
「ひとりぼっち」のみんなが集まったら、ひとりぼっちじゃない──ReoNaさんが語る、Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」=寄り添い合う道の原点。そしてこれから【ロングインタビュー】
アニメイトAOM制作室が主催し、ReoNaさんが全面協力するAOM presents Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」が、2026年5月5日(火・祝)、アニメイトシアターにて開催された。
“絶望に寄り添う”をテーマに歌ってきたReoNaは、なぜ今、子どもたちや学生たちへ歌を届けたいと考えたのか。第1回公演を終えたばかりのReoNaに、“よりみち”の時間を振り返りながら、「ReoNa -よりみち-」に込めた想いやライブで感じた手応え、そしてこの場所をこれからどう育てていきたいのかを聞いた。
ライブ翌日ならではの温度感も、彼女の言葉の端々から感じてほしい。さらに、同席していたアニメイトAOM制作室の松原正泰プロデューサーに、企画に込めた想いや今後の展望についてのお話も。この“よりみち”で、これからどんな景色が生まれていくのか、その歩みにもぜひ期待してほしい。
「よりみち」の原点は、実はずっと前にあった
──終演後に、AOM presents Cheer Concert「ReoNa -よりみち-」を企画した松原プロデューサーから「この企画は、ReoNaさんがライフワークとして続けていきたいと話している」というお話がありました。そもそも今回の企画は、どのような想いから生まれたものだったのでしょう?
ReoNaさん(以下、ReoNa):実は「ReoNa -よりみち-」のお話をいただくずっと前から、こういうイベントをやってみたいと思っていました。ReoNaとして活動を続けていくなかで、「unknown」など、「こういうお歌が自分の学生時代にあったらよかったな」と思えるものが少しずつ増えていった感覚があって。
自分の過去に寄り添ってくれるようなお歌ができてきたからこそ、せっかくなら、今まさに学校生活の中で悩んでいる人たちに届けられる機会を作れないだろうか、という話を松原さんにさせてもらっていたんです。
──今回の「ReoNa -よりみち-」につながる思いは、かなり前からReoNaさんの中に芽生えていたものだったんですね。
ReoNa:はい。そこから時を経て、これまでCDのリリースやイベントなどで一緒に歩ませていただいていたアニメイトさんとなら、いつか話していた種を、今なら咲かせられるのではないかなと改めて思いました。ただ、ReoNaのことをまだ知らない人、音楽にあまり触れてこなかった人、ライブに足を運んだことのない人たちと、どうすれば出会えるのだろう、という思いもありました。
そもそも情報の入り口に触れる機会が限られている中で、どうすればその入り口を作ることができるのか。そういったことを考えていたときに、豊島区さんが“エンタメの街”として、学生の方や小さな子どもたちにさまざまな体験の機会を届ける取り組みに、とても積極的であると伺って。そこで今回の企画のピースが、ぴたりとはまった感覚がありました。
普段ライブに触れる機会がない人、初めてライブを観る人、ReoNaのことを知らなかった人にも、「こういうお歌があるんだ」「こうやって心の内側を表現することができるんだ」と感じてもらえる場所になったらいいなと思っていました。お歌に共感してくれることも、逆に「いや、自分はそんなことないけどな」と思うことも、すごく尊い体験だと思うんです。
──そう思います。背中を押すのではなく、手を引くのでもなく、「迷ってもいいよ」「立ち止まってもいいよ」と伝えられるのは、“絶望系アニソンシンガー”であるReoNaさんだからこそだと思います。改めて、今のReoNaさんにとって「寄り添う」とは、どういうものになっていますか。
ReoNa:「シャル・ウィ・ダンス?」だったり、「結々の唄」だったり、ここ数年、改めて学生の方や、自分よりもひと回り以上も年下の子たちと触れ合う機会が増えているんです。
撮影の合間にこちらへ駆け寄ってきてくれた子が、「小学生のときに『ハッピーシュガーライフ』に出会って、ずっと聴いていました」と言ってくれたり。それこそ、奄美大島での「シマユイあまみ」に出演してくれた、学生団体「Annacoto(アンナコト)」のリーダーの子が、「隣の隣の席の子に、背中を撫でてもらったお歌が好きなんです」と言ってくれて。タイトルよりも先に、歌詞のメッセージとして受け取ってくれていたんですよね。
そのときに、ああ、お歌って、こちらが一方的に寄り添いにいくものではないんだなと思いました。受け取ってくれる人がいて、その人の中で言葉が生きてくれて、またそれを私に返してくれる。その瞬間に、私自身もすごく寄り添われているんだと感じたんです。寄り添うことは、寄り添われていることでもあるんだなと思いました。
──「寄り添うことは、寄り添われていることでもある」というのは、すごく大きな発見ですね。
ReoNa:本当にそう思います。寄り添うって、一方的なものではない言葉であってほしいという願いは、きっと口にし始めた当初からあったのですが……今あらためて、決して一方的なものではないんだなと感じています。
これまで「Lotus」だったり、「絶望年表」だったり、「SWEET HURT」だったり、自分自身の原体験に近いところにあるお歌を、クリエイターさんと一緒に作ってきて。ReoNaとクリエイターさんの間に重なる部分や、共感し合えるところ、心として寄り添い合えるところをお歌にしてつなげてきた。
そして、それを聴いて受け取ってくれて、共感してくれる人がいることも、すごく“寄り添い”なんだと感じています。お歌で「寄り添えたらいいな」と言いながら、私自身がすごく寄り添われているんだなと思います。
──そうやって矢印がお互いに向かっていく中で、「寄り添う」だけではなく、人と人とをつなぐような感覚も、近年のReoNaさんの活動から感じています。ReoNaさんご自身は、そのあたりをどう感じていますか。
ReoNa:たぶん私は、「ひとり」というものに、ずっと注目し続けてきたんだと思います。人はひとりである、ということ。紛れもなく、私自身という存在と、あなた自身という存在は、まったく別のひとりで。
心の内側をお互いに覗くことはできないし、言葉では何と言っていても、心の中でどう考えているかって、結局、完全に答え合わせをすることはできないじゃないですか。だからこそ、寄り添い合ったり、共通点を見つけ合ったりするのかなと思います。
あくまでも、ひとりひとりではある。でも、まったく別の存在であること、たったひとりであることを分かち合えたときって、ひとりぼっちではないのかもしれないなって。その言葉が自分の中で腑に落ちたのは、たぶん日本武道館でのライブ(『ReoNa ONE-MAN Concert 2023「ピルグリム」at日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~』)だったんだと思います。
──ああ、まさに当時のMCにもありましたね。
ReoNa:私自身も、本当にひとりで手探りでお歌を始めて、手探りで歩んでいく中で、出会った人がいて、聴いてくれた人がいて。たったひとり同士が集まって、「みんな、ひとりぼっちだよね」と言って集まっていることって、なんだか、独りぼっちじゃないなって。

































