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『ダイヤのA actⅡ Second Season』梶 裕貴インタビュー

「彼らだけの空間、真剣勝負が詰まっていたと思います」──アニメ『ダイヤのA actⅡ Second Season』第2クール 成宮 鳴 役・梶 裕貴さんインタビュー

 

青道キャスト陣も唸った梶さんの“キング”としての演技

──梶さんが成宮 鳴という役に出会い、これまで演じてこられて、大事にしている部分や意識する部分に変化はありましたか?

梶:演者の僕ら自身は、鳴たちよりももっと長い時間を経ていますからね(笑)。最初にアニメが始まったのが、もう10年以上前になります。僕としては20代から40代になっているわけで、やっぱり変化はありますね。

けれど、それがネガティブな変化だけにならないのが声優の面白さであり、魅力だと思うので。鳴の立ち位置と自分の経験値っていうのを、上手くはめ込んで表現できたらと思っていました。

とはいえ、やっぱりバランスが難しいというか、どっしりしすぎても多分違うし。少し鼻につく感じも含めて、軽快な部分っていうのはキープしなきゃいけない。

そういう意味で言うと、チューニングに苦労したわけではないですけれど、役者としてやれることが増えている分、より自分の中で取捨選択が必要だったのかなとは思います。

最初のシーズンからそうでしたけど、「俺がエースだ、俺がキングだ」という前提で鳴はいるので、自分も当然そのつもりでマイクの前に立たなきゃいけない。当時は先輩方もいらっしゃる中で、そのメンタルが、自分としてはすごく緊張したというか。ちゃんと「自分は強い」って思って立っていなきゃ、怖気づきそうにもなるわけです。

なので今回に関しては、当時から一緒にやってきた共演者の皆さんからしても、新しくこの現場に入った方々にとっても、「ああ、この人が成宮 鳴をやっているんだ」「キングと呼ばれる役を演じる人なんだ」と思ってもらえるような存在感が出せたら、という強い気持ちでやっていました。

──演じられる中での面白みや、楽しさといったものはありますか?

梶:台詞の捉え方にかなりバリエーションがあるなと。今回のシリーズに関しては、原作で受けた印象と、アニメで要求される演出が思っていたものと違う、ということもいくつかありました。

でも、どちらが正しいというわけではなくて。元々選択肢がある中で、自分の中での台詞の捉え方を、アフレコに際して色々と変えていくというのが、むしろ楽しかったです。「こんな球も投げられますよ」みたいな。

強気な表情をしているから、合わせて語気も強めるべきなのか、敢えて抑えるのか。モノローグの中でも、どうグラデーションをつけてゴールするのか。シリアス寄りなセリフを、あえてコミカルに言ってみるのか。どのセリフにピークを持っていくのか。そういった部分は、アフレコしながら肌感覚で探っていくような感じでしたね。

──中でも印象的なセリフはありますか?

梶:マウンドに立ってる時は、ほぼ全部が名言かと思います(笑)。鳴の心理描写がとても多いですからね。加えて、今回はリトルリーグで一也や稲実のメンバーたちと出会ったところが伏線として描かれていて、そこが胸熱でした。

そのエピソードが入ってくるからこそ、読者視聴者は、より熱いドラマとして受け取っていけるわけですけれど、僕としてはあくまで一線を引きつつ、そこは過去として、しっかりと自分の中に落とし込んでいく必要がある。「だからいま、一也に対してこういう思いがあるんだよな」という部分を大切にしました。現実の世界線で実現している、いまある稲実のチームメイトたちとの相互の信頼という部分を強く信じながら、感じながら演じていましたね。

 

「一也のアグレッシブさが無ければ」

──成宮といえば、エースナンバーを背負い続けてきた投手の一人ですが、本作における“エース”という存在を、梶さんはどういった存在だと捉えられていますか?

梶:色んなタイプのエースがいる中で寺嶋(裕二)先生は、よくぞ学校ごとに絶妙にカラーを変えて軸となる選手を生み出されているなと感じます。成宮 鳴というエースらしいエースもいれば、また違う形で支柱になっている選手もいるわけで。何がベストかはチームごとに違うし、そのチーム作りも、また監督によって変わってきますし。

鳴は本当にシンプルに野球が大好きで、ピッチャーという役割が大好きで。ただただ、もっと上手くなりたいんです。だから自然と好奇心とか研究心、探求心みたいなものが芽生えてくるし、それを隠そうとしないんだろうと。

稲実の場合は鳴が絶対的なエースなんですけれど、対する青道は継投が大きな武器の1つで。振り返ってみれば理想とか主義とか、もっと言えば人間性とかも全く違う沢村(栄純)と降谷(暁)が、最初は激しくぶつかり合っていましたよね。それが最終的に、絶対的な信頼関係に繋がっていくところは、単純にグッときますよね。

その中で鳴もそうですが、自分がエースだ、自分が救うんだ、自分が勝つんだっていう強い気持ち。やっぱりスキルとか、フィジカル以上に、メンタリティっていうのはすごく大事なんだろうなと感じます。だから受け手の心を震わせるし、みんなを応援したくなるドラマとなっているでしょう。

──ちなみに沢村と降谷はエースナンバーを数字として気にしていますし、背番号を貼り付けた時には二人とも気になって仕方がない様子でしたが、成宮は数字自体にこだわりはあると思いますか?

梶:あるんじゃないですか? 別にすごく深い意味がというよりも、どっちかって言うと子どもっぽい理由というか、「1番は俺だろ」っていう(笑)。誰に負けるとも思ってないから、当然1位で、1としか思ってないのかなって。

なので、今後どうなっていくんだろうとワクワクしますよね。高校を卒業して確実にプロになるでしょうし、近いうちにメジャーに行く可能性も高いんだろうなと考えると、そういうのを見てみたいなと思ってしまいますね。とはいえ、やっぱり『ダイヤのA』は、高校野球だからこその美学や興奮がある作品だとも感じています。

──因縁の対決もありますが、成宮と御幸の対決も見どころの1つだと思います。2人の関係性についてはどう捉えられていますか?

梶:かつては雅さん、そして今では樹というバッテリーが最善でなきゃいけないし、そう思っているわけですけれど。でも本来というか、運命のいたずらがなければというか…… 一也のいたずらなアグレッシブさが無ければ(笑)、間違いなく彼らがバッテリーを組んで、最強の稲実を引っ張っていたわけで。

出会った時からお互い野球が大好きで、「どうやったら強くなれるかな」というアンテナが、すごく似ている2人だったと思うんですよね。だからこそ波長も合っていたんでしょうし。けれど、そのうえで違う道を歩んでしまったがゆえに、こういう大事な場面でぶつかるわけです。ああ、もどかしい!(笑)

鳴としては「一緒にやりたい、やりたかった」という思いはありつつ、稲実としてぶつかる以上は「ほら見ろ」って思わせたい。一也にだけは負けない。負けたくない。負けられない。俺が正しかったんだっていうことを証明したい。という気持ちの強さは感じました。とにかく、彼らだけの空間、真剣勝負が詰まっていたと思います。

──前シーズン、東京選抜チームのエピソードでは、御幸と一時的にバッテリーを組むことになりましたが、あの時の成宮はどういった気持ちが大きかったと思いますか?

梶:そりゃワクワクしたでしょうね。普通であれば、高校在学中には起こらなかったことなので。今の自分の、離れてからの成長を見てみろ、って思っていたでしょう。むしろ周りが「わあっ!?」ってなりますよね(笑)。

当然ですけれど、今もお互いのスキルはものすごく評価していて、それは変わらないどころか、むしろ積み重なっている部分があるはずで。だからこそ一緒にやるとしたら、ワクワクしかしないんじゃないかなと。

 

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