
音楽、そしてアニソンに真剣に向き合っていくMADKIDの展望ーー『DIGIMON BEATBREAK』のOPテーマ「Mad Pulse」インタビュー
2025年10月から放送中の『デジモン』シリーズの最新作『DIGIMON BEATBREAK』のOPテーマ「Mad Pulse」を収録したMADKIDの最新シングルが好評リリース中!
「Mad Pulse」はこれまでの『デジモン』シリーズのOP曲としては新機軸のソリッドな楽曲。ワイルドな歌声とサウンドの中に、今の若者たちへに問いかけるようなメッセージが散りばめられているほか、これまでと異なるアプローチで制作されたMVも注目です。
カップリング曲「Silence Shatter (feat. ナノ)」は、2025年の北米ツアーをきっかけにコラボが実現。意表を突いたミディアムなロックナンバーに2組の熱い想いが込められています。
もう1曲のカップリング曲「We Go」はメンバー全員による作詞曲。これまでを振り返りつつ、未来を見つめながらファンへの感謝の気持ちが詰まった感動ナンバーです。
今回、MADKIDのメンバー5人に初の日曜朝アニメのタイアップを担当することへの決意、「Mad Pulse」のメッセージやサウンド、MVについての解説、更にカップリング2曲も紹介していただきました。
社会の仕組みの中で感情をうまく出せない葛藤を歌った刺激的な曲に
――まず今回OPテーマを担当される『DIGIMON BEATBREAK』をご覧になった感想をお聞かせください。
YOU-TA:日曜日の朝に放送されるアニメのタイアップ曲を担当させていただくのは初めてなので、とても嬉しかったです。
アニメのオープニング映像では「Mad Pulse」のイントロと共にナレーションが入って、そこから歌と一緒に歌詞のテロップが流れてきたのが日曜朝のアニメっぽくていいなと思いましたし、すごくワクワクしました。そして夜や廃墟っぽい場所にキャラクターがいたり、街の感じも今っぽいし、僕が子ども供の頃から観てきた『デジモン』シリーズとはまた少し違うなとも感じました。
――主人公のトモロウはルールに縛られるのが嫌いで、斜に構えがちな性格、しかもドラムが好きという今までの『デジモン』シリーズにはいないタイプの主人公だと思います。
YOU-TA:ただ人となじもうとしないのではなく、抱えている闇の大きさを感じさせるところが興味深いキャラクターですね。
――OPテーマを制作するにあたってアニメの制作サイドから何かリクエストはあったのでしょうか?
LIN:意見交換などのラリーを何度もさせていただきましたが、その回数は今まで携わってきたタイアップの中で一番と言ってもいいくらいです。綿密にやり取りを重ねることがとてもいい経験になりましたし、僕らも納得できる楽曲ができました。
あとトモロウたちの感情の機微がこの作品の重要なところだと思いましたが、僕らは既に大人になっているので、思春期ならではの苦悩や葛藤などの感情を理解して、表現する難しさも感じました。でも僕らなりに真剣に向き合うことで、いい曲ができたかなと思っています。
――「Mad Pulse」というタイトルの由来を教えてください。
LIN:実はこのタイトルに決まるまで何度か変更しています。「Mad」というワードは制作サイドの方から提案していただいて、サビでも叫ぶようなワードとして使っています。
――最初に曲名を知った時、自分たちのグループ名の一部をタイトルに入れるなんて気合が入っているなと思っていました(笑)。
LIN:実は変に意識して僕らから避けていた部分もあったので、嬉しい提案でもありました。
歌詞の内容は、思春期が終わる頃、社会の仕組みに揉まれながら葛藤する想いや、自分の気持ちを素直に出せないという感情を、自分の経験も踏まえながら、そして今の子たちはどう感じているのかを想像しながら作りました。
――人生はうまくいかないことのほうがむしろ多いものですが、「痛み抱いても 止まらずに刻み続ける鼓動」や「戸惑いすらも従えて歩んでいくんだよ」、「退屈な常識壊しその先へ」など、思春期の人だけではなく、今を懸命に生きる人たちに刺さる言葉がたくさんありますね。
LIN:ありがとうございます。歌詞を書くにあたって、プロットを読ませていただきましたが、AIに管理された社会の中で人間はどう生きていくべきなのかを考えさせられたし、今という時代が色濃く反映された作品だなと思いました。作品から感じたことや想いも自分なりに反映しています。
――サウンドはMADKIDらしい激しさとスピード感がありつつ、高低と静動のギャップがカッコいいし、OP曲らしいキャッチーさもあります。
LIN:僕らがいつもお世話になっているpw.aさん、Yuka Niiyamaさんに作っていただきました。久しぶりに生の楽器をふんだんに使っていて、僕らの曲を聴くのが初めてという方も普段から聴いてくれている方にも刺激的な曲になったと思います。
シンプルなワードを選んでストレートに
――今までMADKIDが手がけてきたアニメタイアップはターゲットの年齢層が中高生より上の作品が多かったと思いますが、この作品は小学生前後の方も観ているので、MADKIDらしさをどこまで出せばいいのかというバランスが難しかったのでは?
LIN:そこは制作中も常に頭の片隅にありました。例えば「このワードは小さいお子さんたちにどういう伝わり方をするだろう?」とか。でも楽曲のパワーに助けられながら、「この勢いだったらこれは歌っても大丈夫そうだな」と思ったり、制作サイドの方と協力しながら作っていきました。
――以前、「Resolution」のインタビューで、LINさんが「『聴きやすさとは?』とか『カラオケで歌いたくなる曲とは?』みたいなことも考えたことがありました」とおっしゃっていましたが、この曲は低学年のお子さんから大人までカラオケで歌いたくなる曲になっていると思います。
LIN:アニメのOPを観たり、先行配信で聴いてくださった方からの反響が届くまでは「大丈夫かな?」とドキドキしていましたが、皆さんから好評の声をいただいてホッとしました。今回は作詞も含みのない、シンプルなワード選びを意識したことが大きいかもしれません。いつもならダブルミーニングになる言葉を選んだりしがちだけど、今回はそういうものは極力排除したことで、皆さんの心にストレートに届いたのかなと思っています。
SHIN:『DIGIMON BEATBREAK』の放送直後に、「何気なく聴いたらMADKIDだった」という反応をしてくださる方が多かったのも嬉しかったです。
――AXCEL(MADKIDファンの呼称)の方たちも、すごく喜んでくださったのでは?
SHIN:今まで応援してきてくれた皆さんにも喜んでもらえていたら嬉しいです。幼少期の頃はあまりアニメを観ていなかった僕でさえ、『デジモン』シリーズは知っていたくらい、大きな作品ですし、そんな作品に自分たちがOP担当という形で参加できたのは感慨深いものもあります。
これまで『盾の勇者の成り上がり』や『ハイガクラ』などいろいろなアニメのOP曲を担当させていただいた積み重ねがにつながって、これまで僕らの曲を聴いたことがなかった新しいリスナーの方たちと出会えたと思っているので、これまで僕らと関わって、支えてくださった皆さんにも感謝しています。
――「Mad Pulse」のお気に入りポイントや聴きどころなどご紹介をお願いします。
YOU-TA:これまでのタイアップ楽曲の中でフェイク(原曲のメロディやリズムを変えたり、強調して歌うこと)を結構入れたり、一番攻めている曲と言ってもいいかもしれません。すごくエモーショナルな曲になっているところがオススメしたいポイントです。
LIN:自分がテーマとして掲げていたのはトラディショナルなアニメらしい歌詞と僕ららしさの融合でしょうか。例えば2サビで「摩天楼呑み込むCloudy rain」という歌詞がありますが、「摩天楼」という懐かしい言葉と「Cloudy rain」という英語のギャップを出していたり、サビの後半の歌詞は特に気に入っています。
SHIN:僕が歌うパートはリズムを意識して歌っているのでそこに注目してほしいです。あと「揺らがないBaseline の上でRec」や「Metronome 取っ払う 一度きりこのJAM」など音楽にちなんだ歌詞が多いのもこの曲の特長の1つかなと思います。そして頭のシンガロングはライブでみんなと合唱したいです。
KAƵUKI:今LINが挙げた「摩天楼呑み込むCloudy rain」は僕が歌っていますが、リズムや歌詞のハメ方が難しくて。その後の「リンクしてリズムヨレたって」という部分も苦戦しました。あと個人的にはこれまでのタイアップのロックな感じとは違う、力強いガナリ声を出していますが、新たな発声方法が見つかったという手応えを感じたところでもあります。
YUKI:『DIGIMON BEATBREAK』ではAIがフィーチャーされていますが、プロットを読んだ時、「正解は簡単に見つけられるけど、自分の血が通った答えにするかどうかは自分次第だな」と考えさせられました。歌詞の中にも「リンクして リズムヨレたってグルーヴにしちゃえば良い」と入れたように、ラップもスタンダードに歌うのではなく、メロディに惹かれたまま、感じたままやったほうがいいのかなという想いで、いつもとは違う書き方になっています。
――そして2コーラス目はラップパートから始まるのもMADKIDらしいですね。
LIN:僕はロックが好きでよく聴きますが、そのバンドが担当しているタイアップ曲はOPや映像で使用されている1コーラスが終わった瞬間、いつも以上にやっていることがよくあって。僕もそういうのが好きで、今回も狙ったわけではないけど自然とできたのかなと。リスナーの方に「おお!? こうくるか!」と思ってもらえたらいいですね。
MVはアニメのOPと奇跡の一致!?
――MVはライブシーンがメインの映像になりました。
YOU-TA:リズムが特徴的な曲なので、バックバンドやファンの方にも参加していただいて実際のライブっぽい見せ方をしています。今までたくさんのMVを撮影していただいていて、僕らが信頼している監督さんにお願いしたので、MADKIDらしさ全開の映像になっています。
――迫力のライブシーンから始まって、たくさんのマイクに囲まれながらメンバーそれぞれが歌うシーン、そしてダンスも観られて、MADKIDの魅力が詰まった映像でした。
YOU-TA:ありがとうございます。僕らにとってダンスという武器がありますが、こういうロックっぽいサウンドに負けずに自分たちの個性を出せるのも僕らの強みなんだなとこのMVで再認識できたし、他のグループにはできない見せ方ができたんじゃないかなと思っています。
――そしてライブパートではお客さんもいて、かなり盛り上がっていましたが、あの方たちはエキストラですか?
KAƵUKI:僕らのファンの皆さんにご協力いただきました。普段、僕らのライブに来てくださっている方だからこそ、あの熱さや一体感が出せて、いいMVに仕上がりました。皆さんにとても感謝しています。
YOU-TA:このMVを観ていただければ僕らが今、どんなライブをしているのかも感じてもらえると思います。
















































