TVアニメ『ヨスガノソラ』リレー企画第5弾――シリーズ構成・荒川稔久氏に質問！

　好評放送中のTVアニメ『ヨスガノソラ』。現在アニメイトTVでは連続でその魅力にせまる企画を掲載中だがいよいよ第5弾。今回ご登場いただくのはシリーズ構成の荒川稔久氏。作品の要ともいえる立場を担った荒川氏が語った『ヨスガノソラ』の制作にまつわるエピソードとは！？

――『ヨスガノソラ』アニメ化を手がけるにあたって、最初はどんなアニメにしようと考えましたか？

荒川氏（以下荒川）：一番最初の企画会議では、官能的な表現に頼らずに官能的なものを目指せないか、という話をしました。全体の構成も、悠と穹の関係に梢が割り込んで来て、純愛と背徳の対比をしてみたら、という感じで。でも色々と話し合ううちに、折角なら出来る限りの挑戦をしてみようということで、今のような形に落ちつきました。


――制作にあたって、もっともこだわった点や、苦労した点はありますか？

荒川：こだわったのは、それぞれの女の子にとって悠と親しくなることがどんな幸せをもたらすかということを凝縮して語るということですね。紆余曲折があるにせよ、悠がいてよかった、という形で終わらせたいですから。一葉編と瑛編はそれが割りとストレートに出せたんですが、奈緒編と穹編は間接的だったり反語的だったりしてなかなか難しかったです。


――高橋監督やSphereの皆さんとは、どんなお話をされましたか？

荒川：監督とは何度もご一緒しているので、込み入った話はそんなにしなくても大丈夫でした。好きなように書いて、行き過ぎがあれば監督に抑えてもらうという感じで。Sphereの方々とはやはり設定の確認や、尺的な都合でやむを得ず変更する部分についてご了承を頂くといったやりとりが多かったですね。ユーザーが自分のスピードで理解していけるゲームと違って、アニメは時間が流れていきますから、そのために簡素化した部分はけっこうあったように記憶しています。

――放送が開始されて、周囲の反応や手ごたえはいかがですか？

荒川：やはり穹の人気が大きかったので、他のキャラとのルートをどれくらい受け入れてもらえるかに関しては不安もありました。それから絡みのシーンで逆に引いちゃう人もいるだろうなとか。ただ、穹編を原作のように踏み込んで描くにはある程度免疫を持っておいてもらわないといけないので、きちんと押さえました。結果的に、センセーショナルな部分以外にもそれなりに好評価をいただけたので、ほっとしています。


――今後の見どころなど、読者にメッセージをお願いします。

荒川：なるべくたくさんの女の子の魅力的な部分を描いてあげたいと思って構成しましたが、その狭間にいる穹もさまざまな顔を見せてくれるので、そこにも注目してもらえると嬉しいですね。悠への思いが成就するルートは勿論ですが、そうでないルートでも、愛する悠のために耐えたり身を引いたり、あるいは嫉妬したり………切なげな穹というのもかなりぐっとくると思うんですよ。


＜放送情報＞
◆AT-X：毎週月曜日23時30分～
　※リピート放送（全3回）毎週木曜日17時30分～／早朝5時30分～／翌週月曜日11時30分～
◆BS11：毎週金曜日23時30分～
◆TOKYO MX：毎週木曜日深夜2時00分～

＜STAFF＞
原作：Sphere
キャラクター原案：橋本タカシ・鈴平ひろ
監督：高橋丈夫
シリーズ構成：荒川稔久
キャラクターデザイン：神本兼利
音響監督：岩浪美和
音楽：三輪　学・Bruno Wen-li
音楽制作：スターチャイルドレコード
アニメーション制作：feel.
製作：奥木染町内会

＜CAST＞
春日野　悠／下野　紘
春日野　穹／田口宏子
天女目　瑛／阪田佳代
依媛奈緒／いのくちゆか
渚　一葉／小野涼子
乃木坂初佳／岡嶋妙　
伊福部やひろ／田中涼子　
倉永　梢／峰岸由香里
中里亮平／中國卓郎
ほか

Blu-ray＆DVDが12月22日に発売決定！放送情報詳細等は公式サイトへ！
StarChild:ヨスガノソラ