
BL漫画『プロの身代わり』原作者の水千丞先生メールインタビュー|身代わりをテーマにした作品の魅力は「あなたは私の顔を通して、いったい誰を愛しているのか」ということ
水千丞(シュイ・チエンチェン)先生による大人気中華BL小説『职業替身(職業替身)』の日本版コミカライズ作品『プロの身代わり』。ついに2026年10月19日にコミックス第1巻が発売されます。
小説が大人気で気になっている方も多いはず。連載も大人気で話題沸騰中です!
今回は第1巻発売記念として、貴重な水千丞先生へのメールインタビューを実施しました。先生の真摯なメッセージをご堪能ください。
心で繋がった友だちになれたら嬉しいです
──『职業替身』という物語が生まれたきっかけについて教えてください。
水千丞先生(以下、水千丞):「転生+二重の身代わり」という最高に素敵なアイデアを思いついちゃった。このインスピレーション、あまりにも巧妙で、切なすぎて、心が張り裂けそう……! この物語、絶対に形にしないと!
──本作では、「身代わり」という設定にいろんな意味が込められており、物語の展開に大きくかかわっています。なぜ「身代わり」というテーマにフォーカスすることにしたのでしょうか?
水千丞:「身代わり」をテーマにするのはウェブ小説ではかなり一般的で、私自身もいくつか読んだことがあります。このタイプの物語で最も胸が締め付けられるのは、「あなたは私の顔を通して、いったい誰を愛しているのか」という点でしょう。
他人を誰かの身代わりとして扱っていた人は、最終的にはその身代わりそのものを愛してしまうものですが、身代わりにされていた側は、もはや相手を信じられなくなってしまう。そんな互いのズレの中で芽生えた愛は深い苦痛を伴うため、切ない恋愛物語が好きな人にとっては、本当に魅力的なんですよね。
──七生先生によるコミカライズ『プロの身代わり』をご覧になって、どのような印象を持たれましたか? また、漫画ならではの表現で特に楽しみなポイントがあれば教えてください。
水千丞:『プロの身代わり』のコミカライズが本当に大好きです。私は幼い頃から日本の漫画をたくさん読んでいて、数えれば少なくとも数百冊は読んでいると思います。私の思春期を彩ってくれたそれらの素晴らしい作品たちは、私の想像力を豊かにし、創作への意欲をかき立てて、成長してから小説家になる大きな後押しをしてくれました。いつか自分の作品が日本の漫画市場で形になり、認めてもらえる日が来るなんて——とても嬉しく、光栄に思っています。
『プロの身代わり』のコミックをめくっていると、あの懐かしい作風、ネーム、コマ割り、セリフ回しに、まるで幼い頃に漫画を読んでいた頃へタイムスリップしたような気持ちになります。漫画という異なる形で私の物語を表現してくれて、爽やかな画風や、表情や仕草から伝わるキャラクターたちの豊かな感情表現が本当に気に入っています。創作チームの皆様の丁寧なお仕事に、心から感謝しています。
──タイで実写ドラマ『MY STAND-IN~身替わりの君~』としても映像化されましたが、実写ドラマと今回のマンガで先生がご覧になった印象の違いがあればお聞かせください。
水千丞:私の小説を原作とした改編作品(メディアミックス作品)とはいえ、もちろん大きな違いがあります。
まず一つ目は文化背景の違いです。改編作品(メディアミックス作品)は必然的に现地へのローカライズ調整が必要になります。タイドラマ『MY STAND-IN』は非常に素晴らしく高品質な作品で、ストーリーをできるだけ忠実に再現してくれました。ただ、感情のぶつかり合いが激しいシーンはややマイルドに処理されているようで、現地の視聴者があまりにも切ない展開を受け入れにくいことを考慮したのかもしれません。もちろん、コアな内容、特に二人の愛の葛藤はほぼそのまま残されており、観ている間にも何度も涙を流しました。
一方、コミック版はまだ物語の序盤なので、今後、愛憎の絡み合いや激しいコンフリクトをどう描いていくのか気になります。特に、翔が死んで転生し、明修に真実を知られる際のいくつもの見せ場——これらはとても楽しみです。できるだけ原作に近づけてほしいと願っていますが、もちろん制作チームの皆様が現地に最もいかした形を選んでくれると信じています。
二つ目は、実写ドラマと漫画のキャラクターという媒体の違いによる見え方や印象の大きな違いです。文字から漫画へ、そしてドラマへと、まるで一次元から二次元、さらに三次元へと変化していくような感覚があります。それぞれのメディアでプロセスが異なる表現方法が取り入れられ、そこには改編者自身の作品への認識や理解が込められています。それによって作品により多くのコンテンツと意味が加わり、読者や視聴者にも新たな観賞のポイントが生まれる——これはワクワクしますし、まさに改編(メディアミックス)の魅力と言えるでしょう。
──翔と明修は、非常に複雑な感情や過去を抱えており、どちらも翔の転生前と転生後でふたりの性格・中身の変化が大きい印象です。二人の注目してほしい魅力や、先生が好きなところを教えてください。
水千丞:あれほど胸が張り裂けるほど痛く、そして不思議な感情を経験した後、二人は大きく変化しました。この変化は、まさに「成長」と呼べるものです。
翔は優しく強く、誰にでも誠実に向き合う、隣のお兄さん的な主人公タイプで、周りの人みんなから愛され、彼こそが真摯な愛に値する人物です。一方、明修は序盤こそ利己的で幼く、お坊ちゃま気質もありましたが、成長していく中で愛し方を学んでいきました。二人の魅力は、ぜひ作品の中でじっくりと感じ取っていただけたらと思います。
──実写ドラマやコミックなどさまざまな形で世界に作品が広がっています。ご自身の作品が異なる国・言語・媒体を通して、多くの読者・視聴者に届けられていることについて、どのように感じていらっしゃいますか?
水千丞:私にとって、クリエイターとしてこれ以上ない光栄です。より多くの人に私の物語を読んでいただくこと——それが私の願いであり、夢でもあります。現在までに22冊の小説を執筆しましたが、そのうち多くの作品が中国から世界へ羽ばたき、出版やコミカライズ、ドラマ化、オーディオドラマといった様々な形で異なる国へと広がり、多様な言語で届けられています。私のすべての作品が『プロの身代わり』のように幸運に恵まれ、素晴らしい創作チームと出会い、優れたメディアに取り上げられ、より多くの国の読者や視聴者に愛されることを願っています。
──物語を執筆する際、キャラクターの感情や関係性を描くうえで大切にされていることはありますか?
水千丞:「一番大切にしていることは何か」と聞かれると、すぐに答えを出すのは難しいのですが、よく読者の方から「登場人物がとてもリアルで、現実にいそうな感じがします」とお褒めの言葉をいただくので、私はキャラクターに「生きている人間らしさ」を持たせることを大切にしているのだと思います。読者が物語に没入し、キャラクターの喜びや悲しみに心を動かしてもらえるように——そんな意識で書いています。
──2026年10月19日より、日本で『プロの身代わり』の単行本第1巻が発売されます。アニメイトではアクリルスタンド付きの限定版を販売しますが、特典のアクリルスタンドの感想を教えてください。また、今後販売してほしいグッズなどがあれば教えてください
水千丞:とても綺麗で、とても生き生きしていますね。私も早く手に入れたいです(笑)。特典版も楽しみだし、もっと多くのグッズも期待しています! この作品なら、きっとたくさんの人気商品が展開されると思います!
──最後に、楽しみにしている日本の読者に向けて、メッセージをお願いいたします。
水千丞:『プロの身代わり』のコミックをこんなに愛してくださり、本当にありがとうございます。中国に「文を以て友と為す」という言葉があります。この物語を通じて、直接お会いしたことはなくても、心で繋がった友だちになれたら嬉しいです。ありがとうございました!
『プロの身代わり』作品情報

中国の大人気作家・水千丞によるBL小説『职業替身』。タイで『MY STAND-IN~身替わりの君~』としてドラマ化され、日本でも大好評配信中。
その圧倒的な世界観と心揺さぶるドラマ性で多くのファンを魅了し、国境を越えて愛されている話題作『职業替身』の日本版コミカライズ『プロの身代わり』。
『プロの身代わり』は、繊細で美麗な筆致と情感豊かな表現力で読者を虜にする実力派漫画家・七生氏がコミカライズを手がけます。心震えるストーリーと極上の作画が融合した、日本版『职業替身』をぜひお楽しみください!
あらすじ
スタントマンとして働きつつ俳優スターを夢見る「清水翔(しみず しょう)」。彼はドキュメンタリー撮影のロケで土砂災害に遭遇し、崖から転落してしまう。目を覚ますと、同じ名前を持つ「清水翔」という別人の体として生まれ変わっていた。
崖から転落してから数年がたっており、困惑しつつも別人の体で生きることを決めた翔。しかし皮肉な運命のめぐりあわせで、自分が転落する前に体の関係を持ち、喧嘩別れした資産家の御曹司、「晏城明修(あんじょう めいしゅう)」と再会する。
そして翔は思い出す。自分を「身代わり」として扱い、死においやった晏城明修との過去を。
――俺はもう二度と、誰の「身代わり」にもならない。
著者情報
漫画:七生(ななお)
代表作『あかやあかしやあやかしの』『花ざかり平安料理絵巻 桜花姫のおいしい身の上』『今日、不良を拾う』など。
原作:水千丞(シュイ・チエンチェン)
中国BL文学界の至宝・水千丞。繊細な心理描写と緻密に構築されたストーリー展開で、中国のみならず世界中に熱烈なファンを持つ大人気作家。愛と葛藤、切なさと希望を巧みに織り交ぜた筆致は、多くの読者の心を掴んで離さない。
代表作『职業替身』『针锋对决』などは、圧倒的なドラマ性とキャラクターの深みで高い評価を獲得。いくつもの作品がドラマ化・翻訳され、国境を越えて愛され続けている。
唯一無二の世界観を描き出す、まさに現代中国文学界が誇るストーリーテラー。







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