音楽
アニメイト主催 Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」終演後インタビュー

「ひとりぼっち」のみんなが集まったら、ひとりぼっちじゃない──ReoNaさんが語る、Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」=寄り添い合う道の原点。そしてこれから【ロングインタビュー】

<生きてりゃいいのよ>という言葉の温度

──後半には「unknown」も。楽曲披露の前に「もう頑張れないって時にほしかったのは、“そうだよね”“わかるよ”“しんどいよね”という共感や頷き、寄り添いだった」というお話がありました。名前のつけられなかった感情に言葉が与えられることで、救われる瞬間はたくさんあるように思います。

ReoNa:これから自分の未来を紡いでいく人たちに、「こういう選択肢もあるんだよ」と伝えられたらいいなと思います。私は、感情の内訳を細かくすることがすごく大事だと思っていて。

例えば、すごくしんどいことがあった。友だちと喧嘩した。通りすがりに、ひどいことを言われた。……そういう大きなショックがあったときに、それが怒りなのか、悲しみなのか、憎しみなのか、劣等感なのか。その内訳を知るためにも、言葉の選択肢はあったほうがいいと思うんです。自分の感情に名前をつける言葉が、ReoNaの歌の中にもし見つかってくれたら、それによって、最悪の表現は避けられるのかもしれないなって。

私自身も、これまでアニメや音楽、自分のお歌を紡いでいく中で出会ったクリエイターさんの言葉に、自分の心へたくさん名前をつけてもらってきました。だから同じように、同じ気持ち、同じ経験、同じ思いを抱えている人にとって、ReoNaの歌がそういうものになってくれることも、きっとあるんじゃないかなと思います。

──「ライフ・イズ・ビューティフォー」も、本当にこの日だからこそ強く響いたように感じました。<生きてりゃいいのよ>という、あのメッセージが輝いていたなと思います。

ReoNa:「よりみち」をどんなふうに締めくくりたいだろうと考えたときに、「ライフ・イズ・ビューティフォー」だなと思いました。「ライフ・イズ・ビューティフル」と言えなくても、「ライフ・イズ・ビューティフォー」だったら言えるような気がするというか。まさに、「生きてりゃいいのよ」なんです。

「生きていてください」でもなく、「生きていなきゃ」でもなく、<生きてりゃいいのよ>。あの言葉の温度感は、「よりみち」を締めくくるのにぴったりだったんじゃないかなと思います。

 

「桜」が共通点

──ステージには、アニメイトが運営するクラウドファンディングサービス「ソレオス」で作ったデフォルメラバーフィギュアやお花もあって、ReoNaさんの好きなものや、この企画に関わるものに囲まれている感じがありました。

ReoNa:ステージの上からも、ReoNaとアニメイトさんと豊島区さんが一緒に作っている、ということがすごく感じられたと思います。アニメイトさんと一緒に作ったデフォルメラバーフィギュアもそうですし、豊島区さんとReoNaの共通点として、豊島区の花がソメイヨシノなんですよね。私は、アーティストとしての生まれがSACRA MUSICで、アニソンシンガー・ReoNaのふるさとは、勝手にアニメイトだと思っているんです。そんな“ふるさと”の豊島区さん、アニメイトさんと一緒にできたということを伝えられるステージにできたらと思っていました。

──「ReoNa -よりみち-」のロゴも印象的でした。やさしい色合いで、桜だけでなく、猫の足跡のモチーフも入っていましたよね。

ReoNa:最後の最後まで、松原さんが調整してくださっていて。肉球のサイズ、猫の足跡の並び方など、細かいところまで一つひとつお話ししながら作ってくれて、「ReoNa -よりみち-」への愛をすごく感じました。セットリストにも、もちろん松原さんの思いがたくさん入っていて。どういう順番で届けたらいいか、この「よりみち」という時間をどう作っていくか、本当に最後まで一緒に考えてくださっています。

実際に日が近づいてきて、具体的に「じゃあ、曲を決めていこう」となったときに、「その曲は年齢的に少し難しいかもしれない」とか、逆に「音の楽しさとして、この曲は入れたほうがいいんじゃないか」とか、本当にいろいろな意見が出てきて。今回は小学生から高校生までの方が対象で、親御さんもいらっしゃる場でしたし、ReoNaのライブでありながら、「ReoNa -よりみち-」の第1回として、どういう曲を届けるのがいいのかすごく考えました。

──そのセットリストにしかり、今回の「ReoNa -よりみち-」は、「よりみち」がテーマでありながら、この数年のReoNaさんの歩みそのものが、ぎゅっと濃縮された時間でもあったように感じていました。

ReoNa:新しい試みでもありつつ、まさにこの数年歩んできた道のりでもあると思います。実はもっと前から始まっていたことなのかもしれないけれど、ここ数年で気づくことができた道。最近、自分の道の振れ幅が広がってきた感覚があるんです。

いつしか思った「絶望のグラデーション」と同じように、人との関わりの中にもすごくグラデーションがあるんだなと感じていて。最近は、その色濃い時間を過ごさせてもらっている気がします。

──そのグラデーションは、ちなみに今、何色なんでしょう。

ReoNa:何色なんですかね。でも、結局私のことだから、そんなに色鮮やかではないと思うんですけど。でも最近で言うなら、赤から紫、青みたいなグラデーションが多い気がします。まさに動脈、静脈のような色というか。

──ぴあアリーナMM公演2daysの前に、「ReoNa Live Tour 2026 “De:TOUR-動脈-”」「ReoNa Concert Tour 2026 De:TOUR-静脈-」、そして『ReoNa動脈・静脈プロジェクト』もスタートしていますね。なんだか、アニバーサリーイヤー以上に忙しくなるような……?

ReoNa:ありがたいことに、まだまだこれから世の中に出ていく未来の約束がいっぱいあります。「置いてきたものを、ちゃんと届けきれた」と思える年にしたいなというのが、今年の残りの目標になるくらい、まだまだいっぱいあって。

──まっすぐ大きな場所へ向かうのではなく、「まわりみち」をしながら進んでいくところにも、ReoNaさんらしさを感じます。実はそのまわりみち=“De:TOURという言葉の生みの親は、松原さんなんだとか……?

松原:はい。実は「よりみち」も、そこからつながった言葉でした。

ReoNa:今回のCheer Concertのタイトル案もいろいろ考えたんですけど、最後にたどり着いたのは、「よりみち」、いちばんシンプルで、いちばんしっくりくる言葉でしたね。

──「まわりみち」の横にある「よりみち」は、ReoNaさんにとっても、来られる方にとっても“ただいま”と言える場所になっていくのかもしれませんね。この「ReoNa -よりみち-」は、これからどう育てていきたいですか。

ReoNa:全然決めていないんです。まさに「よりみち」なので、毎回まったく同じ形でなくてもいいと思っています。「今回は少しテイストを変えて、こうしてみようか」というふうになってもいいなと。将来的に絶対こうしたい、というよりは、やりながら、たゆみながら、まさに寄り添い合う道として育っていけばいいなと思っています。

「ReoNa -よりみち-」はReoNaのライブだけど、ReoNaだけのライブではなく、アニメイトさん、豊島区さん、そして遊びにきてくださる皆さんのものでもあるので。実際に遊びに来てくださった方々の中に「こうしたらいいんじゃないか」という意見があったら、教えていただきたいです。「このチームじゃないとできなかったよね」というところに最後たどり着けたら、それが、ひとつ夢としてあります。普段はできないような、「よりみち」だからこそできることも、いずれやっていきたいですね。

松原:主催として企画する側からお話しすると、あまり“企画性”のようなものを前に出しすぎてしまうと、参加してくださる方に何かを強制する形になってしまうと思うんです。もちろん、一緒になにかをやるという楽しさもあると思うのですが、「これをしてください」「こう受け取ってください」と提示しすぎると、このイベントの趣旨から少し離れてしまう気がしています。

そのため、あくまで、それぞれの方が自分の歩幅で受け取れる余白を大事にしたいと思っていました。その“ちょうどいいライン”を、これから模索していきたいと考えています。

──これからの「ReoNa -よりみち-」の景色も楽しみです。

ReoNa:第1回として「ReoNa -よりみち-」をやったことによって、これからの展望も見えてきた気がします。いろいろな場所での経験や出会いが、歌作りやライブ作りに帰ってくるんです。「シマユイあまみ」もそうですけど、「ReoNa -よりみち-」をしたことによって、ReoNaがこれから歩む道にも、きっと変化が出てくるかもしれないですし。いろいろなところで、いろいろなことをしたことによって変化していくReoNaの歩みも、楽しんでいただけたら嬉しいです。

[取材・文/逆井マリ 撮影/中井智久]

リリース情報

12thシングル「Amore」

▼初回生産限定盤(CD+BD/2,640円〈税込〉/VVCL-2948~9)

 
 
▼通常盤(CD/1,650円〈税込〉/VVCL-2950)

 
 
▼期間生産限定盤(CD+BD/2,200円〈税込〉/VVCL-2951~2)

 
 
[発売日]2026年7月22日(水)
[発売元]SACRA MUSIC

[初回生産限定盤内容]
・Disc 1(CD)
1.「Amore」
2.「結々の唄」
3.「心痛」
4.「Amore -Instrumental-」
5.「結々の唄 -Instrumental-」
6.「心痛 -Instrumental-」

・Disc 2(BD)
1.「Amore -Music Video-」
2.「結々の唄 -Music Video-」

[通常盤内容]
・Disc 1(CD)
1.「Amore」
2.「結々の唄」
3.「心痛」
4.「Amore -Instrumental-」
5.「結々の唄 -Instrumental-」
6.「心痛 -Instrumental-」

[期間生産限定盤内容]
・Disc 1(CD)
1.「Amore」
2.「結々の唄」
3.「それは魔法でした」
4.「Amore -TV ver.- 」
5.「Amore -Instrumental-」
6.「結々の唄 -Instrumental-」
7.「それは魔法でした -Instrumental-」

・Disc 2(BD)
1.「Amore」Music Video - ReoNa × TVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』Rough Sketch -
2.TVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』第2弾PV

[期間生産限定盤特典・仕様]
あおのなち先生描き下ろし『きみが死ぬまで恋をしたい』イラスト三方背ケース仕様&ミニポスター封入

★12thシングル「Amore」楽曲クレジット
「Amore」
(TVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』オープニング主題歌)
作詞・作曲・編曲:Pan(LIVE LAB.)

「結々の唄」
作詞:宮嶋淳子、ReoNa 作曲:荒幡亮平 編曲:小松一也 Strings Arrangement:宮野幸子(SHANGRI-LA INC.) 奄美三味線・チヂン:城 南海

「心痛」
作詞・作曲・編曲:Pan(LIVE LAB.)
※初回生産限定盤、通常盤に収録

「それは魔法でした」
作詞・作曲:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 編曲:Ryo'LEFTY'Miyata
※期間生産限定盤に収録

[アニメイト特典]
オリジナルポストカード

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