『吉田尚記がアニメで企んでる』第2回レポ ゲスト:元永慶太郎監督

『吉田尚記がアニメで企んでる』、第2回放送のゲストは『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』や『デート・ア・ライブ』の元永慶太郎監督

 NOTTVで毎週火曜日、20時から生放送中の番組『吉田尚記がアニメで企んでる』(再放送は日曜12:00~12:58)。司会はアニメ好きとして知られるニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さん。この番組は毎回アニメクリエイターをゲストに招き、制作現場の裏側を紹介するバラエティートーク番組だ。

 4月23日に放送された第2回目の番組は、『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』や『デート・ア・ライブ』、『刀語』、『ヨルムンガンド』などを手掛ける監督・元永慶太郎さん。元永監督はこれまでにも『School Days』や『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』など、数えたらキリがないほどの作品を監督しており、さらにかつては演出で『機動警察パトレイバー』などにも参加していた。そんな元永監督が、自他共に認める吉田アナとどのようなトークが展開されるかが見モノとなっている。

■オープニングトークは「スタッフ募集」の経過報告! 採用されたら即戦力!?

 この番組はNOTTVだけでなく、ラジオ用に再編集されたバージョンがニッポン放送でも放送中(毎週日曜日、25:30~26:00)。本放送に先駆け、第0回がニッポン放送だけで放送されたのだが、その番組内で「スタッフ募集」が行なわれていた。今回の番組のオープニングトークでは、そのスタッフ募集に届いたリスナーからのメッセージが紹介された。
届いたメッセージの多くはアニメに対する熱意や番組に関する意見が込められており、吉田アナはおもしろおかしく紹介した。さらになんと、応募したリスナーひとりをスタジオに招き、カメラの前に登場させた。番組ではしばらくスタッフ募集を行なっており、面接を経て正規採用する予定もあるとのことだ。興味ある読者は応募してみては?

■メディアに露出が少ない元永慶太郎監督が登場!

 オープニングトークの後、いよいよ元永慶太郎監督が登場! 吉田アナが「メディアにはほとんど露出しないが、関わった作品はどんどん世の中に送り出されている」と語るとおり、元永監督は現在放送中の3本のアニメの監督を担当している超多忙な人物。
しかもその3作品中の2本が新作。吉田アナは「通常、アニメの監督は作品が放送される3ヵ月間に加えて、前後3ヵ月は作品にかかりっきりになる。なのに、なぜ元永監督は同時にアニメを制作できるのか?」と疑問を投げかけた。すると元永監督は「おもしろそうな仕事はすべて受けてしまうから」と笑顔で語っていた。実は元永監督は、この仕事のスタイルを10年間も続けているそうだ。複数の作品を抱えるのはいまに始まったことではないので、現在の状況は別段なんとも思っていない様子だった。

■平井久司さんのキャラで遊びたかった『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』

 ここからのトークのテーマは『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』について。吉田アナはこの作品の感想を、「キャラクターデザインが平井久司さんのロボットアニメなので、きっとシリアスなんだろうなと思った。でも1話のほんの数分を見て、笑える作品なんだと気づいた」と語る。すると元永監督は「平井さんのキャラクターでギャップを作って遊びたかった」と、作品の狙いを語った。

 さらに話題が吉田アナが絶賛する「戦闘シーン」に移ると、元永監督は「CGチームのがんばりです」とコメント。あるシーンでは、絵コンテ上では2秒でいいはずの戦闘シーンに、なんと19秒もの大作映像ができ上がってきたそうだ。これを評価した監督は、CGディレクターにさらにハイクオリティーな映像を求めた。当然、CGチームは応えてくる……。このようなやり取りを繰り返したから、結果として作品内で使われているようなクオリティーの高い戦闘シーンが生まれたわけだ。今後放送される中で、戦闘シーンがどれだけ進化するかも見どころのひとつだ。

■元永監督の素顔を昆夏美さんが調査!

 「元永監督に言いたい!」のコーナーでは、元永監督の素顔を調査するために、番組スタッフが事前に『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』の制作現場を取材したVTRが放送。そこで画面に映ったのは、なんとオープニングテーマを歌う昆夏美さん! 彼女がインタビュワーとなって、次々と制作スタッフにインタビューを行なっていった。そこでは「現場にオモチャを持ってくるクセがある」などの意見が飛び出し、以外な一面がどんどんと明らかに……。

■原作をアニメ化した『デート・ア・ライブ』と『ヨルムンガンド』

 続いて、現在放送中のもうひとつの作品『デート・ア・ライブ』のコーナー。この作品はライトノベルが原作のアニメだ。吉田アナは「原作があるアニメでも、『デート・ア・ライブ』と『ヨルムンガンド』とは方向性がまったく違うアニメですよね?」と素朴な疑問をぶつけると、元永監督は「これしかできないと言われるのはイヤなんです。いろいろ作っていきたいんです」と返答した。

 楽しい話はあっという間に終わり、番組最後のコーナー。ここではゲストにひとことコメントを書いてもらうのだが、元永監督はゆるいイラストと「ペコが好き」という文字を披露した。実はこのイラスト、今後『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』に登場するキャラクターのようだ。元永監督は「平井キャラでアホ毛があるんです」と解説したのだが、この「ペコ」というキャラクター、いつ、どのタイミングで登場するのかが楽しみだ。

放送終了後、元永監督にインタビューを行なった。番組に出演した感想や話し足りなかったことなどを、たくさん語っていただきました!

──「緊張した」とおっしゃってましたけど、番組に出演された感想をお聞かせください。

元永慶太郎監督:うん! すごく緊張しました(笑)。顔を出すのは苦手なんです。以前『ラブどる』のDVDにつける映像に出たことがあるんです。でも、基本的には苦手です。

──もし今後、同じように特典映像などのオファーが来たら受けていただけますか?

元永監督:うーん。あんまり受けたくない(笑)。今日の番組も「吉田玲子を出せ」って言ったら「忙しいからムリ」って言われて……。

一同:(笑)

──番組中は緊張されていたとのことですが、普段の監督はどのような感じですか?

元永監督:普段はもっと下品ですね。

──そう言えば、VTRで現場のスタッフさんから「下ネタをやめて」と言われていましたが?(笑)

元永監督:あれは現場が求めてるから言ってるんですよ。オレのせいじゃない! 現場の流れをよくするためです(笑)

──アニメ制作について伺います。「作品は楽しんで作らなきゃ」と語っていたのが印象的でした。

元永監督:作るのは苦しいんだけど、苦しんで作業してもねぇ? アニメは楽しんで作りたいんですよ。僕はよく「キャラクターと遊ぶ」と言うんですけど、その考え方がモットーです。やっぱり現場全体が笑っているのが一番ですね。

──それで現場を楽しませるためにオモチャを買って行くんですね。最近、なにを買いましたか?

元永監督:いや、それは完全に趣味です! ちょっとだけ早く家を出て、オモチャを買ってから仕事に行くんです。最近は「ウルトラホーク3号」を買いましたね。僕が買って行くとみんながのぞきに来るんですよ。「なに買いました?」って(笑)。

──本当にお仕事を楽しんでいるようですが、ストレスはありますか?

元永監督:「ない」って言ったらウソになるかな? 監督のポジションなので、思ったようにフィルムが完成しない場合はストレスを感じます。あとは、頑張ってない人間を見るのはイヤですね。スケジュールぎりぎりまでなにもしないで、締め切りになってから慌てる人間を見るのはストレスですね。

──アニメ制作のスタッフにもっとも必要なことは?

元永監督:「フィルムが好き」と思える気持ちだと思います。制作の過程も大事だけど、完成したフィルムが好きかどうかが、一番重要じゃないかな? 完成した作品を否定するのではなく「自分ががんばったからフィルムができました」と素直に言え、フィルムを愛せる人間はアニメ制作に向いていると思いますね。

──アニメ監督のお仕事で、もっとも「楽しい」と思うときは?

元永監督:僕は作っているときが一番楽しいです。制作中はすべての作業が楽しいんです。反対に、アニメの制作が終わり、「もう僕たちのやることは終わり」という瞬間が寂しいですね。ちょうど昨日、『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』の最終話の絵コンテを書き終えたんです。でも書いてる途中に「終わらしたくない」って気持ちになっちゃって……。そんなこと言っちゃいけないんだけどね(笑)。

一同:(笑)

元永監督:この作品がオリジナルだということもあるんでしょうけどね。初めて感じたのは、一話が放送されたとき、恋人が自分のもとを去っていったような虚しさを感じたんです。いままでそんなことはなかったんですけど、なんなんでしょうね? 作品が楽しければ楽しいほど、作業が終わった後は寂しくなります。『ヨルムンガンド』もそうでしたね。現場がすごく楽しかったので、またWHITE FOX(アニメ制作)といっしょに仕事ができたらいいなぁと思ってます。

──それだけアニメ制作が好きだから、こんなにたくさんの作品を並行に動かしてるのですか? お休みはありますか?

元永監督:バランスを保つために、なんかしら被って作業をしていますね。お休みはないです(笑)。でも、これから少し制作期間が空いちゃうので、5年ぶりくらいに休めるかな?

──5年ぶりですか!? 今年の正月の夜はなにをしていたか覚えてますか?

元永監督:除夜の鐘を聞きながら『マジェスティックプリンス』と『デート・ア・ライブ』のコンテをやってました。そうしたら同居人が「ソバ食べるから!」って言うのでソバを食って、また作業に戻りました。

一同:(爆笑)

──それだけお仕事をしていたら、作品が放送されるときは、もう別のお仕事をされてますね? 視聴者やファンの意見は気になりませんか?

元永監督:なるべく見ないようにしてるんですが、みなさんの意見は気になります。ウチの同居人がtwitterが大好きなんですよ! だから「ねぇねぇ、あんた、こんなこと言われてるよ」とか、いらんものをいっぱい持ってくるんです(笑)。でも、それを見てから作品を変えるってことはしませんけど、いまの若い子がどのような感想を持ったのかを知れるのはおもしろいですね。

──アニメ以外で好きなことはありますか?

元永監督:「街歩き」と「買い物」。とにかく見るのが好きなんですね。街を歩いて見て、我慢できないと買っちゃう。そんな感じです。なにも考えてなくても、常に頭のどこかにアニメのことが離れてないと思います。いい風景を見たら、なにかに使えそうだな~とか。

──その「街歩き」は、もはや取材ですね(笑)。

元永監督:取材ではないんですよ(笑)。本当に単純に、適当に選んだ知らない街に行って、どんな街かを見ながら歩くんです。

──では最後に、アニメ監督やアニメ制作者になりたい人に向けて、メッセージをお願いします。

元永監督:アニメ監督に必要なのは「好奇心」だと思います。アニメ監督になりたいからアニメばかり見るのは、よくないんじゃないかな? 逆にアニメは見ないで、いろいろなものを見て、自分のなかにたくさん知識を蓄えてから来てほしいですね。だってアニメ業界に入ったら、イヤでもアニメのことはたくさん勉強させられますから。アニメなんて、実写映像でできないことをアニメにしているだけなんです。僕らが入った30年くらい前は、そのように教わってきました。なので、そのポリシーはいまも変わらず持っています。そのころ制作の師匠に言われたのは、「おまえはいつも笑ってろ。しかめっ面をしてるとみんなしかめっ面になる」。その言葉が僕の心に突き刺さってます。だから、いつも笑っていたいなと思っています。

【番組情報】
『吉田尚記がアニメで企んでる』
<放送日時>
● NOTTV 放送日時
<初回放送> 火曜 20:00~20:58
<再放送 > 日曜 12:00~12:58
※放送スケジュールは変更になる場合があります。番組表でご確認ください。
 
● ニッポン放送
毎週日曜 25:30~26:00
 
<放送内容>
“今、自分がいちばん見たい番組を作る”というコンセプトのもとに吉田尚記が話題のアニメに仕掛けます!
 
アニメ界にその名を轟かすカリスマアナウンサー、ニッポン放送の吉田尚記(よしだひさのり)が“今、自分がいちばん見たい番組を作る”というコンセプトのもとに、ラジオだけではできない、テレビだけでもできない、NOTTVだからできる「企み」を話題のアニメ作品に仕掛けていきます。
作品作りにこだわりぬいたクリエイターの核心に迫るアニメファンのためのアニメ新番組。
 
<出演者>
吉田尚記
 
<ツイッターハッシュタグ>
#よアニ

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