猫はもちろん可愛い。でもこの作品の魅力は猫だけではない！　『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』クナギ役：水中雅章さん・アラタ役：川島零士さんが語る“猫好き”が織りなす真面目で独特な世界観【インタビュー】

監督・三池氏がユーモラスに引き出す「役者の魅力」

──「シリアスな状況ではあるものの、可愛い猫がたくさん出てくる」という独特な世界観を持っている作品ですが、演技における本作ならではの難しさは、どのようなところなのでしょうか？

水中：やっていることはガチでも、見え方はギャグになりますから、自然と笑ってしまう作品だと思います。なので「ウケを狙いに行かない」ことが大事だなと考えていました。

「これって真面目にやるから面白いよね」というニュアンスは、本作に関わったキャスト全員が理解していたことだと思います。その話数限定のゲストの方も、目指している方向が一致していたので、演じていて面白かったです。

川島：たしかに。全員、笑いを取りに行っていなかったですね。みんなが真剣に大声を出して、一生懸命叫んでいて。

──アフレコ中に、笑いそうになることはありませんでしたか？

水中：心の中では笑ってました（笑）。その回で猫になっていくキャストの方々は、本当に「その日限りで猫になる」というテンションで来ていたと思います。もちろん我々も必死に作中世界を生き抜くわけですが、突貫するような姿勢で来ている彼らとの温度差が面白かったです。

水中：あとは、総監督兼音響監督を務める三池（崇史）さんの収録の仕方が特殊だったんですよね。普通はAパート終わりまで一気に収録することが多いのですが、三池さんはシーンごとに丁寧に収録するんです。ディレクションも回数を重ねるごとにどんどんユーモラスになっていって……。

川島：うんうん。

水中：今までいただいたことのないような言い回し……“三池さん節”といいますか。「そんな考えもあるのか！」と思わせられるような言葉がいくつもありました。映画の監督歴も長いからこそ、役者の魅力の引き出し方が上手なのかな、と感じましたね。

完成した映像を見て、「だからあのようなディレクションだったんだ」と納得しました。想像していたよりもホラーチックで、展開もスピーディー。そして緩急があるなと思いました。

──最後に、本作の見どころや注目ポイントを教えてください。

川島：物語を楽しんでいるだけで、日に日に猫への愛情が深まってしまうような作品になっています。エンディング後のCパートなどでは、猫を飼っている人も飼っていない人も、どんどん猫に詳しくなって、猫と作品にハマる構成になっていると思います。ぜひ楽しみにしていただきたいです！

水中：みんなが真面目に生き抜いているがゆえ、結果的にギャグになっているのがこの作品の面白さのひとつだと思います。その中に猫ちゃんの可愛さやドラマもあって。

“ニャンデミック”の中で「どのように生き抜くか」という目的はみんな一緒なので、自然と人間関係も肩を並べて歩くようになるんですよね。結果として、敵がいないんです。この点も、本作が持つ魅力なのではないかと思います。

川島：みんな猫が好きですからね。

水中：そうそう。変な争いが起きていないんだよね。

視聴者のみなさんも、まるでこの世界の住人になったように、あるいは映画の中に入ったかのように感じていただけるのではないかと思います。僕もアフレコを通して、その没入感に圧倒されたので、ぜひ集中して楽しんでいただきたいなと思います。

【文：平田特異点　インタビュー：鳥谷部宏平　撮影・編集：西澤駿太郎】

『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』作品情報

放送情報

7月7日からテレ東・ＢＳテレ東・アニマックスほかにて順次放送

配信情報

7月6日（日）23時00分からABEMAプレミアムにて地上波1日先行配信
7月8日（火）からABEMAにて無料配信（最新話を無料配信）
各種配信サービスにて7月10日（木）0時00分から配信

イントロダクション

逃げろ、可愛い猫が来た。

20XX年、世界は猫に支配された。
猫に触れた人間を猫に変えてしまうウィルスにより、全世界で”ニャンデミック”が発生。
人々は猫にモフられ、次々と猫になっていく。
果たして人類は猫に触りたい誘惑に抗い、猫だらけの世界を生き抜くことができるのか。

すべてが猫になるｰｰ。衝撃のサバイバル・ネコメディ開幕！

スタッフ

原作：ホークマン/メカルーツ「ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット」（マッグガーデン「月刊コミックガーデン」「マグコミ」連載）
総監督：三池崇史
監督：神谷智大
シリーズ構成：入江信吾
キャラクターデザイン：牧孝雄
音楽：遠藤浩二
オープニングテーマ：「CAT CITY」THE YELLOW MONKEY
エンディングテーマ：「Matatabi」WANIMA
アニメーション制作：OLM
企画・プロデュース：ソニー・ピクチャーズエンタテインメント/スロウカーブ
製作：ニャイリビ製作委員会

キャスト

クナギ：水中雅章
カオル：上田麗奈
アラタ：川島零士
ツツミ：芹澤優
レン：木村昴
マサキ：中島ヨシキ
タニシ：安元洋貴
ガク：竹内良太
グランマ：宮寺智子
ケイスケ：興津和幸
スオウ：種﨑敦美
ミツル：鶴岡聡
コウジ：中博史
ガンスリンガー：森川智之
ラストサムライ：？？？
翻訳機：玄田哲章
ナレーション：千葉繁