声優
豊崎愛生 現役20年で講師として後輩の道標へ。OPALISで見つめた未来の仲間【独占インタビュー】

先輩ゼロの環境から始まり、今は後輩の道標へ。「好き」の力で第一線を20年走り続ける豊崎愛生さんが、初の講師体験で見つめた“未来の仲間たち”とミュージックレインの未来──『OPALIS』特別ワークショップを終えた豊崎さんに独占インタビュー

株式会社テンカラットと株式会社ミュージックレインによる合同発掘・育成プロジェクト「OPALIS(オパリス)」。

俳優・声優の、ジャンルの垣根を越えた新たな才能の発掘と育成を目指す本プロジェクトでは、オーディションに加え、第一線で活躍する表現者による特別ワークショップも開催されています。

今回、アニメイトタイムズでは、ワークショップ講師を務めた声優・豊崎愛生さんにインタビューを実施!

初めて講師として参加した感想から、「気持ち」を大切にするという先輩方からの教え、オーディションとの向き合い方、そしてミュージックレインが次世代へ受け継いでいきたいものまで、たっぷりと語っていただきました。

20年以上にわたり声優として第一線を走り続ける豊崎さんは、なぜ今も「好き」を大切にできるのか。そして、『OPALIS』を通じてどのような未来を想像しているのか。その真っ直ぐな言葉をお届けします!

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初のワークショップ講師を終えて

──まずはワークショップお疲れ様でした。素敵な90分間だったと思います!

豊崎愛生さん(以下、豊崎):ありがとうございます。これまでは受ける側としてワークショップに参加していたんですが、今回は初めての講師で。「まさか私がその立場になるとは……!」と思いながら臨みました。

いざ誰かに何かを伝える、教えるとなると、おこがましいというか。とてもじゃないけどできないなって思っていたんです。このインタビューをしていただくのも「私で良いのかな」と思ったり。他の先生方もいらっしゃる中で、私の回を取り上げていただくのもまたおこがましいというか。

ただ、「OPALIS」という、ミュージックレインとテンカラットさんが共同で開催するオーディションの一環というところもあって、何か力になれるのであれば、と思って今に至ります。

──初の講師ということでしたが、改めて今日を振り返っていかがでしょうか?

豊崎:今まさに俳優や声優を目指している、夢を追いかけている最中の方々がワークショップに参加してくれていたと思います。13歳から20歳まで、性別も経歴もバラバラの皆さんが集まってくださったことが、すごく嬉しかったです。

そこでお芝居について色々お話できる機会というのは、とても貴重だなと思いながら、私自身も勉強させてもらうような気持ちで参加していました。本当に皆さん魅力的で、個性豊かな方々ばかりで。率直に、楽しかったです。

──参加者の皆さんの後ろ姿を見ていても、最初は緊張されている印象があったんですが、どんどん前のめりになっていって。皆さんも楽しんでいらっしゃるのは、傍から見ていてもすごく感じました。

豊崎:そうですね。私は今回、特別講師という形で東京と仙台の2か所で行わせていただくことになっています。

いろんなワークショップの形があると思いますが、せっかく参加してくれるのなら皆がのびのびと、わからないことや知りたいことを聞きやすく、「参加してよかったな」と思えるものにできたらいいなという気持ちがありました。

だからまずは、私も含めて全員がリラックスするところからスタートできたらいいなと。

──今回、一貫して豊崎さんが参加者の皆さんに寄り添っている印象を受けました。ひとつひとつの言葉に対して、しっかり応答されていたのは「楽しむこと」や「リラックスすること」を大事にしたからこそだったんですね。

豊崎:やっぱりお芝居って、人柄や人間性みたいなものが染み出ていくものだったりするので、そういう部分が皆さんから出てくるといいなと思っていました。それを出すためには、やっぱり緊張しているとなかなか難しいと思うんです。自然体で話すことって、意外と難しい。

今日集まってくれた方は、お芝居や役者というものに興味があって、この「OPALIS」というプロジェクトに興味を持って来てくれているという共通点があります。だから、ライバルというよりは仲間というか。誰もが同じように不安もあるし、わからないこともたくさんあるし、でも同じ夢を追いかけている。それ自体がすごく素敵だなと。

誰が上手いとか下手とかではなくて、お芝居って人の数だけ正解があると思うので、そういうことも伝えられたらいいなと思っていましたね。

──豊崎さんご自身も「ミュージックレイン スーパー声優オーディション」での合格をきっかけにミュージックレインに入所されていますよね。

豊崎:そうですね。オーディションでは、事前に台本をもらって、そのセリフを、難しい顔をした大人たちがたくさんいる中で言う、みたいな(笑)。しかも、ライバルになるかもしれない候補生たちもたくさんいます。これって本当に度胸がいることなんです。なかなか経験できることじゃない。

今日来てくださった子たちがオーディションに進むかはまだわかりませんが、「人前で話す」「人前で演じる」「大人がたくさんいる場所で自分を出す」とか、そういう経験ってすごく大事だと思うんです。だから、このワークショップがそういう練習の場になればいいなと思っていました。

今後、「前にも豊崎のワークショップで自己紹介をやったな」「あの時より今回はもっと良くしよう」とか、皆さんの経験値になって、ステップアップの途中のひとつになれたらいいなと。

──ワークショップの中では、「遊び」という言葉も使われていました。

豊崎:繰り返しになりますけど、本当に勇気がいることなんですよ。知らない人や大人がたくさんいる中で、自分の言葉で自分のことを説明したり、自分の気持ちを言語化したりすることって、今後もすごく大事なスキルになっていくと思います。

今回はあくまでレッスンではなくワークショップなので、遊びみたいな楽しめる緩さもありつつ、そういう練習にもなったらいいなというのが、今回の目的のひとつでしたね。

「表現する」ということを体感して欲しい

──今回のワークショップは、一言の台本が配られ、参加者の皆さんが実際に演じてみる、というような「役作り」の実践が行われました。これは豊崎さんご自身が事前に考えられたんですか?

豊崎:スタッフの皆さんと相談しながら考えました。他の先生方がどんなことをされるのかも聞きながら、「自分がワークショップで伝えられることは何だろう」「感じてほしいことは何だろう」と考えて皆さんと相談しました。

もちろん、やり方はいろいろあると思うんです。皆さんからの質問も実は事前にたくさんいただいていたので、それに答えるだけでも90分使えるくらい。でも、やっぱり「楽しかった」という気持ちはもちろん、知らない人の前で急にセリフをしゃべるってどういうことなのか。その時、どんな気持ちになるのか。そういうことも全部体験してほしいなと思ったので、今回は簡単ではありますけど、実際に声を出してもらう形にしました。

──今回集まった10名の皆さんとしっかり向き合われていましたが、どのような印象でしたか?

豊崎:皆さん、とても緊張されていたんだろうなというのが伝わってきました。でも同時に、この時間の中でいろんなことをキャッチして帰ろうという意気込みもすごく感じたので、私もできるだけ誠意を持って、自分が思うことを伝えられたらいいなと思ってやらせてもらいました。皆さんの真っ直ぐさとか純粋さをすごく感じましたね。

──皆さんの緊張が少しほぐれてきた、ここから雰囲気が変わったなという瞬間はありましたか?

豊崎:一度、自分なりにセリフを読んでもらってから、気持ちが少しほぐれたんじゃないかなと思います。人前でしゃべるというだけでもすごく緊張すると思うので。それが終わって、自分のターンが終わるとほっとするじゃないですか。それこそ、自分だけじゃないというか。

初めて会う参加者同士で、「どんな人が来るんだろう」とドキドキしていた思うんですけど、同じことを皆でやってみると安心しますよね。「あの人も自分と同じくらい緊張しているんだな」と感じられるので。

そういうところから仲間意識みたいなものも芽生えると思うんです。短い時間ではありましたけれど、すごくいいチームができたんじゃないかなと思いました。

──皆さん、それぞれしっかりとした設定や場面を作っていましたよね。豊崎さんが「考えてみてください」とおっしゃったことに対して、ちゃんと反応して、自分なりのものを出されていて。

豊崎:そうですね。やっぱり俳優など演技のお仕事を志す方って、もともと想像力が豊かなんだなと思いました。結果的に全員、誰とも被らなかったんですよね。

もちろん「違うことをやってやろう」という気持ちもあったのかもしれないですけれど、それを自然にできるのはすごく大事なことだと思います。それも私にとっては発見でしたし、皆にも「表現の仕方って本当にいろいろあるんだな」と感じてもらえたら嬉しいです。

──皆さんに一度セリフを読んでもらったあと、次は豊崎さんからディレクションが入る、という流れがありました。声優という仕事を簡単に体験してもらうような意図も感じます。

豊崎:今日は簡易的に凝縮した形で、声優の疑似体験みたいなことができたらいいなと思っていました。

声優が実際に何をしているのか、現場でどういうことを考えて、どういうことを言われて声を出しているのかって、実際にやってみるのと、本を読んだりドキュメンタリーを観たりするのとではまた違うと思うんです。それを体験して、難しかったらそれでいいし、「面白かったな」と思ったらそれでいい。それぞれ自由に捉えてもらえたらなと思います。

どこにポイントを置いてこの仕事を説明するかって、難しいんですよね。実際、今回のように同じセリフを皆で読むとか、同じ役を複数人がやるのは本来あり得ないことで。だから体験会みたいなイメージではあったんです。

ただ、その中でも「お芝居の中で何を一番大事にしてほしいか」であったり、「何が求められて、どういうスキルが必要なのか」「自分には何が足りていないのか」といったニュアンスを少しでも伝えられたらと思ってやってみました。

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