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元fripSide&志倉千代丸新プロジェクトを直撃インタビュー

元fripSideのnaoさんと志倉千代丸さんらの新プロジェクト“DystopiaGround(ディストピアグラウンド)”が始動!naoさん&志倉千代丸さん直撃インタビュー(前編)

 元fripSideのボーカリストのnaoさんと、アニメ、ゲーム界で屈指のメロディメーカー・志倉千代丸さんらによる新プロジェクト“DystopiaGround(ディストピアグラウンド)”が始動!

 “DystopiaGround”とはボーカリストのnaoさんと、志倉さんをはじめとする様々な作家陣がコラボレーションする音楽制作集団で、アニメ・ゲーム界の音楽シーンの閉塞感を打ち破るべく結成された。しかも活動の主戦場は同人・インディーズ。

 業界中の視線を一身に集める“DystopiaGround”について、naoさんと志倉千代丸さんに語っていただいた模様を2回に分けてお送りする。

 掲げた「No A-pop,No Life!」や「宇宙一のA-popアーティスト」というフラッグは壮大なロマンか、夢物語か。そのヒントは二人に言葉の中にある。

●fripSide卒業後、naoさんを再び音楽活動に引き戻したディスグラ

――今年の3月にfripSideを卒業されましたが、その後の音楽活動についてどんなビジョンやイメージがあったんですか?

naoさん:正直に言うと何も決めていませんでした。歌をやめることも考えていたくらいで。でもfripSideの時に一緒に音楽を作っていた仲間達から「やめないほうがいいよ。一緒に頑張ろうよ!」と言われて。そして志倉さんからも声をかけていただいたりしてもう一度、音楽をやる決心をしました。

志倉さん:fripSideは、2008年に『恋姫†無双』のテーマ曲「flower of bravery」で、5pb.からデビューすることになって、詞と曲も僕が書いたこともあって気になっていました。それで一緒に手羽先を食べに行った時に(笑)“DystopiaGround(ディストピアグラウンド。以下ディスグラ)”の構想を話したら共感してくれて一緒にやろうと。


●今はメジャーも同人も既にレベルの差がなくなった音楽戦国時代

――ディスグラの構想はnaoさんと話す前からあったんですか?

志倉さん:今の音楽シーンに『商業』や『同人』の垣根なんてもうないだろうと3年前くらい前からずっと思ってました。商業CDアルバムはもはや5千枚売れれば成功な部類に入りますが、同人の世界にも5千枚、6千枚を売るサークルはたくさんあります。では音楽の中身では商業のほうが上なのか?と言えばそうでもなく、上質な生楽器等が多用されたプロ顔負けのクォリティの高い楽曲も少なくありません。


――同人音楽のレベルが上がった要因はどこにあると思いますか?

志倉さん:デジタルツールが高度化し、音楽創作する環境が誰でも手軽に手に入れられるようになったことが大きいと思います。商品の流通手段以外、明確な違いが見えないほど。だから同人音楽の世界にはずっと興味があったし、いつか自分もそこで音楽を発表したいと思っていました。そんな状況で、naoさんと話して、お互いのやりたいことをやったら掛け算になっておもしろくなるんじゃないかと。


――志倉さんからお話を聞いた時にどう思いましたか?

naoさん:構想をお聞きした時、「なるほど。おもしろそうだな」って。共感してその場で「私もやらせてもらいたいです!」とお願いしました。

志倉さん:僕も手羽先を食べながら「じゃあ、やろうか」と(笑)。


――メジャーシーンで活躍されたお二人が同人・インディーズで活動をするとなると、どうしてもファンや周囲からの視線は懐疑的だったり、厳しくなりそうな気がします。リスクもある、かなりの英断だったんじゃないかと。

志倉さん:メジャーな商業流通で扱われるCD商品を、過去いくつも提供してきましたが、この「メジャー」という言葉が曖昧になってきていると思うんです。夏冬に行われるコミックマーケットには何十万人という動員があるわけですが、比率で言えば確実に同人のほうがメインだし動員も多いですよね?そうなると何が「メジャー」なのか分からない。音楽の提供方法も様々。もはや音楽は同人(インディーズ)のほうが本流になっている気さえします。


●タイアップ依存の業界構造には限界がある

――むしろ同人の世界へ挑戦するような意気込みで臨むつもりなんですね。

志倉さん:インディーズシーンには自由な才能や発想に溢れたクリエイターが沢山いるので「挑戦」というより、むしろ「よろしくお願いします」といった感じですかね(笑)。ただ、商業音楽の世界はタイアップに依存する傾向があまりに強すぎると思うんです。売れるかどうかは音楽の中身よりもタイアップ次第という傾向は、それ自体を否定こそしませんがそれだけに期待するクリエイターもどうかと思うんです。また歌い手も「タイアップ待ち」のような状態が続くと、本来の「音楽をやりたい」という純粋な気持ちを、日々消化するのが難しくなってきます。タイアップ「だけ」にたよる音楽創作世界から脱したいと思った僕にとって、同人音楽への挑戦は至って普通の選択でした。

――ある作品のテーマ曲でヒットしたのに、次の曲は売れなかったという話はよく聞きますね。

志倉さん:アニソンと呼ばれるジャンルを主戦場としているアーティストやシンガーは多いけど、タイアップが付かないと歌えないし、CDも出せないというのもバカらしいですよね。みんな、タイアップ待ちで行列作るみたいな。くり返しになりますが、タイアップの大きさや意味は否定しません。でもそれだけじゃないだろうと。同人音楽はタイアップも何のしがらみもない世界だからこそ挑戦しがいがあるし、不安よりも期待感のほうが大きいんです。

naoさん:「同人音楽の世界に殴り込み!」とか「メジャーよ、さようなら!」 という感じじゃなくて。私もインディーズや同人で活動していたので原点に戻る気持ちもありますし、作品のテーマ曲を歌わせていただく意味もわかっているし、歌わせていただくありがたさも感じています。アーテイストnaoとして、いろいろな作品のタイアップ曲も今後も歌っていくけど、より自由な音楽活動のフィールドを同人音楽の世界に求めたのがディスグラなんです。簡単に言うと「細かいことはいいから、もっと音楽を楽しもうぜ!」という精神ですね。
志倉さん:商業も同人も両方やる。お堅い小言はあえて言わず、自由に音楽を創造する事こそが、ビジネス的にも今のA&G音楽業界の時流に合っていると思います。聴いてもらえるチャンスが広がる事で相乗効果すら期待出来るかもしれません。


●名立たる作家陣が続々参加も決定し、豪華な音楽サークルに

――同人・インディーズでのリリースが基本とのことですが今後、メジャーシーンでのCDリリースは構想の中にありますか?

志倉さん:ディスグラとして作ったものは基本的には商業CDとしてリリースすることは考えてません。そこの線引きがあいまいになってしまうと活動意義も見えなくなってくるので。でもそのうち「ベスト盤出します!」とか言ったりして。ボカしておいたほうがいいかも(笑)。

naoさん:とりあえず予定ということで(笑)。

――ディスグラは志倉さんの他にも多くの作家さんが参加する音楽制作集団という事ですが、どんな方がいらっしゃるんですか?

志倉さん:僕も参加作家の一人ですが、ほかにも過去fripSideを支えてきたクリエイター陣がそのまま参加しています。さらに実はまだ明かせないんですけど、アニメ、ゲームファンにはおなじみのクリエイターにも打診していて、既にOKをもらっている人もいます。その方々の名前は追ってお知らせしますのでご期待ください!まさに「○○の無駄遣い」的な素晴らしい音楽サークルになると思います(笑)。


●お互いにリスペクトし合える関係

――志倉さんから見たnaoさんの魅力を教えてください。

志倉さん:まず声ですね。彼女は歌も上手くて、音域も広い。上の“ド”の音から更に上の実用音域として“ファ”くらいまで歌えるので、作り手として表現の幅が広がるんです。だから興味があったし、fripSide時代に僕が提供させてもらった「flower of bravery」の時も想定していた通りでした。既に何曲か収録をしていますが、予想通りのパフォーマンスを見せてくれています。

――次はnaoさんから見た志倉さんのすごさとは?

naoさん:頭がいいですよね。先見の明があるというか。fripSideの時に曲を提供していただいて、曲の持つ力と歌詞が持つ力をうまく絡めるのがすごく上手だなと思いました。例えば曲がシリアスっぽい場合、詞も曲調に合わせるじゃないですか。でも温かさや人間味がにじみ出ているんです。志倉さんの作る楽曲の魅力は多くのファンの方がご存じの通りで、あとは人物的にもプリンスオーラがまぶしい。すごい人です(笑)。


●nao×chiyomaruの可能性は無限大

――志倉さんが作るテーマ曲は作品の世界を読み込んだ深い楽曲になっていて、また『カオスヘッド』や『シュタインズ・ゲート』などの作品でも奇想天外な世界観を生み出していて。そんな志倉さんがnaoさんというボーカリストとどんな音楽を作り出していくのか、興味深いです。

naoさん:私もどんな曲を歌わせていただけるのか、楽しみです。

志倉さん:naoさんが振り幅の広い人なので、何でもありじゃないですか。ディスグラではこれをやってはいけないというのがまったくないから。極端な話、ノリノリなロックテイストの「お経」でも何でもアリな訳です。まぁ実際にはどこかの偉いお坊さんに怒られそうなので、やりませんけど(笑)。


●naoさんの音楽の歩みを尊重しつつ、更に進化させたい

――どんなコンセプトや意図を考えて曲作りをされるんですか?

志倉さん:naoさんが今までやってきた音楽活動の全てを否定せず、無駄にしない形で音楽をやるとするならば、fripSideで培ってきた4つ打ちのビートが効いたカッコイイ曲やnao projectでやっていた電波系萌えソングは外せないと思いました。その上でさらにnaoさんの良さを伸ばして行く事を考えていけば、おのずと進化は感じてもらえるだろうと思っています。音楽方針はこうして悩む事もなく自然と決まりました。

naoさん:私としても志倉さんの素晴らしすぎるアドバイスはもちろん、他の作家陣のみんなの同意もあって、コンセプトに迷いはありませんでした。。過去に一緒に楽曲を作り上げてきた作家陣のみんなだったたら、きっと理解した上で曲を作ってくれるだろうし、志倉さんも必ずいい曲を作ってくださるに違いないと信頼してますから(笑)。実際、いかにも「志倉節!」と言えるような曲が続々と上がってきています。


●プロジェクト名の由来は「アングラよりもアンダーな深さから、激しく地球全体を揺さぶりたい!」

――ここで“DystopiaGround”という名前の由来を教えていただけますか?

志倉さん:「UnderGroundよりも更にUnderなものって何だろう?」と考えた時、ユートピアの逆かなと。それが“Dystopia”で。そこに“UnderGround”の“Ground”をかけました。商業とかメジャーとか言ってるけど「俺達は最下層にいる!」という気持ちや「初心を忘れない」という意味も含めて付けました。

――かなりディープで根をどっしり構えて活動するようなイメージがあります。

志倉さん:相当深いですよ。地球で言えば地殻よりもマントルよりもずっと下(笑)。

naoさん:地球の一番深い芯から私達の音楽で揺れ動かそうと。音楽の地殻変動を起こす。それぐらいの意気込みがあります。

――公式サイトが先日、オープンしましたが「No A-pop,No Life!」や「目指すは宇宙一のA-popアーティスト」という刺激的な言葉が並んでいます。

naoさん:私達の信念です。そのくらいの気持ちで取り組むという決意です。

志倉さん:宇宙にはもっとすごい奴がいっぱい待ってる! そう思ったらワクワクしますよね。目指す視線はより高く、より深く、です。 

naoさん:それと、nao個人としてはイベントへの出演も決まりました。ディスグラにも参加してくれている作家の新井君と一緒に出演するのですが、12月13日に行われる『リセ5周年&アクエリ10周年記念感謝祭』のステージイベントで歌わせていただくことになりました。元気いっぱいの私にぜひ会いに来てください!

そして日曜のイベントも見逃すな!

●『リセ5周年&アクエリ10周年記念感謝祭』
12月13日(日)10:00~17:00
東京池袋・サンシャインシティ ワールドインポートマート4F展示ホールA
入場無料
詳細はリセ公式サイト(http://www.lycee-tcg.com/)へ

さらにコミケでもnaoさんが歌うぞ!

●5pb.&アルケミスト合同ステージ
12月29日(火)東京ビッグサイト 会議棟7F 国際会議場
15:00開場 15:30開演
出演:今井麻美、加藤英美里、小林ゆう、花澤香菜、彩音、いとうかなこ、nao
全席指定3,000円(税込・オリジナルテレカ付き)
チケット完売につき関係者席開放・12月12日(土)より
チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスにて追加発売
イベント事務局:03-5457-3577(平日13~18:00)

(次回へ続く)

>>DystopiaGround公式サイト
>>志倉千代丸twitter
>>nao twitter
>>nao blog


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