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- 藤崎萌恵
- 大阪府在住のライター。数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。

吉澤要人さん(原因は自分にある。)&雨宮 翔さん(GENIC)がW主演を務める、ドラマDiVE『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』が2026年1月12日深夜より放送スタート。
原作は、第15回BLアワード2024ラブコメランキング第5位受賞作品、ろじ先生の同名BL漫画(月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊)。“親友の「同棲して」に「うん」て言うまで”の1ヶ月間を描いたピュアな恋物語です。
吉澤さん演じる横井 湊と雨宮さん演じる中乃 航は、高校時代に「写真」という共通の趣味を通じて親友に。2人の出会いから再会までの10年を映し出したドラマ第1話には、学生時代の“親友”ならではの空気感と、いつしか“恋心”を抱くようになっていた両片想いの予感も入り交じっていました。
友情と恋愛の狭間に立つ湊と航。かけがえのない存在である2人の中にあるのは、“ずっと隣にいたい”という想い。ひとつひとつの瞬間を大切に紡いでいく映像、2人で過ごした時間の積み重ねが愛おしくて、きっと何度も愛でたくなるはずです。
そんなドラマ『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』第1話のレビューを早速お届けしていきます。
高校の同級生である横井 湊(吉澤要人さん)と中乃 航(雨宮 翔さん)は、写真をきっかけに仲良くなり、大学時代はルームシェアをしていました。しかし、大学卒業と同時に湊は就職のため北海道へ。同居は終わりを迎え、2人で過ごした思い出の詰まった部屋にひとりポツンと佇む航は、「好きだったんだ」と湊への恋心を自覚します。
“好き”の気持ちを封じるようにして3年が過ぎた頃、地元の写真館で働く航のもとに湊から着信が。湊は本社への異動で地元に帰ってきたのだといいます。親友でいようと心に決めていた航でしたが、湊に会えると思うと嬉しさを抑えきれず。再会した2人はあの頃と変わらず、笑いを交えて語り合っていました。
その帰り道、唐突に「俺と同棲して」と告げる湊──。ここから、止まっていた2人の時間が再び動き始めるのです。
ドラマの始まりは高校時代の湊と航の出会いから。他人に「こわい」という印象を持たれたり、「何を考えているか分からない」と思われがちな湊ですが、航から見た湊は違います。航は湊が撮った写真を見て「お前の写真が好き」だと言い、湊が自分の周りにいる人を大切に想っていることに気づき、湊が持っている良さを褒めていました。
自分の気持ちを言葉で上手く伝えることが苦手な湊にとって、写真は自身の気持ちを投影する特別なもの。だから航の言葉がこの上なく嬉しかった。知り合って間もなく湊が一緒に写真を撮りに行こうと航を誘ったのもその証です。ほどなくして湊は航に懐くようになり、いつしかゼロ距離になるほど2人は仲を深めていきます。
吉澤さん演じる湊は、凜としていて落ち着きのある話し方に居心地の良さも。言葉は少なくとも、内側には航への静かなる強火を灯しています。航から大学の試験に合格したら一緒に部屋を借りようと提案され、「同居したら毎日会える」と言われてよほど嬉しかったのか、「その手があったか」と口にした満面の笑みの破壊力が全てを物語っているかのようでした。
一方の雨宮さん演じる航は、透明感のある陽だまりのような笑顔や朗らかさが原作の航そのもの。実際のところ航が内心バクバクで強めにトキめいているシーンでは、漫画的な動きではなく溢れそうな感情を抑え込みながらリアルに体現しており、それでいて一挙一動が可愛い。信念はあるけど揺らぎそうなところがまた魅力で、放っておけなくなります。
マイペースな湊と愛くるしい航の解像度が高く、吉澤さんと雨宮さんが醸し出す雰囲気の良さもあり、学生時代の親友ならではの空気感が絶妙。さらに、このドラマが愛される理由は原作を重んじる脚本にもあり、原作を慎重に組み替えて時系列で整えつつ、行間を描いたドラマオリジナル要素は湊と航の感情を掘り下げた見事な仕上がりに。
原作では再会時のみの「ちょっと失礼」のハグをドラマでは別れのシーンでも描いていたり、そのまま間近で見つめ合ったり。北海道へと発つ前の“離れがたい”想いが際立ち、何か言いたいのに言えないわずかな口元の動きや、親友におさまりきらない感情を内包した視線に釘付けになります。
映像の質感も相まって心地良さに包まれるようなドラマで、高校時代の煌めき、写真に残した思い出、一緒に過ごした部屋に時の流れを映し出しており、別れのシーンを境に、2人が社会人となった現在とのコントラストを生み出しています。
出会いからもうすぐ5年という頃、一緒に暮らす部屋で初めてのビールを飲みながら、湊は「10年目も一緒に祝おう」「10年目も隣にいる」と航に告げていました。
その言葉通り、ずっと続くと思っていた湊との時間。だけど就職で湊が去り、残された航が自覚したのは恋心でした。
距離ができてちょうどよかった。ずっとそばにいたらきっと好きになるのを止められなかった。そんなふうに航は自分の気持ちを閉じ込めていましたが、出会いから10年目となった日、湊が隣にいないことに寂しさを拭いきれません。心のどこかで湊からの連絡を待ち続け、全神経をスマホに向けてしまう気持ちは、自分にも身に覚えがあるので痛いほど分かります。
そこへ湊からの着信で「ちょっと会えない?」「ダメ?」との誘いが……! 実は湊にお願いされると弱い航ですが、この反則級に可愛い「ダメ?」に抗えるはずもなく。友達だと自分に言い聞かせながらも、嬉しさを隠しきれず足取りは弾むように軽やか。親友のままでいたいのに、その恋心は手に負えないほどになっていました。
再会して「ちょっと失礼」と前置きした湊は、航に再びハグ。別れの時とは全く違う感情で、会えなかった時間を取り戻すかのように、噛み締めるように。あの時の幼さが少し残る2人から、社会人となった姿には大人っぽさも。
ハグされて驚きつつも湊の背中をポンポンしてあげる航があまりにも航で、ふとした瞬間に見せるお兄さん味が心をくすぐってきます。(誕生日でいうと航は7月20日、湊は12月21日生まれなので実際に航の方が少しお兄さん。)
「10年目 やっぱり隣にいた」
「やっぱりお前の隣いいな」
食事をしながら交わすこの会話には、久しぶりなのに久しぶりだと感じないほど、あの頃と変わらない楽しさが。お互い“ずっと隣にいたい”相手だということを再認識した瞬間だったのでしょう。
だからこそ航は湊との友情が大切だと改めて考えていますが、湊はというと、この後驚くべき発言をします。離れてみて航の存在の大きさに気づいた湊にとって、募りに募った想いが「俺と同棲して」の言葉でした。
“ずっと隣にいたい”気持ちが高まりすぎたからなのか、もう二度と離れたくない焦りからなのか。「好き」より先に、いきなり「同棲して」と告げるのが何とも湊らしいですね。
“好きだから付き合いたい”VS“好きだから友達でいたい”
本作は、“親友の「同棲して」に「うん」て言うまで”の1ヶ月、対話していく湊と航を描く物語。突然「同棲して」と告げられた航は、いつか終わる“恋人”という関係ではなく、ずっと続く“親友”のままでいることにこだわります。
航にとって湊の存在は失いたくない唯一無二の親友ゆえに、恋人になることに抵抗してなかなか「うん」とは言いません。だけど湊は、真っ直ぐな言葉と行動でぶつかっていきます。こうして友情と恋愛の間に立たされるのですが、相手を大切に想う気持ちと、どんな時でも一緒にいたいという願いは2人とも同じなのです。
ろじ先生の作品は優しさと誠実さに溢れていて、目の前のことに向き合って歩み寄って、相手を知ろうとする愛情が心にじんわりと染みわたります。湊と航の攻防があまりにも可愛いので、ぜひ原作もお手にとってみてください。
◆『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』試し読みはこちら
ちなみに、ろじ先生の3作品『ぼくのパパとパパの話』『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』『できれば愛をつづりたい』は、同じ世界を描いています。
2026年1月10日より、待望の続編「同棲編」1話の単話配信がスタート。親友同士の“同居”とは違う、恋人として“同棲”をする湊と航の姿が。こちらも併せてご堪能ください。
◆『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』 2【単話版】(1)試し読みはこちら
| 作品名 | 親友の「同棲して」に「うん」て言うまで |
|---|---|
| 放送形態 | 実写ドラマ |
| スケジュール | 2026年1月12日(月)~ 読売テレビにて |
| キャスト | 横井湊:吉澤要人(原因は自分にある。) 中乃航:雨宮翔(GENIC) 汐入公平:中山翔貴 海老名桜一郎:平木幹太 藤沢多緒:小方蒼介 中乃美帆:真瀬樹里 白洲頼人:古屋呂敏 横井毅:ベンガル |
| スタッフ | 原作:『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』(ろじ/月刊マガジンビーボーイ連載/リブレ刊) 監督:船曳真珠 のむらなお 岸田雅喜 脚本:森野マッシュ 乾夏実 本田七海 音楽:坂東邑真 製作:『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』製作委員会 制作プロダクション:レプロエンタテインメント |
| 主題歌 | OP:「NOW」原因は自分にある。 ED:「オレンジ色の恋空」Straight Angeli |
