コウセイの人間らしさと成長の“余白”。ソラトとの関係性、共に戦う「メテオカイジュウ」のドラマにも注目ーー『ウルトラマンオメガ』ホシミ コウセイ役・吉田晴登さんインタビュー

コウセイの人間らしさと成長の“余白”

ーーコウセイは面倒見が良く、自然と人を助けるために動ける青年だと思います。吉田さんから見たコウセイの印象について教えてください。

吉田：やりたいことを模索している中で、必ずしも善意だけで動いてるわけじゃないところが現代の若者らしいなと。第1話で「目の前で助けることができなかったら、自分が後悔する」と言っていましたけど、そういうところが妙に人間っぽいというか、リアリティを感じます。

そんな現代の若者が、第3話で力を手に入れて、日常から非日常に変化していくわけですけど、そこからどう成長していくのか、徐々にヒーローとしての自覚が芽生える過程は、観て欲しいポイントですし、僕自身も一生懸命考えて作り上げました。

ーー優しいコウセイだからこそ、ソラトや「メテオカイジュウ」は懐いている気がします。彼らを惹きつける魅力は、どんなところにあると思いますか？

吉田：やっぱり一番は優しさじゃないでしょうか。最初にソラトと出会ったのが悪人だったら、地球は大変なことになる気もしますよね。

目の前で困っている人がいたとして、見て見ぬふりをしてしまうこともあると思うんです。正義感溢れる真っすぐな心の持ち主だったからこそ、ソラトや「メテオカイジュウ」も信頼してくれているんじゃないかなと思います。

ーーコウセイの役作りで意識していることはありますか？

吉田：これだけ長く作品に参加することも、一つの役を全うする機会もあまりなかったので、障害にぶつかった時にどう乗り越えていくのか、またどう成長していくのか。コウセイの成長が作品を通して見て分かるよう「余白」を残すことをすごく意識していました。

第4話「爪痕の謎を追え」は、コウセイが「自分が必要とされてない」と感じて、ちょっとすねてしまうエピソードでした。作品全体の脚本をいただいた時、第4話はコウセイが大きく成長するポイントだと思ったんです。

ーー台本は一度に全話分渡されるんですか？

吉田：最初にある程度全体のストーリーが分かる仮台本をいただきました。プロットもいただいたので、物語の大枠みたいなものは分かっている状態でした。

話数の多い作品だからこそ、コウセイの成長ポイントも第4話だけじゃないんです。やっぱり人間なので、間違って、その分学習して、成長していくところが今後の話にもあります。

ーー武居監督とのやり取りの中で印象に残っていることも伺いたいです。

吉田：武居監督はウルトラマン愛にあふれる方ですし、長年ウルトラマンシリーズに携わられているので、ビジョンをお持ちなんです。何かあればすぐカメラ前まで来ていただいて、直接お話していただきました。僕らキャスト陣は、特撮の撮影の経験が少なかったので、武居さんを信頼してついていくだけでしたね。

ーー撮影現場の中で、「ウルトラマンならでは」だと思うことはありましたか？

吉田：撮影ではレキネスや怪獣の姿は見えないので、事前に怪獣のデザインだけ見せていただく感じでした。どんな動きをしているのかは、自分たちの想像でやるしかないので、今までの経験値が試されます。「想像力を解き放て！」じゃないですけど（笑）。

だからこそ、僕たちも色々なアイデアを持ち寄って、撮影現場に行きました。それを武居さんも尊重してくださって、テストから大きく変えるみたいなことは少なかったです。加えて、ソラト役の近藤頌利くん、アユム役の工藤綾乃さんとも、お互いに「こうしてほしい」と言い合える関係だったので、そういったやり取りをしながら作っていく感じでした。

ーーソラトとのバディ関係も作品のポイントだと思いますが、近藤さんとはどんなお話を？

吉田：第1話のソラトは、かなり宇宙人みが強くて、人間っぽくない感じのお芝居だったんです。コメディ的な演出もある作品にもなっていると思うので、その辺りで僕の方が引っ張ってテンポ感を生み出すことは意識していました。例えば「このテンポだと少し遅いんじゃない？」とか、常にやり取りを重ねながら、ソラトとのお芝居を作り上げていったんです。第2話以降は、仲良くなっていく過程を見せたかったので、徐々に心をひらいてる方にシフトしています。