
ふたり“らしさ”が表現された“山下大輝×畠中祐”初のコラボソング「Go ahead!」が生まれるまで。制作秘話やマインドの共通点などを聞く/山下大輝さん、畠中祐さんロングインタビュー
新しい出会いと旅立ちの季節。そんな門出を後押しするかのように、今春“山下大輝×畠中祐”名義で初のコラボレーション楽曲「Go ahead!」が配信リリースとなった。作詞・作曲をSIRAさん、編曲を松本良喜さんが。さらにイラストをゆりぼうさん、映像編集をえむめろさんが手がけた、新たな門出の季節に寄り添う爽やかなナンバーとなっている。
もともと互いをリスペクトしあっている両者だが、楽曲制作を通じて、さらに絆が深まった様子。山下大輝さん、畠中祐さんに、「Go ahead!」に込めた想いや、互いの音楽への向き合い方、そして5月4日に開催されるコラボライブ「山下大輝 × 畠中祐 LIVE 2025 “Share”」まで、たっぷりと語ってもらった。
まっすぐな気持ちの持ち主じゃないとあの純度は出せない
──9月7日(土)に行われた山下さんのバースデーイベント「Daiki Yamashita 2024 DAIKING Festa Vol.3」に、ゲストとして登壇されていた畠中さん。その時に佐伯ユウスケ (佐伯youthK)さんが手掛けた山下さんの楽曲「Hello」をコラボレーションする一幕もあり、おふたりが一緒に何かをやったら面白いだろうなと勝手に想像を膨らませていたのですが、まさかこのタイミングでコラボレーションが実現するとは思いませんでした。どのような経緯でこの話が進んだのか、山下さんからお聞きしてもよろしいでしょうか?
▼Daiki Yamashita 2024 DAIKING Festa Vol.3レポート
山下大輝さん(以下、山下):自分のイベントは自分が自由にできる場なので、仲の良い人を呼んでいるんです。で、今回の「DAIKING Festa」には、祐に来てもらって。祐は歌も歌えるし、同じようなパッションを感じる部分がすごく多いんですよね。一緒に歌えたら楽しんだろうなと思い、あの場で歌わせてもらった時に、お互いアイコンタクトを取りながら、めちゃくちゃ楽しい空間が生まれたというか……「あ、これだ!」っていう瞬間があったんですよね。
畠中祐さん(以下、畠中):うんうん。
山下:あの時に「もっといろんなことを一緒にやりたい!」って強く思いました。それで、大人のたくさんの力をお借りして(笑)、今回こうしてコラボレーションを実現することができました。
──畠中さんは山下さんからのラブコールを受けて、どのようなお気持ちでしたか?
畠中:いやぁ、嬉しかったですよ。もう「ぜひとも」と。僕はアフレコ現場で山下さんの姿を見ることが多いんです。自分の出番が終わった後も残って見学させてもらっていて。だから、後ろ姿を見ていることが多かったんですよ。中でも某作品で、惚れ惚れした後ろ姿と声があって……「ああ、まさにヒーローだな」と思っていました。
そして、その声に感性の豊かさのようなものをとっても感じていて……。だからこそ、そういう人が音楽をやるとどうなるんだろう? っていうのは、(アーティストとしてデビューする前から)すごく気になっていたし、実際にステージで体感してみたかったんですよね。……で、やっぱりすごいなと。その素直さ、まっすぐさが歌に出ていて。そこにどう僕の声が絡んでいくのか、全然想像がつかなかったんですけども……面白いですよねえ。
やっぱりお互いのアプローチが全然違うんですよね。でも、重なったときに「確かに同じ方向を向いている!」って感じる瞬間があって、それがすごく面白かった。
何よりも、一人だと不安なこともあるんですけど、ふたりだとその不安が「楽しさ」に変わる感覚があって。だから、コラボの話をもらったときは即答でしたね。「ぜひやらせてください」と。実際、今回のコラボレーションについても、まったく不安がなくて。うれしいと楽しいが自分の中で勝っていました。ひとりでやるよりも、不安がない。
──バースデーライブのときにも畠中さんが「山下さんのこの純な歌声、最高!」って言っていたのが印象的でした。
畠中:あの純度はどこから出てくるんだろう?と思うくらい、すごく純で、まっすぐ。でも、やっぱり「好き」っていう気持ちがあるからこそ、そういう純度の高いものが生まれるんだと思います。そうじゃないと、あの純度は出せないだろうなと。
山下:うれしいなあ。
畠中:歌を歌う目的って、人それぞれいろいろとあるじゃないですか。もちろん、“楽しい”でやってる人もいれば、スターとして輝きたいって気持ちを持って挑戦している人もいるし。だからこそ、声を通して伝わってくるものってたくさんあると思うんですけど……でも歌声から最も“好き”ってものがポーン!と伝わってくる。それってすごいことだと思っていて。これは芝居でも同じで、自分が心から好きでやっているからこそ伝わるものがある。だからこそ、自分も心が動かされる。そんな方とご一緒できるのであれば、ぜひぜひと。
──バースデーイベントの日、山下さんも「祐の声、すっごく好きだ!」と絶賛されていました。山下さんは畠中さんの声についてどんな印象をお持ちですか?
山下:お芝居のときと歌のときで、声の印象がすごく変わるというか、キャラが変わる感じが僕はしていて。
畠中:へえ!
山下:なんだろうな。歌になるとすごくソウルフルになるんですよね。
畠中:わ、嬉しい。
山下:なんだか外国っぽい雰囲気を感じるんですよね。彼の音楽を聴いていると「こういう音楽を聴いて育ってきたんだろうな」「こういう人生を歩んできたんだろうな」とすっと伝わってくるんです。そういう、彼自身の生き方がそのまま表れている感じがすごくいいんですよね。嘘偽りなく、まっすぐに音楽に向き合っているのが伝わるというか。
畠中:それ、めちゃくちゃ嬉しいなぁ(笑)。
山下:一緒にお芝居をしたり、歌ったりすると、すごく気持ちがいい空間になるんですよね。さきほどの話にもあった通り、いろいろなタイプのアーティストがいると思うんです。その中で「この場所が好き」「ここでみんなと一緒に楽しいことを作り上げたい」っていうスタンスの人と一緒にやると、そのエネルギーが何倍にも膨らむんですよね。まさにそういうタイプの人なんですよね。彼の声から、その想いがすっごく伝わってくるんです。だからこそ、一緒にやりたいなって思ったし、実際にこうしてコラボが実現して本当に嬉しいです。
畠中:いやいや、こちらこそですよ! 本当にありがたいです。
山下:そういう人と一緒になにかするときって、僕自身も自由に歌うことができるんですよね。とにかく楽しい。だからオファーをさせてもらいました。これからもめちゃくちゃ楽しみです。本当に、今回の声からもまっすぐな気持ちが伝わってくる。ただ、さっきも言った通り、最初はびっくりしたんですよ。あまりにキャラが違うから。「めちゃくちゃカッコいいじゃん!」って(笑)。新しい祐を感じました。ジャズとかブルースとか、そっち系の影響を感じるような歌い方をする時もあって。
畠中:ああ、でもまさにそれ。 小さい頃に聴いていたのがそれだったんです。
山下:やっぱりそうだよね。そういう音楽を聴いて育ってきたんだろうなっていうのが伝わってくる。そこも人間味があって良いなあって思うんですよね。強引に別の自分を見せるのでもなく、「こう歌おう」と無理に作るわけでもなく。「こう歌いたいから歌う」っていうナチュラルさがあるというか。
畠中:うん、それは確かにあるかも。
山下:僕はそれこそ、『ディズニー』がすごく好きで、日本語吹き替え版の音楽を聴いて育ったんですよ。だから、わりとドストレートな歌い方をしてるところはあるんですけども。
畠中:それこそ『ディズニー』っていう意味では、うちの父親(俳優・声優の畠中洋さん)も『ディズニー』の吹き替えをやっていて。だから、小さい頃は父親に怒られていたんですよ。
──えっ、なんでですか?
畠中:「ポップスだったらその歌い方でいいけど、ミュージカルの歌を歌うなら、それは“言葉”なんだから、そういうふうに歌うな!」って(笑)。だから、「じゃあミュージカルの言葉みたいにストレートに伝えないとダメなんだな」って思って、そっちの練習もしていました。だから、今の自分の歌い方には、その2つの影響があるんですよね。
山下:いや、それめっちゃいい話じゃん……! 僕は(畠中洋さん演じる)『ライオン・キング』のプンバァがすっごく印象的で。
畠中:ああ、父親がプンバァをまさにやってて。でも、でも、家で気持ちよく歌っているときにダメ出しされるのって、結構ショックなんですよ(笑)。しかも、ガチトーンで言ってくるんですよ。小学校4年生に対して「ミュージカルでその歌い方はないよ」って。まあ、結果的には感謝してますけどね(笑)。
──お二人はアプローチの仕方は違えど、どちらもまっすぐな歌声という意味では共通されているのかなって。
山下:ああ、そうかもしれないですね。マインドというか、歌を通して気持ちを伝えたい、届けたいっていう部分ではすごく共通してるなって思います。
畠中:うんうん。
──バースデーライブで「Hello」を歌われたあと、山下さんが「祐とはハッピーな曲を歌いたかったんだ」っておっしゃっていたのが印象的だったんですが、今回の「Go ahead!」も前向きな曲という印象があります。「Go ahead!」を歌うにあたって、「こういう曲をやりたいよね」といった話はされていたんですか?
山下:僕は、やっぱり前向きな曲がいいなって思ってましたね。せっかくだし、明るくて、光が見えるような楽曲がいいなと。お互いのスタンスにも合っている曲がいいなと思って。祐はもしかしたら知らなかったかもしれないけれども、実はいろいろと候補を出してもらったんです。
畠中:おお、コンペやったんですか!?
山下:そうそう。実は、5曲くらい候補があったんですよ。いろいろなタイプの曲があって、他の曲も魅力的だったんですけど、その中で一番キャッチーなメロディーを持っていたのが「Go ahead!」だったんです。なんというか、一番等身大の明るさに近かったんですよね。Aメロからサビにかけてのキャッチーな振れ幅がすごくわかりやすくて、何より疾走感があった。それで、「これだ!」って決めました。絶対、僕たちふたりが歌ったら映えるなっていうのが想像できたんです。ちょっとだけ、キーは高かったかもしれないけれども……(と、畠中さんを見る)。
畠中:あっはっはは!
山下:祐はなんでも歌えちゃうから「大丈夫っしょ!」って気持ちが僕の中であって、いけるでしょ!って。そしたら本当に歌えたっていう。
──素晴らしい……! 最初からこの高さだったんです?
山下:実は最初、もうちょい高かったんですよ(笑)。もともとのデモは女性が歌っていて。でも、それだとさすがに歌おうとするとちょっと聴き苦しくなっちゃう可能性があったんですよね。楽しさより一生懸命さが出そうだなと(笑)。
畠中:ちょっと下げてもらって良かった(笑)。
山下:だから、ちょっとキーを下げてもらったんですけど、その結果、めちゃくちゃいいバランスになったんですよね。ライブを想定して歌いやすいキーになったし、Dメロとかもすごく盛り上がる展開になっていて、本当にいい仕上がりになりました。最初のデモはワンコーラスだったんですけど、そこからどんどん膨らんで、最終的に「これは絶対ライブでみんなに歌ってほしいなあ」って思える曲になりましたね。めちゃくちゃ楽しい曲に仕上がったなって、大満足です!
──レコーディングはいかがでしたか。
山下:祐の歌声を想像しながら歌ったんです。でも、その想像を軽く超えてくる素敵な歌声が入ってきて驚きました。もう超ハマっちゃって、ほぼ毎日聴いてるかもしれない(笑)。
畠中:わかるわかる! 俺もめっちゃ聴いてるもん(笑)。いい曲ですよね、本当に。自分の歌った曲って照れくさくてすぐに聴けないってこともあるんですよ。でも、この曲は無条件に「いい曲だな」って思っちゃう。聴いてると励まされる。
シンプルに好きなんですよね。最初に曲を聴かせてもらった時から、理由はうまく言語化できないけど、「これ、好きだわ」ってなったんですよ。そういう曲ってありません?
山下:うん、分かる。
畠中:特にサビのメロディーラインが超好きで。キャッチーで爽やかだし、一発で耳に残るんですよね。それと、すごく前向きな曲でありながら、ただ明るくポジティブな曲ってわけじゃないのも良くて。歌詞の中には、自分を鼓舞するような瞬間もあれば、落ち込んでしまう瞬間もあって、全部ひっくるめて「等身大の自分」が表現されてる感じがする。だからこそ、すごく共感できる曲でした。
──たしかに、「明るさ」だけじゃない何かが詰まっている曲ですよね。
畠中:そう! そこも人間らしくて好きなんですよね。だって、誰しもずっと「ハッピー!」ってわけじゃないと思うんですよ。時には「なんでだよ!」って思う瞬間もあったり、「どうすんだよ!」って思うこともあったり。でも……「それでも楽しいからやってます!」っていう。そういうリアルな感情が入ってるのがいい。それこそ、山下さんもそういうところがあるんじゃないかなって。
山下:うんうん、そうかも。むしろ、そういう気持ちがあるからこそ、ハッピーな瞬間が際立つんですよね。苦しいことがあるからこそ、それを乗り越えたときの喜びってめちゃくちゃ大きくなるし。例えば、学生時代、部活でライバルに追いつけなかったり、いくら頑張ってもレギュラーになれなかったり……そういう経験って誰しもあると思うんです。
でも、だからこそ誰かの辛い気持ちに共感できたり、人に優しくなれたりするんじゃないかなって。そういう人たちと一緒に掴み取る「何か」って、めちゃくちゃ価値があるものになると思う。それって生きていく中での、心の活力になるものになるんじゃないかなって。そういう意味でも、この曲ってすごく今の時期にぴったりなんじゃないかなと思っています。
──春は出会いと別れの季節ですね。
山下:そうなんですよね。いろんな想いが交錯している今だからこそ、この曲がすごく合うんじゃないかなって思うんです。最近はみんなネットに夢中になりすぎて、大切なことを忘れがちになってる気がするんです。
畠中:うんうん。
山下:でも、こういう曲があることで、「大切なもの」を思い出せるきっかけになったらいいなって思いますね。



























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