
「ストレートには絶対にやらない」――『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ~ション』渡辺正樹監督が語る、“しんのすけらしさ”と家族の絆【インタビュー】
老若男女に愛され続ける大人気アニメ『クレヨンしんちゃん』。劇場版シリーズ第33作目となる最新作『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ~ション』が、2026年7月31日(金)にいよいよ公開を迎えます!
今年の夏休みは、ひろしの故郷・秋田でバケ~ション! 大曲の花火大会を楽しみに帰省した野原一家でしたが、ある事件をきっかけに人間が立ち入ることを禁じられた【妖怪の国】へと迷い込んでしまいます。そこで待ち受けていたのは、どこか懐かしくも奇々怪々な世界と、愉快な妖怪たちとの予測不能な大冒険でした。果たして、しんのすけたちは無事に人間界へ戻ることができるのでしょうか?
ちょっぴり涼しく最高にワクワクする「奇々怪々」な大冒険。そこには「知らないから怖い」という気持ちを乗り越えた先にある、種族や世代を超えた熱い絆が描かれています。アニメイトタイムズでは、映画の公開を記念して、監督・渡辺正樹さんにインタビュー。作品の制作過程を伺いました。
子供が大好きな王道の「妖怪」を
──今回の映画で「妖怪」をメインテーマに選んだ理由をお聞かせください。
監督・渡辺正樹さん(以下、渡辺):私の方から「妖怪をやらせてほしい」と提案したのがきっかけです。妖怪を選んだ理由は王道というか、本当に子供の好きな要素の1つだから。忍者や恐竜などと同じジャンルの1つですし、クレヨンしんちゃんの映画で妖怪を扱うことは今までなかったので、ぜひやらせてほしいとお願いしました。
──監督ご自身も妖怪がお好きだったのでしょうか?
渡辺:妖怪というか、怪談などを聞きながら仕事していることもあります。稲川淳二さんや島田秀平さん、三木大雲先生とか最高です。
──作業しながら怪談を聞かれるんですね。
渡辺:耳が空いているので(笑)。手と目は塞がってしまうため、耳からの情報しか入れられないんですよ。そういう意味でも怪談はいいですね。
──今作は妖怪というテーマに加えて、「夏休み」や「秋田の祖父母の家への帰省」といったシチュエーションが絶妙に掛け合わされています。
渡辺:夏休みの映画になることは決まっていて、双葉社さんからのアドバイスもあり、脚本の中村能子さんがまとめてくださった感じです。良い意味で偶発的というか、色々なところからアイデアが出て、最終的に今回の形になりました。
──またひろしや銀の介など、親子3代というスケールで家族の絆が描かれています。本作における家族の繋がりを、監督はどう描こうと思われましたか?
渡辺:『クレヨンしんちゃん』をやる以上、そこは避けて通れません。個人的にも「家族ってなんだろう?」と考えることがありまして、血筋や名前など色々考えましたが、やはり一緒に過ごした時間や記憶が大事なのかなと。しんのすけがひろしとみさえの「おしりだま」を探す展開は、記憶から家族というものを感じ取り、2人に導かれていくようなイメージで考えていました。
人間と妖怪は友達になれる?
──妖怪の世界は時が止まったような「レトロな雰囲気」で描かれています。妖怪周りの美術やルックの設計、そして人間界と妖怪の国の対比はどのように考えられましたか?
渡辺:物語上、60年前に人間界と妖怪の国は交流を閉ざしてしまいました。人間界の方は高度経済成長があり、90年代や2000年代にかけて環境問題が問われた時代だったと思います。もしかしたらその時代に「人間界が妖怪を感じられない、想像できない人が増えてしまったのではないか」と思って、その辺りを物語に絡めました。
──今作の鍵を握るキャラクター「やこ」についてもお聞かせください。作品全体を通して冷静に状況を見ており、頼りになる存在として描かれていました。
渡辺:人間界との交流が絶たれた原因をずっと背負っている設定ですから、最初は影のある少女という描き方をしていました。一方でしんのすけと出会うことでだんだん心が解きほぐされ、途中から友達になっていく。彼女の変化自体がこの作品の答えでもあるんです。「人間と妖怪って友達になれるじゃん」ということを描きたいと思いがあったので、その辺りでやこちゃんはだいぶ頑張ってくれました。
──「おしりだま」を取られて妖怪化するというユニークな展開ですが、それぞれのキャラクターが変化する妖怪のアイデアはどのように決まっていったのでしょうか・
渡辺:みんなでアイデアを出し合った感じですね。ひろしとみさえについては、私がラフを描いた気がします。長年やっているのでキャラクターの個性がしっかりと根付いていてありがたいですね。個人的には「裸眼覚醒」が好きです。

































