『薄桜鬼 随想録 DS』主題歌「響ノ空」をリリース!吉岡亜衣加さんにインタビュー――「新曲では“泣いて歌ってるんじゃないか”って思わせるくらいの、歌いかたが出来たら良いなと思いました」
人気タイトル『薄桜鬼』のナンバーを歌う吉岡亜衣加さんが、薄桜鬼の最新作『薄桜鬼 随想録 DS』の主題歌となる「響ノ空」をリリースする。和風テイストのサウンドに乗せて"愛"という壮大なテーマの祈りにも似た深遠な感動を届ける今作をどんな想いを込めて歌ったのか、吉岡さんに訊いた。
●音楽と向かい合う時間が多かったという充実した2010年
──昨年の話からお伺いしていきたいんですけど、去年は怒涛のリリースラッシュで。まず3月に「散らない花」(DSゲーム『薄桜鬼 DS』OPテーマ)、4月に「十六夜涙」(TVアニメ『薄桜鬼』OP)、9月に「時の栞」(PSPゲーム『薄桜鬼 随想録 ポータブル』OP)、10月に「舞風」(TVアニメ『薄桜鬼 碧血録』OP)、11月に「風遙か」(PS2ゲーム『薄桜鬼 黎明録』OPテーマ)というシングルがリリースされて、さらに8月にはアルバム『夢花車』という。
吉岡:もう本当にリリースラッシュでしたね(笑)。
──(笑)今振り返ってみるといかがですか?
吉岡:たくさんのかたにちょっとずつ広まってきているのかなって。それだけ色々な方に聴いてもらえているっていう状況が嬉しいですね。
──でも、実際かなりお忙しかったんじゃないんですか?
吉岡:そうですねぇ……。これだけ出させていただいていると結構な頻度でレコーディングさせて頂いていたので(笑)。でも、レコーディングって非常に勉強になると言うか。普段は一人で練習するんですけど、レコーディングだとディレクターさんに"もっとこうしたほうが良いよ"っていうアドバイスをしっかりと頂けるので、たくさんの勉強をさせていただいたっていう感じがあります。あとはライヴも毎月あったので……。
──マンスリーライヴがあったんですよね。4月から9月の第二木曜日に渋谷Takeoff7で開催されたという。
吉岡:そうなんです。ワンマンで毎月やらせていただいてセットリストも毎回変えていたので忙しくはあったんですけど、音楽と向かい合う時間が多かったので凄く嬉しかったです。時が経つのが凄く早かった1年でしたね。
──今思い返して見ると2ndアルバム『夢花車』に関してはどんな印象がありますか?
吉岡:基本的な気持ちは1stと変わらないんですけど“こういう一面もあるんだよ”っていうことが出せて。盛りだくさんな感じでしたね。ライヴの主になる曲ではなくて流れを変えれる曲も増えてきたので、自分でセットリストを組むのも楽しいというか。 "あ、ここで歌いたいな"っていう曲が増えて、とても嬉しいです。
●「都内のイベントとはまた違う温かさがあった」という九州ライヴ
──そんな1年を経て、今はFIRST LIVE TOUR 2011「心(ここ)で逢いましょう」が始まっている状況なんですよね。
吉岡:そうですね。先月の終わりに赤坂(1/29赤坂グラフィティ)でライヴがあって、この間九州から帰ってきました。熊本(2/10 Slow hand)、福岡(2/13DRUM Legend)でライヴがあったんですけど、熊本は地方で初めてのワンマンだったので不安もありましたが都内のイベントとはまた違う温かさがあって。本当に“迎え入れてくれてる”って感じが初めてだったので、それが嬉しかったです。
福岡のライヴは熊本とはまた違う雰囲気で、みんな積極的でした。距離も凄く近かったし、自分の声が聴こえないくらいの大きさで自分の歌を歌ってもらって……熱く盛り上がりましたね。しかも、両方のライヴ会場で“また来て下さい”っていう声をかけていただいて、九州が大好きになりました(笑)。
そのツアーのライヴ中には“アニうた2010”にも出演させていただいて。あんなに大きな会場に出演させていただくのは初めての経験で……前日にリハーサルがあったんですけど、客席のほうに行ったらもう足がすくんじゃって(笑)。その時に初めて観る方も多かったと思うんですけど、温かくしていただいてライヴもとても楽しませて頂きました。バックバンドもついて頂いたので、自分でもテンションが上がってくるというか。色々な方が出演されていたので勉強させて頂きました。サイリウムも凄かったです。
──ところでブログを拝見させていただいたんですが1月にはグアムにも行かれたとか。
吉岡:はい、初めてスコールを経験しました(笑)。海が凄く大好きなので幸せでしたね。お買い物もいっぱいして、洋服もたくさん買って。向こうはパーティドレスが多くて、ライヴの衣装も買いました。最近私の周りで結婚式が多いので、そのドレスも(笑)。
●愛をテーマにしたニュー・シングル「響ノ空」
──では、シングルの話を聞いていきたいんですが、今回はDSゲーム『薄桜鬼 随想録 DS』OPテーマ、EDテーマが2曲収録されていて。お話を頂いた時はどんな気分でした?
吉岡:デビューも『薄桜鬼』だったので、『薄桜鬼』は物凄く思い入れがあるんですけど、今もこうして歌わせて頂いていることが心から幸せだなって。『薄桜鬼 随想録 DS』は元々PS2のゲームを移植したものなんですけど、前回も「花びらの刻」「空の鏡」で関わらせて頂いているのでその時のことを思い浮かべながら歌いました。その時は優しい気持ちで歌ったので、その気持ちも忘れず……。
──具体的にはどんなことを思い出しました?
吉岡:私もいちファンとして『薄桜鬼』は大好きな作品なので、プレイさせていただいてから“愛”っていう──ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)、愛って良いなぁって。温かいものなんだけど、時に辛くもあり、切なくもあり……そういうイメージが凄く膨らんだので、今回は"愛"をテーマにしたいなって。
──しかも、時代を超えての愛というか。
吉岡:そうですね。本編は時代にしっかり沿った話もあるので “命”を主において歌うことも多かったんですけど、『薄桜鬼 随想録』のほうは"愛"がテーマになっているので、そこを頭に入れながら。
──この曲自体をもらった時の印象はどうでした? 和風テイストの壮大な楽曲ですよね。
吉岡:冒頭に“追憶”っていう言葉あって……本当に、凄く壮大なイメージでした。でも、見ているのは一点というか……果てしないようなどこか近いような、矛盾があるような無いような、そんな曲だなぁと最初は感じたんですけど、“空”がテーマなので声を響かせたいという思いと、言葉ひとつひとつを丁寧に歌いたいという思いがありましたね。
──確かに、言葉によって凄く力強く歌われていますもんね。
吉岡:そうですね。繊細に歌うところもあるんですけど“乱れ舞う/情熱(ひかり)の迷路で”っていうところは凄く力強く歌わせてもらって。歌詞のひとつひとつ歌い方を変えたりもしました。
──例えば"“そっとそっと”っていうところは凄く切ないですもんね。
吉岡:ああ、そうですね。ここは本当に語るような感じで歌いました。
──実際レコーディングはいかがでしたか。
吉岡:儚さも出しつつ……デビューさせて頂いてからレコーディングも少しずつ多くなってきて、“こういう歌いかたもできるようになった”っていうところをふんだんに使って。かなり詰め込みました。あとは……“泣き”の部分を入れたいなと思ってたんですよね。例えば“いつもあなたが響く”の部分だったりとか……。タイトルにもある通り「響ノ空」なので、“吉岡さん、泣いて歌ってるんじゃないか”って思わせるくらいの、歌いかたが出来たら良いなと思っていたので、そこを聴いて頂けたら嬉しいですね。
●「歌詞の意味をしっかり伝えたい」と歌ったC/W「はじまりの詩」
──C/Wの「はじまりの詩」は「響ノ空」とは違った魅力がある曲ですね。優しく温かなメロディーが印象的です。
吉岡:そうですね。「はじまりの詩」は一人で歌っている雰囲気というか……大切な人との愛を思い浮かべるようなイメージでした。でも、こちらも凄く言葉がキレイなので、歌詞の意味をしっかり伝えたいなっていう思いがあって。
──こちらも最初が“運命(さだめ)”という印象的な言葉から始まるという。
吉岡:そうなんですよね。出だしでインパクトのある言葉が出てくるので……。そのあとに出てくる“糸遊(いとゆう)紡ぎ”とかもパッと聴くとどういう言葉なんだろうって思ったんですけど、漢字にしてみるとなんとなくイメージは分かるんですよね。でも、私が歌うことでパッと聴いただけでイメージできるような歌にしたいなって。
──レコーディングはいかがでしたか?
吉岡:難しかったですね(笑)。壮大なような、シンプルなような……、そんな楽曲なんですよね。でも、シンプルが一番難しいんですよね。この曲は優しいイメージがあったので、苦戦しているのを隠しながら歌っていたので、苦戦しているのが出ちゃっていたらどうしよう……という不安もあったんですけど、実際マスタリングで聴いてみたら“ああ、優しく歌えてる”って一安心しました(笑)。
●ジャケットは2回目となるスタジオで撮影
──今回のジャケットが今までにない感じですよね。目線も前を向いていて、アップで写っているっていう。
吉岡:はい。カメラマンさんがそういう風に撮りたいって言って下さったんです。今までのジャケ写は大体目線をそらしているんですが(笑)今回は目線も合わせて。青の長いワンピースで、裏のジャケットが裸足で椅子に座ってひざを抱えているような写真で、それも凄く気に入ってます。私は普段可能な会場はほとんど裸足でライヴをするのでその自然な感じが出たんじゃないかなって。
──春らしい雰囲気もありますよね。
吉岡:ありがとうございます。これはスタジオで写真を撮ったんですけど、スタジオ撮影って1回目は「時の栞」(2010年9月1日)以来2回目だったんですよね。真っ白のスタジオにポツンと椅子が置かれていて、スタジオで撮影することに慣れていないせいか“どんな感じになるんだろう?”っていう不安もあったんですけど、出来上がったモノを見たら“ここで撮れてよかった!”って。実質20分くらいの撮影だったんですけど(笑)、あっという間の充実した時間でした
●「もっと成長していきたい」と語る今後
──早いですね(笑)。では、2011年に向けての抱負ってありますか?
吉岡:今全国ツアーが始まったばかりなんですけど、たくさんの人と距離を縮めながら自分自身も成長していきたいなと。
──ではそのツアーに向けて最後にメッセージをいただけると。
吉岡:初の全国ツアー、元気に楽しくしっかり周って最後の東京まで無事に終わらせたいと思います! 楽しみにしてて下さい!
<取材・文:逆井マリ>
『響ノ空』/吉岡亜衣加
2011年2月23日発売予定
価格:1,260円(税込)
品番:KDSD-00431
発売元:ティームエンタテインメント
<収録曲>
1.響ノ空
*DSゲーム『薄桜鬼 随想録 DS』OPテーマ
*作詞:磯谷佳江、作曲:小野貴光、編曲:戸田章世
2.はじまりの詩
*DSゲーム『薄桜鬼 随想録 DS』EDテーマ
*作詞:上園彩結音、作曲:上野義雄、編曲:安瀬聖
3.響ノ空(instrumental)
4.はじまりの詩(instrumental)
<FIRST LIVE TOUR 2011『心(ここ)で逢いましょう』>
2011年2月26日(土)広島・音楽喫茶 ヲルガン座
2011年2月27日(日)岡山・城下公会堂
2011年3月11日(金)浜松・浜松フォース
2011年3月12日(土)掛川・つま恋 ミュージックガーデン
2011年3月13日(日)名古屋・名古屋タイトロープ
2011年3月20日(日)大阪・ヒルズパン工場・ライブハウス
2011年3月21日(月)京都・coconi
2011年4月10日(日)神奈川・B.B.Street
2011年4月17日(日)石川・もっきりや
2011年4月24日(日)仙台・Enn 3rd
2011年4月30日(土)宇都宮・ハロードリー
2011年5月14日(土)札幌・Colony
2011年5月22日(日)新潟・Golden Pigs Black
2011年5月 東京 某所
>>吉岡亜衣加オフィシャルサイト