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中村悠一さんが気になる『WWW.WORKING!!』のシーンとは

TVアニメ『WWW.WORKING!!』中村悠一さんはじめ声優陣が思わずツッコミを入れてしまったシーンとは

 高津カリノさん原作の人気作『WORKING!!(ワーキング)』。北海道にあるファミリーレストラン「ワグナリア」を舞台に、個性的なキャラクターたちが織り成す、ドタバタコメディが描かれる『WORKING!!』ですが、これまで第1期~第3期にわたってTVアニメが放送されました。

 高津カリノさんの公式サイトにて掲載中の『WEB版 WORKING!!』がTVアニメ化し、『WWW.WORKING!!』として2016年10月より放送中! 今作では、『WORKING!!』の舞台でもあったファミレス「ワグナリア」の姉妹店でこれまでと異なるキャラクターたちが活躍します。

 そんな『WWW.WORKING!!』ですが、気付けば最終回直前。そこで今回は、宮越華(CV: 戸松遥)に振り回されている東田大輔 役の声優・中村悠一さんに、本作の魅力から、共演者とのエピソードなどをお話していただきました。質問に的確に答えつつも、話の中に笑いも混ぜてくれる、話していてとても楽しいと感じるインタビュー。どうぞご賞味あれ!

 

キャラクターのイメージにピッタリとハマる声優陣
――中村さんは、『WORKING´!!』『WORKING!!!』で真柴陽平役として出演されていましたが、その時の思い出を教えていただけますか?

中村悠一さん(以下、中村):回数としては多くないですが、『WORKING!!』ってギャグというか、会話のテンポが小気味いいので、その中で一緒にやらせていただいて面白かったというのが最初に思い出されますね。完成したフィルムも素晴らしいんですけど、僕たちがスタジオで面白かった、やり切ったと思えるところは会話の部分なので、その中で『WORKING!!』は会話量も多くて、楽しい現場だな、楽しい台本だなって思いました。

▲TVアニメ『WORKING!!!』3品目「史上最大の夜」より

▲TVアニメ『WORKING!!!』3品目「史上最大の夜」より

――大きなイベントも多かった印象がありますが、中村さんは出演されていなかったんですよね。

中村:一度だけ。キャスト発表直後くらいのイベントで、シークレットで出させていただいたくらいで、あとはスケジュールが合わなかったので、映像だけで出演させていただいたりはしましたね。

――次はたぶん……。

中村: (笑)……そうですね。新しいのは、さすがに「スケジュール合わないからあいつはいいか」ってことにはならないと思いますね(笑)。とりあえず、発表されてるイベントには出るようです。

――そりゃそうですよね(笑)。

中村:でも、せっかく『WORKING!!』と『WWW.WORKING!!』と舞台が2つある作品ですから、このコンテンツを応援してくだされば、合同で何かやる可能性も考えたりするのかな?という気はしなくはないです。

――期待してしまいます。今回の『WWW.WORKING!!』ですが、東田大輔を演じることになったのは、2011年のエイプリルフールのネタとして、WEB版もアニメ制作決定!と発表した時に演じたのがキッカケと伺いましたが。

中村:僕もその時なぜ選ばれたのは定かではないので、選んだ人に聞いてもらいたいんですけど、おそらく暇そうだったからじゃないですかね(笑)。前作の『WORKING’!!』に出させていただくことは決まっていて、まだキャスト発表される前だし、スケジュールも押さえてあるしっていう感じだったと思うんですよ。そんな深い意図があって決めてないと、勝手に思ってるんですけど。

――まさか本当にアニメ化するとは思っていなかったですか?

中村:そうですね。年に1回くらいテレビCMとか、ドラマCDとかはやらせてもらっていたのですが、TVシリーズになるまで東田をやらせていただけると思っていなかったので、ありがたいご縁だなと感じています。

――東田くんを演じた感想は?

中村:TVシリーズは導入部分からだったので、ドラマCDなどでやっていたところより遡って演じることになったんです。これまでやらせてもらっていた東田くんは、宮越さんとか周りの人たちとの関係ができあがっていて、感情をなくしてしまい、ちょっとおかしくなってしまったあとの東田くんだったので、最初はわりかし真人間なのかなって思いました。だから、1話と2話の演じ方はちょっと難しいなと思いましたね。感情表現が豊富というか、オーバーにやり取りしたりするので、最近録ったドラマCDでは「感情をフラットにしてください」と言われていましたけど、今回はそれを当て込めないよなって思って、探りながら……。

――前作でも戸松遥さんとの掛け合いは多かったと思いますが、今作での宮越 華との掛け合いはいかがでしたか?

中村:本人はしっかりと役作りしていると思うんですけど、周りの共演者から見ると、戸松(遥)さんと劇中の宮越さんのキャラクターって近いのかなって思わなくもないので、彼女にとっては自然体に近いのかなという印象で掛け合いさせていただいてます。キャラクター的に僕のほうからテンポは作れないので、2人のシーンになると、シーン自体のリズムや空気は彼女に作ってもらわないといけないこともあって結構頼っていると思います。

――先程言っていた、フラットに演じないといけないから。

中村:そうですね。僕主導でリズムを作っていくと、キャラクターがズレてきちゃうので。東田くんは基本的に受け身の人なので、役の関係性どおり、お芝居もそういう形です。戸松さんの芝居に対して、どう東田として受けるか。

――『WWW.WORKING!!』って、大笑いするというよりクスッと笑っちゃうシーンが多い印象ですけど、そういうシーンはアフレコでは、どういう感じなのですか?

中村:会話自体、お話の内容自体から生まれてくる面白さは僕らもテストでわかるので、ここのやり取り面白いねって話はするんですけど、実際にオンエアを見ると、そこももちろんだけど、それだけじゃない、画や演出込みで面白さが引き立っているところが多々あって。アフレコでは、僕らは笑かそうと思ってやっていたり、面白いだろっていう感じでお芝居はしていないんですよ。

キャラクターとして真剣に、東田くんなら、本当にイヤだから「イヤだ」と言っている。それが、画や演出込みで面白くなっているので、僕ら演じているほうとしては、やっていてもそんなに面白いと感じていない時もあるんです。今回はギャグが薄いのかなぁと思ってオンエアを見ると、全然そんなことはなかったり。だから監督が狙っていること、高津先生が狙っているギャグっていうのは計り知れないところがあるなと思います。

――ちなみに、この人がこういう役柄を演じるのはあまり見たことがないなっていう方はいますか?

中村:わりとみんな、自分のやれる、得意としているフィールドからズレていないのかなって思っていますね。

――個人的には細谷佳正さんの斉木恒輝役が、ちょっと意外なのかなと思ったのですが……。

中村:でも細谷くん自体が、ああいう天然なところを見せる人なんですよ(笑)。なのでカタコトな話し方をするけど、キャラクター性としては思いの外ズレていないのかなって。むしろハマっている気はしますね。

――そう言われると、そんな気がします……。

中村:みんなキャラクターに近いところは持っている気はします。雨宮さんは、そこまで人間性はわからなかったんですけど、話していると(鎌倉)志保が持っているサディストなところが本人にもあるらしくて。進藤(ユータ)が(近藤)妃にやられてるところとかをニヤニヤしながら見てたので、「ニヤニヤしてたよね?」って聞いたら「共感するんですよ」って言っていて、ゾッとしましたね(笑)。

――(笑)。ということは、進藤役の小野賢章さんは?

中村:それは僕はわからないので、本人に確認していただければ判明するかもしれません。

――強烈なキャラクターが多い中で、東田くんは普通の子なのかなと思ったのですが、宮越はちょっとやりすぎな気もしませんか?

中村:極端な考え方はしてるけど、悪気があるわけではないので、みんなが嫌いにはなれないんでしょうね。ツッコミにまわる時は、意外とまともなことを言ってるんですよ。「働け」とか「接客はこうするんだ」とか。見方によっては常識的な人だから、東田くんも放っておけないっていう。

――だからフロアのチーフなんですね。

中村:と思いますね。仕事に対しては一番ちゃんとしてますから。他の人のほうが問題があるので…。

――見ていても、ほとんど働いてないですよね。

中村:妃に関しては「働かない」って言ってますからね……。

――お客さんもわりと少ないから、バイトのほうが多いんじゃないかと。

中村:お客さんが入ってる描写があまりないので、北海道はそうなのかなっていう偏見に満ちた目で見てます(笑)。高津カリノ先生の人となりや仕事の環境はわからないんですけど、よく聞く漫画家さんのイメージだと、ファミレスでネームとか描いているじゃないですか。高津先生もそれに該当するのであれば、近場のファミレスでネタ出ししてるでしょうから、きっと北海道はこうなんじゃないかっていう(笑)。

――信じるか信じないかは……ですね(笑)。ちなみに中村さん自身のファミレスでの思い出はあります?

中村:そうですね、基本的に外で食べることが多いので、利用することは多いです。中途半端に時間が空いてる時に、食べてすぐ出なくてはいけないお店よりは、ファミレスみたいに少しくつろげるところのほうが、他の仕事ができたりするので助かりますね。あと、たまに友達とファミレス行って、ご飯食べたあとカードゲームしてたりはありますけど(笑)。昔から都度都度で利用してます。

――学生時代に長居したりしませんでした?

中村:その話しますか?(笑) 僕の地元が香川県なんですけど、ファミレスがそんなになかったんですよ。特に僕が生活圏としている付近にはなかったので、行った記憶が1~2回ですかね。なので東京に出てきてからファミレスを利用するようになりました。


声優陣が思わずツッコミを入れてしまった気になるシーン

――作品の話に戻しますと、これまでで印象的なシーンを挙げるとしたら、どこでしょうか?

中村:現場でも話題になったことなんですけど、何回チョコあげんねん!っていうところですね。オンエアだと時間の飛び方を画で見せているからわかるんですけど、季節の移り変わりって台本だとわからないので、あれ? またやってる、みたいに思ったり。聖バレンチヌス様に会いに行ったり、チョコレート界隈の話が印象的だなって思ってますね。1クールであんなにやることもないでしょうから。

――では、中村さんの中で、お気に入りのカップリングってありますか?

中村:最初は進藤と志保のやり取りが面白いと思っていたんですけど、途中から村主(さゆり)と足立(正広)のやり取りもなかなか面白くなってきましたね。わりとストレートな感情表現をしているけど、それが少しずつ掛け違えてるっていうのが面白いんですよね。

村主と足立はそんなチグハグではないのかなって気もしてて。内山(昂輝)くんのお芝居も、村主さんとのやり取りに真剣にアプローチしてて、足立くんの誠実さというか、村主さんとの関係を否定しない、彼女をどう受け止めるかっていうのが見える気がして、すごく好感が持てますね。後半はよりスポットライトが当たっているので、それがよく見えるんですけど。

――村主さんといえば、お母さん役の大原さやかさんも印象的でした。

中村:あそこは最初に村主さんが出ているので、お母さんも弟さんも日笠陽子さんのお芝居を参考にキャラ作りをしているので、みんな似てるんです。

――アニメも終盤になり、さらにパッケージも発売になります。OP/EDはそこに収録されていて、EDテーマ「無重力フィーバー」を東田として歌っていますが、歌ってみてどうでしたか?

中村:前シリーズもテンポの良い、ノリの良い曲だったので、その空気は踏襲していて、これを俺はどうやって歌えばいいんだ?と。東田のキャラクターでノるというのがちょっとわからなかったので、前シリーズだと小野大輔さんがやっていた佐藤潤が、同じように淡々としゃべるキャラクターだったので、それを聴いてみたりしました。

――終盤の見どころと、中村さんの推しキャラを。

中村:始まった時、この作品のカテゴリーはなんだろうと思ったんです。ギャグなのか日常系なのか。でも終盤になって、典型的なラブコメなんだなって思いました。最終回あたりは露骨にいちゃいちゃし始めるので、リア充どもの話になってましたね(笑)。

掛け違ったままでいくわけではなく、ちゃんとそれぞれ解答を得て終わるので、そこは意外でした。でも見ている側は安心できると思います。僕はいろいろなところで『めぞん一刻』が好きだと言っていたんですけど、それに近いものを感じます。

明確に、この人とこの人がくっつきますっていうのを曖昧にせず、最初から言ってたでしょ?って突き抜けていくので、安心して見られるラブコメだと思いました。なので、それぞれの人間関係と組み合わせの展開を見ていただくことが見どころかと思います。僕の推しキャラですか……。難しいですけど、よくわからないミリかな。何考えているか本当にわからない。

[文/塚越淳一]

>>公式サイト
>>公式Twitter(@Wagnaria)

 
作品概要
【放送情報】
読売テレビ:10月3日より毎週月曜深夜2:29~
TOKYO MX/とちぎテレビ/群馬テレビ/BS11:10月1日より毎週土曜夜11:30~
テレビ愛知:10月4日より毎週火曜深夜2:05~
札幌テレビ:10月4日より毎週火曜深夜2:34~
※放送開始日・放送日時は変更となる場合がございます。予めご了承ください

【スタッフ】
原作:高津カリノ「WEB版 WORKING!!」(ヤングガンガンコミックス/スクウェア・エニックス刊)
監督:鎌倉由実
キャラクターデザイン・総作画監督:中野繭子
シリーズ構成:吉岡たかを
音楽:横山克
制作:A-1 Pictures

【キャスト】
東田大輔:中村悠一
宮越 華:戸松遥
足立正広:内山昂輝
村主さゆり:日笠陽子
近藤 妃:水樹奈々
鎌倉志保:雨宮天
進藤ユータ:小野賢章
柳葉ミリ:麻倉もも
永田るい:小澤亜李
河野拓哉:下野紘
斉木恒輝:細谷佳正
榊研一郎:鳥海浩輔

【WEB版WORKING!! 原作情報】
コミックス第1~3巻 好評発売中!!
YGC『WEB版WORKING!!』4巻9月24日、5巻12月24日発売予定!!
4巻5巻共に〝録りおろしドラマCD付き〟初回限定特装版も同時発売!!

【イントロダクション】
ヤングガンガン(スクウェア・エニックス刊)の大人気コミックス『WORKING!!』の高津カリノが、自身の公式HPにて掲載中の大人気4コマ!! ちなみに、ヤングガンガン版『WORKING!!』の姉妹店で、よりアクの強いキャラが多数とのこと…!? 満を持してTVアニメ化!!

家計の財政難のためにファミレスでバイトをすることになった東田大輔。しかし、そこには料理音痴フロアチーフ、なんでも金にものを言わせるホールスタッフなど、まともな人間がいないファミレスだった…!? 常連さんもご新規さんも、ワグナリアにいらっしゃいませ♪

(C)高津カリノ/SQUARE ENIX・「WWW.WORKING!!」製作委員会
(C)高津カリノ/スクウェアエニックス・「WORKING!!3」製作委員会
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