
今この時間はすべてを忘れて、一緒に寄り道してもらえますように──ReoNaさんが豊島区の子どもたちへお歌を届けるAOM presents Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」をレポート
「なぜ歌手になろうと思ったんですか?」
中盤のMCでは、ステージメンバーを紹介したあとにトークコーナーへ。ReoNa自身も「普段はこういうことをライブで聞かないんだけど……」と前置きしながら、小学生、中学生、高校生、そして保護者や大人の観客へと順に呼びかけていく。客席には、ReoNaのお歌を受け取る人も、ライブという場所そのものが初めてという人も多いようだ。
子どもの日にちなんで、ちまきや柏餅の話題で和ませる場面もありつつ、観客の質問に応えたり、逆にReoNaが質問したりという、これもまた普段のライブではなかなかない時間も。
マイクを渡された観客からは、「飼っている3匹の猫の中で、誰が一番好きですか?」「なぜ歌手になろうと思ったんですか?」「自分の曲の中で一番好きな曲は何ですか?」といった直球の質問が寄せられた。
歌手を目指したきっかけを語った一幕では、ReoNaは自身の幼い頃の思いを交えながら「こんな未来で今日この日を迎えられているなんて、ちっちゃい頃の私は思っていなかった」と語った。その回答は、今何かを胸の内にしまっている子どもたちにも届くものがあったと思う。
「さっき猫ちゃんの質問をしてくれた人がいたんですけど、みんなのおうちにも、ちっちゃい家族、猫ちゃんとか、ワンちゃんとか、いろいろな動物がいる人もいるかな」と客席へ語りかけるReoNa。自身の家にも3匹の猫がいることに触れながら、何を考えているのかわからないときも、甘えてくれるときも、その小さな存在に日々癒やしをもらっている。
そして、自分の中の嫌なところ、苦手なところ、弱いところも、猫という愛おしい存在に重ねることで、少しだけ優しく包んでもらえるような気がすると語り、そこから、学生にとっても馴染み深いであろう「恥の多い生涯を送ってきました」という語りから「猫失格」へ。楽曲は軽やかに弾み、会場には自然とハンドクラップが広がっていく。MCで濃密にコミュニケーションを取ったあとということもあってか、会場の一体感はいっそう増していた。
ここで、自身が掲げる“絶望系アニソンシンガー”の原点について語ったReoNa。頑張って、頑張って、それでももう頑張れないときに「頑張れ」と言われることのしんどさ。そんなときに欲しかったのは、「そうだよね」「わかるよ」「しんどいよね」という共感や頷き、寄り添いだったと振り返る。
自分では言葉にできない心の内側を代わりに言葉にしてくれる歌やアニメに寄り添われ、救われてきたからこそ、今度は自分がそうした歌を届けたいと語り「unknown」へとつないでいく。今を賢明に生きる人たちに〈あなたらしく生きられないとしたらそれは優しいあなたのせいじゃない〉と歌う。ひとつひとつの言葉をそっと置いていくように歌っていたのも印象的だった。
そして「至るところに落ちている悩みごとも、頭の中をぐるぐる巡るいろいろな想いも、きっと、きっと、遠い、広い、宇宙から見たら、ちっぽけな、ちっぽけな、たったひとつ」と、壮大なバラード「芥」へと進んでいく。




























