大変なことでもあるなとも思っていて。

ライブを観に来てもらうって、時間もお金もかかるし、スケジュールを調整したり……いろんな制約の中で足を運んでくれるわけで。(武道館ライブ発表は)個人的にすごく感慨深いんです。発表したときの、ファンの皆さんの表情を見て、武道館ライブの発表によって少しでも恩返しになっていたらいいなと思いました。

そういう思いもあって、今回のライブは本当に大切なもので。もちろん「武道館」という会場の特別感もあるけど、それにとらわれすぎるんじゃなくて、ちゃんと「ポピパとしてのライブ」を届けることが一番大事だなとも思っています。

── ステージから見たファンの皆さんの表情は、どんな感じでしたか?

大橋:呆然としてる人もいれば、顔をくしゃくしゃにして泣いてる人もいて、目をカッと見開いて「うわー!」ってなってる人もいて(笑)。ニコニコしてる人もいましたね。もう、めちゃくちゃいろんな表情がありましたよ。ステラシアターは客席との距離も近いので、いつも以上によく見えて。すごかったです。リハにはなかった光景で……私もビリビリっときて、じわああ……ってなりました。

大塚:「でも泣かない」の顔してたね(笑)。

大橋:うん(笑)。「泣いて良いのはあいみんだけ」って思いながらこらえていました。

大塚:ごめん、でも大体、端のふたりが泣くっていう(笑)。

大橋:それも好き(笑)。その姿もかわいいなあって思いながら見てる。

── では、改めて武道館ライブへの意気込みを聞かせてください。

大橋:今回は3回目の武道館で、しかも10周年という特別なタイミングなので、すごく大きな節目だと感じています。究極の節目というか。その分、スタッフもメンバーも「絶対にいいライブにしよう!」っていう気持ちが強くて、演出やセットリストについても、すごくじっくり考えています。皆さんに満足してもらえるような、「ポピパを応援しててよかった」って思ってもらえるライブにしたいですし「いや、しよう!」ってみんな考えています。

大塚:うんうん。すごく大切な節目のライブだからこそ、セトリ会議はめちゃくちゃ白熱しました。

ポピパって自分たちではあるけれど、自分たちのものだけではないとすごく思っていて。ポピパを一度でも好き!と思ってくれたことがあったとしたら、その人のものでもあると思うんです。そうやってポピパに触れてくれたことのある人たちに恩返しができるチャンスだとも思っているので……気負う部分もありますが、みんなに楽しんでほしいなあって。

大橋:うん、楽しんでほしいよね! だから私たちも楽しもうって思っています。

── そんな緊張感の中でも、楽屋でテレビを見ているポピパであってほしいなあと(笑)。

一同:(笑)

大橋:決まることが決まれば、いつものポピパになるだろうなとは思っています。武道館の楽屋ってテレビありましたっけ?(笑) それよりも、私は(ケータリングの)ホットミールの時間が気になってるかもしれません。いつも現場のホットミールについて、めちゃくちゃ詳しい(笑)。ご飯が楽しみ!

大塚:あはは! フェスなどのイベントでもみんなに「夕方の切り替わりは3時からだよ」とか、メニューの内容とか、めちゃくちゃ詳しく教えてくれるんですよ(笑)。ご飯、大事ですからね!

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