『非線形ジェニアック』で新たな世界線が開かれる！　いとうかなこさんインタビュー

●PS3版『STEINS;GATE』オープニングテーマの『非線形ジェニアック』を早くも徹底解剖！

　2012年5月23日(水)、歌手・いとうかなこさんのニューシングル『非線形ジェニアック』が発売される。『非線形ジェニアック』は、2012年5月24日(木)に5pb.より発売されるPS3版『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』のオープニングテーマとなっている。

　いとうかなこさんは、Xbox360版『STEINS;GATE』に始まり、移植作やアニメ版など、これまでに4作の『STEINS;GATE』オープニングテーマを歌い上げてきた。作詞・作曲は、これまで同様に志倉千代丸さん、編曲は前作『宇宙エンジニア』の編曲を行ったオオバコウスケさんが担当している。「いとうかなこ×志倉千代丸」という『STEINS;GATE』ファンにはお馴染みの黄金コンビの復活に今からワクワクが止まらない！

　また、『非線形ジェニアック』には、カップリングとして新曲『Geometric space』とXbox360版『STEINS;GATE』のエンディングテーマ『Another Heaven』のリミックスバージョン『Another Heaven 2012 Remix Ver.』が収録されている。

　今回は、そんな『非線形ジェニアック』の発売に先駆けて、いとうかなこさんに曲の印象や聴きどころ、カラオケで歌う際のコツなどを伺ってきた。ちなみに、PS3版『STEINS;GATE』のオープニングムービーは既に公式サイトで発表されており、『非線形ジェニアック』はそちらで視聴することができる。本記事を読んだ後に改めてムービーを見てみると、また違った角度から楽しめること間違いなし!!

●5曲目の『STEINS;GATE』オープニングテーマは、より人間っぽい？　歴代の流れを汲みつつも、これまでで1番歌いやすい＆分かりやすい曲になりました！

――まずは、PS3版『STEINS;GATE』で、またオープニングテーマを歌ってくださいと言われたときの率直な感想をお願いします。

いとうかなこさん(以下、いとう)：「何曲目だっけ？」っていう感じですよね(笑)。『スカイクラッドの観測者』、『A. R.』、『Hacking to the Gate』、『宇宙エンジニア』……今回が5曲目ですね。PS3版はそのまま出すのかなと思っていたので「また作るんだ!?」という感じでした。曲の路線的には一貫性があって今まで通りですね。ネタ切れと言っていたのに、千代丸さん本当に頑張ったなぁと。

――『非線形ジェニアック』の歌詞を初めて見たときの印象はいかがでしたか？

いとう：引き目じゃなくて主人公目線になっているので凄く親しみやすかったです。だんだんオカリンに近くなっているんじゃないかと。『スカイクラッドの観測者』は神目線だったんですけど、そこから人らしくなってきたなと思いました。アニメ版のオープニング『Hacking to the Gate』を聴いたときに、みんなで「主人公目線の歌詞になってるね」という話をしていたんです。そうすると『宇宙エンジニア』では中二病全開になっていて、今回はまたさらにその上をいく感じで。

――ちなみに、歌詞の中で特に好きな部分はありますか？

いとう：サビの「僕は空へ飛ぶのさ」という部分には、『宇宙エンジニア』に通ずるものを感じました。あとは、自分のことを「僕」と表現していてちゃんと主語があるので分かりやすいですよね。ラブソング的な響きもあって、メロディーに歌詞が気持ちよく乗っているのも気に入っています。繰り返し部分のサビの入りが凄く気持ちいいので特に好きです。

――曲調はどのような感じですか？

いとう：また速くて高くて辛い感じです(笑)。でも、今までに比べて非常に歌いやすいですね。今のところ、『STEINS;GATE』シリーズのオープニングの中では『宇宙エンジニア』が1番お気に入りなんですけど、『非線形ジェニアック』は『宇宙エンジニア』と同じくオオバさんが編曲をしてくれていることもあって、テイストが近くて歌いやすかったです。それに加えて、初期から比べると歌詞も凄くシンプルになっているので、すぐに覚えられる歌なんじゃないかなと思います。『CHAOS;HEAD』時代の主題歌は、言葉数が多いうえに単語も難しく、代名詞がたくさん出てきて大変だったので。

――昔は読んでも分からない言葉だらけでしたよね。

いとう：そうなんです！　「難しくて覚えられないよ」と言ったら、「簡単にしといたから」と言われて(笑)。

――『非線形ジェニアック』をカラオケで歌うときのコツを教えていただけますか？

いとう：今までの曲は最後まで歌うためにペース配分を大事にと言ってきたんですけど、この曲に関しては最初から飛ばして元気に歌ってほしいです。サビも今までの曲ほど辛くないと思いますので、リズムに乗ったときの気持ちよさを体験していただきたいなと。

――PS3版のオープニングムービーをご覧になられた感想をお願いします。

いとう：いつも通り音楽と映像がマッチしていて、今までの『STEINS;GATE』シリーズの流れを継承しているなと思いました。

――今回のシングルは3曲入りになっているのですが、引き続きカップリング曲『Geometric space』についてお話を聞かせていただきたいと思います。

いとう：この曲は本当に録りたてホヤホヤで、つい2、3日前にレコーディングを終えたばかりなんです。

――どういったイメージの曲ですか？

いとう：『CHAOS;HEAD』のオープニングに『Find the blue』、エンディングに『Desire Blue sky』という曲があったんですけど、その曲を思い出しましたね。ZIZZ STUDIOの磯江さん＆江幡さんコンビの特徴が出ていて、いつもより早めのテンポでアッパーな印象でありながら、詞、曲共にダークさを湛えた曲に仕上がっています。

――『Geometric space』の曲や詞を受け取ったときの印象はいかがでしたか？

いとう：ダークサイドな凄く怖い曲になっています。曲の入りは静かだけどサビでドスドスとくる感じ。暗い感じで始まりBメロからだんだん上がってきてサビで解放するので、最初はテンポが遅いのかなと思いきや意外と早めなんですよ。しかも幾何学用語がいっぱい入っていて面白かったです。

――昔の科学アドベンチャーシリーズの歌詞に近いですよね。

いとう：そうですね。あとは、2番の歌詞で「ミチとアイ」がカタカナになっているのですが、これは「未知」と「道」、「愛」と「哀」というダブルミーニングになっているんです。こうやって歌詞に意味を深く持たせているところは好みですね。

――実際に歌ってみていかがでしたか？

いとう：意外とキーが高かったです。曲は全体的に強い感じがするので、裏声にせず地声で強めに歌いました。

――曲の中でお気に入りの部分はありますか？

いとう：Bメロで上がる部分が好きですね。そこからサビにかかるまでどんどん盛り上がっていくところが特に気に入っています。

――『Geometric space』は『非線形ジェニアック』の中に収録されるだけに、『STEINS;GATE』っぽさをイメージして歌われたのでしょうか？

いとう：そうですね。曲と歌詞を見て「そういうことなんだろうな」と思いながら歌いました。歌詞の中にも出てくる「マンデルブロ」という幾何学用語があるのですが、それを映像で見せていただいたんです。マンデルブロは、ずっと同じ形が続いているのですが、一見形を変えているように見えるんです。でも、よく見ると実は同じという。その辺りが物語の中盤～後半にかけてオカリンが何回もループし始めた頃のイメージと重なりました。

――『Another Heaven 2012 Remix Ver.』を聴いた感想を教えていただけますか？

いとう：よりゴージャスになっていました。アニメやゲームで使われていたときとはイメージが違って感じられると思います。オリジナルの『Another Heaven』は、シンセサイザーの音が入ってキラキラした感じなのに対して、『Another Heaven 2012 Remix Ver.』は生の楽器音が入っていてボーカルがよく聴こえるという音楽的なリミックスになっています。

――最後にシングル発売を待ち望んでいるファンの方々へメッセージをお願いします。

いとう：PS3版の前日に発売されるということですので、主題歌を先に聴いていただいて、ゲームをプレイしたときに「来たー！」と喜んでいただきたいなと。今までの『STEINS;GATE』シリーズの主題歌の流れを継承してますので、歴代のオープニングと一緒に並べて聴いてほしいと思います。ライブで歌うと盛り上がると思いますので、ぜひ2番まで覚えていただいてライブで一緒に歌いましょう！

【CD情報】
非線形ジェニアック
STEINS;GATE PS3版　オープニングテーマ
■アーティスト
いとうかなこ
■価格
1470円（税込）
■発売日
2012年5月23日（水）
■収録曲
01.非線形ジェニアック
作詞/作曲：志倉千代丸　編曲：オオバコウスケ
02.Geometric space
作詞：江幡育子　作曲/編曲：磯江俊道
03.Another Heaven 2012 Remix Ver.
04.非線形ジェニアック（off Vo）
05.Geometric space（off Vo）
■発売元
5pb.
■販売元
メディアファクトリー

>>5pb.Records『非線形ジェニアック』情報ページ