『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』 田﨑監督インタビュー

ミュージカルキャストも映画に参加!! 『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』 田﨑竜太監督インタビュー

2013年7月6日より公開の『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』は、大ヒットアニメの実写版・第2弾として大いに注目されている最高のキッズムービーである。第1弾の三池崇史監督に代わって本作の演出を手掛ける田﨑竜太監督に、映画の見どころや撮影時のエピソードなどを伺った。

<b>映画『忍たま乱太郎-夏休み宿題大作戦!の段-』</b><br>2013年7月6日(土)公開

映画『忍たま乱太郎-夏休み宿題大作戦!の段-』
2013年7月6日(土)公開

■ 忍たまの3人が醸し出す「不思議な和音」に注目!

――三池崇史監督が手がけられた前作(実写版)『忍たま乱太郎』の続編ということで、田﨑監督独自の"色"をどう出していこうと考えられましたか。

田﨑:あまり自分の色を出そうなんて、積極的には思わないんです。どちらかというと、黒子に徹したいなと思っているほうですね。ただ、僕がよく知っているスタッフ、特にアクションやVFXのみなさんの力を借りないと映画ができませんから、そういう方々が参加することによって、結局「ああ田﨑が撮った映画だな」という形にはなっているんじゃないでしょうか。

――今回の映画ですと、ワイヤースタント・コーディネーターの大橋明さん、VFXスーパーバイザーの小林真吾さんたちは『非公認戦隊アキバレンジャー』でもご一緒にやられていますね。一方で、シナリオの池田政之さんとは初めて組まれることになりましたが、池田さんの印象はいかがでしたか。

田﨑:池田さんは制作会社のC.A.L.(『水戸黄門』の制作会社)から招かれた方で、主に時代劇を得意とされている方です。原作の料理の仕方、まとめ方が抜群にお上手な方だという印象ですね。今回の映画は原作漫画の中の「極楽丸の話」「切羽拓郎の話」など、いくつかのエピソードをつなげたり組み合わせたりして構成しているんです。

――乱太郎役・加藤清史郎くん、きり丸役の林遼威くん、しんべヱ役の神月朱理くんの「主役トリオ」が実に活き活きと活躍されていましたね。

田﨑:清史郎くん、遼威くんの2人は前作でも大活躍していたでしょう。あの2人はめちゃめちゃプロフェッショナルですね。僕たちスタッフも、大人に接するように話していても、それをちゃんと理解してくれるんです。お芝居でも、Aの芝居以外に何かないか、と言えばBを出してくるといった、演技の引き出しを持っていたりするんです。日本の子役の中でもトップレベルといえる2人と一緒に映画を作ることができるなんて、監督冥利に尽きますね。

しんべヱの朱理くんは、今回の映画のためにオーディションで選んだ新人なんです。彼の場合、テクニックとかじゃなくて彼自身が面白い(笑)。オーディションはしんべヱだけじゃなく、いい人がいれば乱太郎やきり丸も選ぶかもしれないよ、なんて言って集まってもらったんですけれど、朱理くんは明らかにしんべヱ狙いで来てるなってわかるんです(笑)。そこで、僕は意識的にきり丸のセリフを読んでもらったりしました。しんべヱのキャラは作り込んで来てたらしいんですけど、いきなりきり丸のセリフを読まされてすごく慌てていた、それがとても面白かったんです。彼は太っていて、ゆるやかな坂道でもうまく走れない。キャメラマンも心配していましたよ。この3人がかもし出す不思議な和音が、とてもよかったです。

<b>田﨑竜太監督</b><br>スーパー戦隊や仮面ライダーなどの特撮ヒーローの製作に数多く参加。『非公認戦隊アキバレンジャー』でも、2シーズンともに監督を担当。

田﨑竜太監督
スーパー戦隊や仮面ライダーなどの特撮ヒーローの製作に数多く参加。『非公認戦隊アキバレンジャー』でも、2シーズンともに監督を担当。

■ 大ベテラン俳優から忍たまミュージカル出演者まで、まさに「忍たまオールスター」!

――また、乱太郎たちを厳しく指導する土井先生役の内博貴さんをはじめ、上級生忍者やフリーの忍者など、前作に負けずとも劣らないイケメンキャストが回りをガッチリ固めている点についてはいかがでしょう。

田﨑:映画をやるにあたって、ミュージカルやアニメの『忍たま乱太郎』を見返してみたんですが、若い女性ファンからの土井先生や潮江文次郎の人気がすごいみたいですね。女性ファンたちの楽しみ方も独特なものがあるようですから、そこをガッカリさせちゃいけないと思いました。特に上級生はミュージカルを観に来られたりする女性ファンのみなさんに納得していただけるキャスティングを目指しました。
(※編集部注:「忍たまミュージカル」からは、前内孝文さん(小松 田秀作役)が参加)

――極楽丸を狙うフリーの忍者・北石照代役には、田崎監督がメイン監督を務められた『非公認戦隊アキバレンジャー』でアキバブルーのスーツアクションを担当している大島遥さんが選ばれ、劇中でもアクロバティックなアクションを披露してくださっています。

田﨑:彼女は本来スーツの中でアクションする専門の人ではなく、女優さんなんですよ。でも、ボディランゲージの能力がとても高いので、アキバブルーを演じてもらってたんです。『アキバレンジャー』をがんばってくれたし、今度は顔出しでがんばってもらおうと思って、照代役に彼女を抜擢させていただきました。

アクションといえば、『侍戦隊シンケンジャー』でシンケングリーンを演じた鈴木勝吾くんに山田利吉を演じてもらいましたが、彼は立ち回り経験があるので、動いてみるとすごくプロの忍者っぽく見えるんです。大島さんと鈴木くんの2人がすごいアクションをやってくれるので、この映画をアクション映画っぽい印象にしてくれているんだと思います。

前内孝文さん(忍術学園の事務員・小松田秀作役)

前内孝文さん(忍術学園の事務員・小松田秀作役)

鈴木勝吾さん(フリーの忍者・山田利吉役)

鈴木勝吾さん(フリーの忍者・山田利吉役)

――また、刀鍛冶の栗塚旭さん、キクラゲ城城主の曽我廼家文童さん、忍者学校校長先生の芦屋小雁さんなど、大ベテランの俳優さんが大挙出演されているのもすごいです。しかも、みな一様にズッコケギャグに挑戦しているところがいいですね。

田﨑:そうですね。栗塚さん、文童さん、小雁さん、佐川満男さん(ドクタケ代官役)といった方々は、京都で撮らない限り、なかなかご一緒する事が出来ない方々なんですよね。みなさん、関西喜劇の独特な空気感をお持ちですから、コケるタイミングとか、ギャグを受ける"間"というのは絶対に逃さない。既に大ベテランの域ですが、そういった感覚は鋭さを増しているようにも感じました。

いくらお年を召していても、そういった感覚は絶対に狂わないんですよ。本当にすごいですね。

――ギャグといえば、この映画には早いテンポで次から次へとギャグが出てきますよね。それも、言い方は失礼かもしれませんが、小学生が好みそうなストレートなギャグが。

田﨑:子どもたちに一瞬で伝わる単純なギャグは意識的に入れています。やっぱり、そうしないと飽きられてしまいますからね。螢雪次朗さん(山田伝蔵役)の女装とかも笑いの要素かな(笑)。蛍さんは、こういう役でも嬉しそうにやってくれるから、すごく好きなんですよ。最近の蛍さんは重厚な演技をされることが多くて、とても素晴らしい役者さんなんですけれど、こっちの面(ギャグ)の蛍さんもいいんですよ、忘れないでね(笑)っていう思いを込めて演出しました(笑)。

――コワい大人も、みんな子どもみたいにひょうきんな一面を見せるなんて場面が多かったですね。

田﨑:普段ギャグとは縁がないような方も笑いを取りに行く(笑)。役者さんそれぞれが持つ雰囲気も大きかったですよ。たとえば、寺田農さん(木耳良兼役)くらいの方が小学生と同じレベルに降りて、子どもと同じ感覚になってくれるというのがすごいんです。寺田さんを見て、役者ってすごいなあと思いました。今回の大ワルを演じてくださった、切羽拓郎役の永澤(俊矢)さんもそうですよ。「監督、こういうことやってもいいですか」なんて、あちらからアイデアを盛り込んできたりね(笑)。

芦屋小雁さん(忍術学園学園長・大川平次渦正役)/左<br>栗塚旭さん(刀鍛冶・六道辻ヱ門役)/右

芦屋小雁さん(忍術学園学園長・大川平次渦正役)/左
栗塚旭さん(刀鍛冶・六道辻ヱ門役)/右

■ 夏休みを予習復習できる最高の「夏休みムービー」!

――VFXもふんだんに使われていますが、田﨑監督にとってこういった特殊効果を用いた演出プランは『仮面ライダー』シリーズなどの経験が活かされているのでしょうか。

田﨑:忍者たちが石垣を垂直に走るシーンとか、乱太郎がギリギリのところで手裏剣かわすシーンとかですね(笑)こういった派手な部分にもCGを使っていますが、言われないと気付かないってところにもCGが使われているんですよ。敵陣に乗り込む際の「引き」の画面を撮る時、遠方に高速道路が映りこんでしまうので、そこをデジタルで消してたりしてるんです。お城の全容も、CGで作っています。実際には石垣の部分しかないんですけれど、わからないようにうまく合成してあります。

――漫画原作者の尼子騒兵衛さんが出演されるのも、今回の映画の大きな話題ですね。

田﨑:原作漫画にそういうシーン(原作者が登場)があったりするので、これを実写映画的に活かしてみようと思い、尼子先生に出演していただくことになりました。僕としては演技指導なんてあまりしなかったんですけれど、先生は非常に高いテンションで、自然なお芝居をしてくれました。映画のどのシーンに、どうやって出てくるのか、見つけてみてください。

――最後に、今回の映画の見どころをお願いします。

田﨑:公開日は7月6日ということで、実際の夏休みよりも少し早いんですね。ですから子どもたちに向けて夏休みを「先取り」っていうか、これからこんな楽しい夏休みになってくれたらいいな~という思いで観てくだされば嬉しいです。すごくワクワクして、楽しくなるような「夏休みムービー」を目指しました。

子どもたちにはこれからの夏を思いっきり楽しんでほしいです。宿題のことはいったん忘れて、休みも終わりごろになって、あっやべえ、やってない! って青くなるところまで含めて(笑)夏休みを楽しんでください。そして子どもたちだけでなく、大人も楽しめる内容になっていますので、ぜひたくさんの人たちに映画館へ来ていただきたいですね。

――ありがとうございました!

【DATA】

2013年7月6日(土)公開

2013年7月6日(土)公開

<キャスト・スタッフ>
原作 尼子 騒兵衛「落第忍者乱太郎」(朝日新聞出版刊)
監督 田﨑竜太
出演 加藤清史郎(猪名寺 乱太郎)、林 遼威(摂津の きり丸)、神月朱理(福富 しんべヱ)、内 博貴(土井半助/忍術学園の1年は組教科担任)

>>映画『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』公式サイト
>>忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段 (movie_nintama)
>>映画「忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段」 Facebook

(C)2013「忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段」製作委員会
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