
「オメガが記憶取り戻したらどうなるのか」が一番難しいテーマ――『ウルトラマンオメガ』メイン監督・武居正能さんインタビュー
2025年7月5日(土)から、テレ東系6局ネット発、世界同時期放送&配信中のシリーズ最新作『ウルトラマンオメガ』。
ヒーローも怪獣も存在しない地球に、突然「ソラ」から落ちてきた宇宙人「オメガ」。それまでの記憶を失ったオメガは、「ソラト」と名付けられた地球人の姿で、初めて触れ合う生き物「地球人」を理解しようと、興味津々に人々を見つめます。
時を同じくして、地球に次々と出現する巨大生物「怪獣」。ソラトは、赤き宇宙ブーメラン「オメガスラッガー」をシンボルに持つ「ウルトラマンオメガ」に変身し、シャープでパワフルな戦いを繰り広げます。宇宙人と地球人の関係性を通じて、「ウルトラマンがなぜ地球を守るのか?」に迫る意欲作です。
アニメイトタイムズでは、メイン監督の武居正能さんにインタビューを実施! ゾヴァラス、ヴァルジェネスアーマーのこだわりや、宇宙観測隊の設定について語っていただきました。
ゾヴァラス人間態・新田健太さんのキャスティング
ーー武居監督が担当された第14話では、ゾヴァラス人間態の新田健太さんとソラトのアクションも印象的でした。新田さんをキャスティングした経緯をお聞かせください。
武居正能監督(以下、武居):キャスティング担当、プロデューサーと話していた時に「セリフは宇宙語だから、アクション重視で決めましょう」と。そこでJAE(ジャパンアクションエンタープライズ)さんにお声がけさせていただきました。そしたら「新田さんはどうですか?」と。僕も新田さんとは初めてなんですけど、JAEさんが言うことは間違いないので、彼に決めたという経緯です。
基本的にアクションって受け方が上手だと綺麗に見えるんですよ。近藤君は舞台の経験もあって、アクションの訓練をしていることも知っていたので、尚の事受ける人が上手い方がよく見えるだろうと。結果的には怪獣の声まで新田さんにやっていただきました。
ーー第15話より登場する「ヴァルジェネスアーマー」のこだわりについても伺いたいです。
武居:「レキネスアーマー」「トライガロンアーマー」は肩や足に片方だけアーマーが付いているんです。一方の「ヴァルジェネスアーマー」は左右対称に付いている。一番強いアーマーだからこそ、足や手、胸や肩にも装甲が付いているというコンセプトになっています。
もちろん発端としては、おもちゃとの連動があって作品に携わる方たちとの協議の中で「どういう武器や生物だったらできるかな」というところからです。
ただ、僕は最強のフォームの武器が「剣」というのはもう飽きたんです(笑)。はじめは「剣がいい」と言われましたけど、最後はもっとデカく、分かりやすくしたかったんです。そこで鳳凰のような鳥から連想して、槍みたいな武器で翼を広げてそれを振り回すイメージを考えました。
過去にもいますけど、実は長物の武器を持ったウルトラマンは多くないじゃないですか。ダイナミックに振り回せる武器であれば、ヒーローショーでも力強く見えると思うんですよ。例えば、三国志の強いキャラクターが、長くて太い武器を振り回すのは定番ですよね。まずは説得力を狙いたいというところがありました。





































