『エンダーのゲーム』、白石涼子さんにインタビュー!

危険な香りすら漂う姉弟愛に注目! 『エンダーのゲーム』、白石涼子さんにインタビュー!

多くのアニメーション作品に多大な影響を与えたというオースン・スコット・カード原作、ギャヴィン・フッド監督のSF映画『エンダーのゲーム』。今冬の注目映画のひとつだ。

2014年1月18日(土)より全国公開を控える本作だが、今回はその日本語吹き替え版において、ヴァレンタイン・ウィッギン役を担当する白石涼子さんにお話を伺うことができた。

■ ちょっと危険な香りがする兄妹関係なんです

――まず、演じられたヴァレンタインという役について教えてください。

白石涼子さん(以下、白石):エンダーのお姉ちゃんという立ち位置で、本当にエンダーのことを愛していて、エンダーもヴァレンタインのことを必要してくれる。ちょっと危険な香りがするくらいの関係なんです(笑)。強い絆で結ばれたふたりのため私の演じるヴァレンタインは、エンダーにとって特別な存在の人物ですね。

 ヴァレンタイン自身も、エンダーと同じバトルスクールの準備学校出身なんですが、彼女は優しすぎるという理由から適正で弾かれて、エンダーのようにバトルスクールに選ばれなかった。ただ、ヴァレンタインは、エンダーが成長していく上で絶対に必要不可欠なキャラクターです。出番はそれほど多いわけじゃないんですけど、「これは大事に演じないと」と常に意識するようにしていました。

――限られた出番の中でありながら重要人物という、非常に難しい役所だったと思うのですが、どのような気持ちで演じられましたか?

白石:エンダーのことを誰よりも愛していて、心から心配している優しさを、声で表現できればなと。ただエンダーを褒めたり慰めたりするのではなく、本当の意味でエンダーのためになることを考えて送り出す、お姉さんの気持ちを意識して演じました。原作と映画では少し姉弟の描かれ方が違うのですが、映画の方はより愛情がストレートに表現されているように感じましたね。

●ヴァレンタイン・ヴィッギン
(アビゲイル・プレスリン/CV:白石涼子)
ウィッギン家の第2子でエンダーの姉。類まれなる明晰な頭脳に、人の心をとらえて離さないカリスマ性を持つ少女。だが、彼女の欠点は優しすぎる共感力にあり、それが原因で指揮官候補から落とされる。また、その逆で、兄ピーターは残虐な性格ゆえに失格に。そんな兄ピーターの標的となってきたエンダーの唯一の理解者である。

■ 兄弟で見つめあうシーンは、まるで恋人みたい

――映画をご覧になられて、どんな感想を抱かれましたか?

白石:とにかくエンダーが格好良かったです! 最初は勿論かわいくて、幼い男の子という印象だったんですが、自分が何のために生まれたのかを意識するあたりから、皆のリーダーとしてどんどん頼もしくなってきて……。いろいろな壁にはぶつかるんですけど、それでも揺るがない「強さ」というのが印象的でした。ラストシーンも気持ちよくて、そこでエンダーが見せる表情も凄く良かったですね。

作中を通して凄くテンポがよく、物語の中に引き込まれました。ドロドロした人間関係が描かれることもあるんですが、それで展開がもたつくようなこともなくて、時間があっという間に感じられましたね。近未来的な世界観というのも面白くて、終始ワクワクしていました。

――作中で思い出深いシーンなどはありますか?

白石:エンダーとヴァレンタインが、それぞれお互いを見る時の目が印象に残っています。実際に顔を合わせる場面はあまり多くないんですが、その時の雰囲気がまるで恋人同士みたいで……。表情だけでお互いに必要で特別な存在なんだなというのが分かるくらい、強い絆で結ばれているんだなということが伝わってきました。

■ 「えーっ!」と驚く展開もあり、最後まで目が離せない作品です

――収録の際の苦労や、注意した点などのエピソードがあれば教えてください。

白石:台本をいただいてから、画面と本を見比べるようにしながら自分の当てる部分をチェックしたのですが、『エンダーのゲーム』は画面の中の情報量が非常に多いので、この台詞が指しているものは何なのか見つけ出したりするのに苦労しましたね。その点、吹き替えだと言葉が耳に直接はいってきて画面に集中できるので、吹き替えで観るのにもってこいの作品じゃないかと思っています(笑)。

――最後に、アニメイトTVの読者の方々に向けた、本作の見所などお願いします。

白石:原作小説からオマージュとして生まれた日本のアニメもたくさんありますし、小説が書かれてから何十年も経過して出来たこの映画も、そうして生まれた作品の影響を逆に受けている部分はあると思うんです。私自身も、司令室やスーツのデザインなどで『新世紀エヴァンゲリヲン』を連想しました。そういった現代の作品との共通点を探しながら観るというのもこの映画『エンダーのゲーム』の面白さだと思います。個人的には、実写なんだけどゲームやアニメを観ている時と近いような感覚で楽しめました。

お話も凄く練られていて、「えーっ!」と驚くような展開もあり、最後の最後まで目が離せない作品になっているので、是非映画館の方に足を運んでいただければと思います。

<公開情報>
2014年1月18日(土)全国公開

◆日本のアニメに影響を与えた伝説のストーリー
エンダー・ウィッギンは禁断の“サード(第三子)”として生まれたために、友達もいない孤独な少年時代を過ごしていた。
だが、彼はエンダー(終わらせる者)という名の通り、宇宙戦争を終わらせ地球を滅亡から救う使命を背負っていたのだ。
敵は、独自に進化し圧倒的な軍事力を誇る昆虫型生命体フォーミック。
その第二次侵攻に備え、世界中から選抜された少年戦士たちと共に防衛軍ベースキャンプのバトルスクールに送られた
エンダーは、過酷な訓練によって宇宙で戦うためのあらゆる術を叩き込まれる。たとえ敵であろうと、多くの生命を奪う戦争は許されるのか?…エンダーは強い疑問を抱き苦悩しながらも、驚くべき速さで戦士として頭角を現し、少年戦士たちの指揮官となる。いつ開戦するかもわからない焦燥感と、絶望的なまでの孤独や重圧と戦うエンダーに、最終戦争の時が迫る。
そこには純粋な彼の心を破壊しかねない、衝撃のエンディングが待ち受けていた…。



<STAFF&CAST>
監督:ギャヴィン・フッド/脚本:ギャヴィン・フッド/原作:「エンダーのゲーム」オースン・スコット・カード著
出演:エイサ・バターフィールド ヘイリー・スタインフェルド ベン・キングズレー ヴィオラ・デイヴィス with アビゲイル・ブレスリン and ハリソン・フォード
原題:Ender’s Game
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

◆主な吹替キャスト一覧
エンダー/逢坂良太
ペトラ/佐藤聡美
ヴァレンタイン/白石涼子
ビーン/沢城みゆき
アーライ/桑島法子
ボンソー/内山昂輝
メイザー/麦人
グラッフ/磯部 勉
アンダースン/斉藤貴美子
ダップ/乃村健次
テレサ/田中敦子
シャムラジナガル/大友龍三郎
ジョン/志村知幸
ピーター/阪口周平
ディンク・ミーカー/木村 昴
バーナード/田谷 隼

>>映画『エンダーのゲーム』公式サイト

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