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「おっさん剣聖II「」原作ノベル著者・佐賀崎しげるインタビュー

「片田舎のおっさん、剣聖になるII」原作ノベル著者・佐賀崎しげる先生インタビュー|ベリルとモルデア、双方が抱える想いを感じ取ってもらえたら

モルデア戦は、ベリルとモルデア……双方が抱えている相手への想いに注目

──そこから実際にアニメ化が決まった時の心境はいかがでしたか?

佐賀崎:担当編集の方から、何の前触れもなく他の業務連絡のついでのような形でアニメ化が決定したと連絡を受けました。本当に1本の電話のついでのような流れだったので、「今何て言ったの?」とベリルみたいなテンションになっていました(笑)。

──第一期が放送されたことで様々な方が作品に触れたかと思いますが、その反応はどのように受け止められましたか?

佐賀崎:とにかくたくさんの方にご覧になっていただけた感覚があります。もちろん肯定的な意見ばかりではありませんでしたが、賛否が分かれたということは、それくらい注目度が高かったのだろうなと思っています。たとえ評価が高く名作だと言われたとしても、知る人ぞ知るというところで収まるよりは良かった。

もちろん原作の立場から言えば賛否の賛の意見で埋まってほしいと思うのは当たり前ですが、その上で特に海外受けが良かったというお話も伺っていますので、そこはAmazonさんが頑張ってくれたのだろうなと思っています。

──先生からの目線で海外に受けた理由みたいなところは分析されていますか?

佐賀崎:おっさん主人公は日本では珍しいのですが、海外だとテンプレートみたいなところがあるじゃないですか。まずはその入口が良かったのだろうなということと、アニメスタッフのみなさんが頑張って、特に西洋剣術に向き合っておられたこと。おそらくこのふたつじゃないかという気がしています。

──先生自身は作品を執筆される中で、西洋剣術について調べたりされたのでしょうか?

佐賀崎:もちろん調べていましたが、それよりも僕自身がかなり長いこと武術、武道を習っていたので、身体の動かし方や手数といった部分は自分の経験から多少は書いています。

──第一期を振り返って気に入っているシーンもお教えいただければと。

佐賀崎:第12話「片田舎のおっさん、剣聖と呼ばれる」でのベリルとロゼの戦闘シーンです。ロゼは剣と盾の使い手なのですが、その動きがよく表現されていて、完成映像をみさせていただいた時から印象に残っています。

──アニメになったことで印象が変わったシーンはありましたか?

佐賀崎:基本的には小説からのアニメ化なので、自分の書いたものの味が変わることはいい意味でなかったかなと。ただ、小説でも要所に鍋島テツヒロ先生の挿絵が挟まりますが、アニメだと全てが絵になるじゃないですか。街並みや背景に関しては、自分の中の世界観をイメージしやすくなった気がしています。

ぼんやりとしたイメージではなく、バルトレーンはこういう街で、この通りはこうなっているというように、自分の中で絵として固定されたんです。おかげでそのあたりは描きやすくなったのかなと思っています。

──ベリルとミュイの親子関係が軸になっていった部分がありました。このあたりの物語の流れはいかがでしたか?

佐賀崎:良かったと思います。特に序盤のベリルは周りに引っ張ってもらって話を作っていく必要がありますし、小説ならそれでも構わないけれど、アニメには1クール12話で1話ごとに20分強の尺があります。かけられるリソースの中でカタルシスや次の物語への伏線を設定しないといけないので、原作をそのまま持ってくるのは難しい。

しっかり話し合いを重ねて綺麗な形にまとまったので、僕自身としても勉強になることが多かったです。このシーンにはこの台詞を入れたいと僕の方から要望したことがあって、脚本として読むならあった方がいいものなのですが、アニメにするならキャラクターの表情で見せた方が良いと言われたことがありまして。その出来事は非常に印象に残っています。

──先生の方からアニメ制作サイドにこれだけは絶対と要望していたことはあったのでしょうか?

佐賀崎:初期の顔合わせの段階で、「超人同士のバトルにはしないでほしい」「地に足の着いた達人を描いてほしい」とお話をしたと思います。アニメらしい演出が使えなくなり、相当苦慮されていたのではないかと思います。

──その中でも、今回の第二期で取り上げられる剣魔法のような要素もあります。これはどんなところから生まれたアイディアだったのでしょうか?

佐賀崎:一般的なファンタジー世界を描く前提の上で考えた時に、魔法が存在しない世界観はかなり厳しいだろうなという感覚がありました。なので、この世界観にも魔法は存在していることにしました。

その上でのキャラクターの広がりとして、魔法使いの弟子も登場させたいと考えました。ただし、メインは剣術指南役のおっさんなので、魔法をしっかり掘り下げるのではなく、魔法が使える剣術の弟子というキャラクター性をフィッセルの出発点にしています。

──アニメ第二期の序盤は、そんな剣魔法を扱う弟子であるフィッセルが活躍することがPVから見られています。このあたりのエピソードで注目してほしいポイントもお教えください。

佐賀崎:メインはフィッセルなので、彼女の成長が描かれていきます。また、ベリルが成長のきっかけを掴むエピソードにもなっています。ベリルはフィッセルたちほど若くないので、年齢的に体力が下り坂なのは当たり前です。だけど、その上で現在地を見定め、自分自身を少し見つめなおす瞬間があります。それが後々のエピソードにも細く繋がるので、心の片隅におきつつ機微を感じてもらえたら嬉しいです。

──その後、ベリルが父・モルデアと戦うこともわかっています。こちらについてはいかがでしょうか?

佐賀崎:ここまでのベリルは、自分が剣を教えた相手と対峙する機会が多かったと思います。ですがモルデアが相手となると、ベリルが弟子でありモルデアが師になります。そして、このふたりは親子でもある。双方がそれぞれに抱えている想いがあるので、アニメでそれを感じ取っていただけたらと思っています。

(C)佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ/ SQUARE ENIX・ 「片田舎のおっさん、剣聖になるII」製作委員会
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