【アニサマ2014】「Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-」1日目ライブレポート！JAM Project、和田光司さん、T.M.Revolutionらがアニソンの輪を作り出す

　2014年８月29日、30日、31日の３日間にわたって、さいたまスーパーアリーナ（以下、SSA）で日本最大のアニソンイベント「Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-」（以下、アニサマ）が開催された。2005年の第１回開催から、今年で10回目を迎えるアニサマ。29日に行われた１日目の公演には合計20組のアーティストが出場した。本稿ではその模様をお届けする。

●【1日目】8月29日(金)出演者
藍井エイル、ALTIMA、Wake Up, Girls!、小野賢章、艦隊これくしょん -艦これ-、黒崎真音、ZAQ、JAM Project、sweet ARMS、STAR☆ANIS、谷本貴義、茅原実里、T.M.Revolution、9nine、流田Project、南條愛乃、fripSide、petit milady、Project.R、和田光司(50音順)

●JAM Projectの「SKILL」で解き放たれた10年目のアニサマ

　３日間にわたるお祭りのオープニングアクトを飾ったのは、JAM Project。「会いたかったぜー！アニサマー！」と言う影山さんの第一声とともに始まったのは「SKILL」。３年振りにアニサマに帰ってきたJAM Projectを、オーディエンスの大合唱と真っ赤なサイリュームが歓迎する。「I can fly,You can fly」、「Motto! Motto!!」のコールを繰り返す度に、アリーナは熱を増してゆく。「Wings of the legend」で重厚なコーラスを聴かせた後は「Breakthrough」「Rocks」「レスキューファイヤー」のメドレーで、JAM Projectが一気にアニソンを愛する魂に火をつけた。

　チャンバラ劇のアクションが繰り広げられた後、燃えさかる本能寺の映像をバックに、セクシーな赤いドレスと網タイツで現れたのは茅原実里さんだ。「FOOL THE WORLD」を妖艶に歌い上げ、続く「境界の彼方」ではオーディエンスに手を振り「みんな～、ありがとー！」と笑顔を見せる。自身もデビュー10周年を迎えた茅原さんは、アニサマを「大切な出逢いをくれる場所」と語った。ハードロックナンバーの新曲「向かい風に打たれながら」では「もっともっとー！」とオーディエンスを煽り３曲それぞれの顔で魅せた。

　その後、アニソンに新しい風を送り込んで来たZAQが登場しアニサマの１年目から10年目までのテーマを詠み込んだオリジナルラップ「ZAQNESS」を披露し、ZAQの魅力を詰め込んだステージでその存在を見る者の記憶に刻みつける。

●初舞台を踏む話題のアイドルユニットが勢揃い！

　今年の目玉のひとつは、アニメ作品から生まれたアイドルユニットのアニサマ初ステージだろう。野水伊織さん、富樫美鈴さん、佐土原かおりさん、味里さん、による声優ユニットsweet ARMSは、アニメの映像をバックに「Trust in you～デート･ア･ライブ」を披露。

　同じく初登場の「WUG」ことWake Up Girls！はTVアニメのOP「7 Girls War」とデビュー曲「タチアガレ！」の２曲でライブを通じて成長した姿を見せる。田中美海さんのマイクにトラブルが起こった場面では、観客からは「みにゃみー！」という熱い声援が飛んだ。

　また、子どもから大人までも巻き込み一大ブームを巻き起こしている『アイカツ！』のSTAR☆ANISは、星宮いちごがゲートにカードをセットしステージに向かう映像演出に始まり、「アイドル活動！」「Signalize!」「ダイヤモンドハッピー」のメドレーで盛り上げる。アニメでおなじみの「アイカツ！　アイカツ！」の観客の掛け声に合わせてセンターステージへと戻る愉快な一幕も見られた。

　アイドルユニットによるステージラッシュのラストを飾ったのは、川島海荷、佐武宇綺らの所属する9nine。張り出しステージに立ちに現れた9nineは「マギ」のED「With You / With Me」をクールに歌い、一連の流れを締めくくった。

●Project.R、ALTIMAが独自のパフォーマンスで魅せる

　今回のアニサマで、３度ステージに登場することになる南條愛乃さんは、ソロで「東京レイヴンズ」のEDテーマ「君が笑む夕暮れ」を披露。アコースティックギターの演奏をバックに高らかで伸びやかな歌声を響かせる。

　続いて現れた、谷本貴義さんは会場の空気を一変させ「ドッカン！ドッカン!」の掛け声が楽しい「Dragon Soul」、「空・前・絶・後 Kuu-Zen-Zetsu-Go」をメドレーで聴かせる。

　そんな、谷本さんのMC中に「タニー！」という呼び声が聞こえると、Project.Rの鎌田章吾さんとYOFFYさんがフロートに乗って登場。ステージにいた谷本さんを乗せ「ビュンビュン! トッキュウジャー」を歌いながらアリーナを一周した。

　続いて、盛り上がり必至のALTIMAの３人が登場。「MOTSUさーん！」という男性からの熱いコールがあちこちから挙がる。「アクセル・ワールド」のOPテーマ「Burst The Gravity」では、センターモニターに「オバマが到☆来」、「わざびがPON」など、動画サイトで話題になった空耳の弾幕コメントが映し出されるという粋な演出が行われ、オーディエンスの盛り上がりはさらに加速する。ノンタイアップ曲の「CYBER CYBER」では、MOTSUさんの振り付け指導が行われ、先ほどステージを終えたばかりのWake Up, Girls!、STAR☆ANIS、9nineが再び登場し、ともにALTIMAのステージを盛り上げた。

●復活を果たした和田光司さん、オーディエンスと「Butter-Fly」を合唱

　休憩明けにドラムソロで再開を告げたのは、さいたまスーパーアリーナの前にあるけやきひろばの演奏ステージから、アニサマのステージへと辿り着いた流田Projectだ。「未来聖闘士Ω～セイントエボリューション～」を演奏した後、Project.Rの鎌田章吾さん、YOFFYさん、谷本貴義さんを招き入れ「僕たち、特撮を歌ってきたから普通のアニメソングは歌えないなぁ。アニメじゃないやつ歌ってもいいですかぁ～！」と言うと『機動戦士ガンダムZZ』の「アニメじゃない～夢を忘れた古い地球人よ～」をカバーし、熱い演奏で初舞台を飾った。

　続いて、小杉十郎太さんのDJ風のナレーションで歌番組風に紹介され、petit miladyの竹達彩奈さんと悠木碧さんが登場。そろいのドレスに身を包んだ二人は、昭和歌謡風の新曲「恋はみるくてぃ」とコミックソング「スキ キライ キライ 大スキ▽（※▽はハートマーク）」の２曲を披露。「もぅ大ッキライ！」や「こっちのセリフだっつーの！」など曲中の小芝居でも楽しませ、最高にキュートな時間を届けた。

　演目が謎に包まれていた『艦これ』こと、『艦隊これくしょん -艦これ-』は、艦娘に扮した藤田 咲さんと野水伊織さんと東山奈央さんが「アニサマ海域」に参上。藤田さんと野水さんが「第一航空戦隊 旗艦二代 赤城・翔鶴(艦隊これくしょん -艦これ-)」となり「暁の水平線に」を、東山奈央さんは壮大なバラード曲「提督（あなた）との絆」で、金剛、比叡、榛名、霧島の「金剛型高速戦艦 金剛・比叡・榛名・霧島(艦隊これくしょん -艦これ-)」４人キャラクターの歌声を使い分け演技と圧巻の歌唱パフォーマンスを見せつけた。

　『艦これ』と同じく、注目を集めていた若手声優の小野賢章さんは、自身が主役を演じた『黒子のバスケ』のEDテーマ「FANTASTIC TUNE」を熱唱。ラストでは見事にバク宙を決め、初登場とは思えない堂々たるステージを魅せつけた。

　そして、病から復活を果たした和田光司さんが満を持してアニサマのステージに登場。和田さんの歌うアニソンのアンセム「Butter-Fly」には誰もが胸を熱くしたことだろう。オーディエンスとステージが大合唱に包まれた時、それはまさに皆がひとつになれる瞬間だった。

●トリを飾ったT.M.Revolutionが語るアニソンへの想い

　アニサマ３年連続出場を果たした藍井エイルさんは「IGNITE」、「シリウス」と胸を熱くするナンバーを連続で披露。活き活きとした表情でパワフルな歌声をアリーナに響き渡らせた。

　その後「大好きなあの人を呼びたいと思います」と黒崎真音さんを招き入れると『機動戦士ガンダムSEED』のOPテーマ「Believe」をロックバージョンでカバー。白いドレスをまとったお姫様のような黒崎さんと、ショートパンツ姿の凛々しい藍井さんは、対照的なビジュアルでも見る者を惹きつける。デュエットの後、黒崎さんは黒いドレスに衣装をチェンジし、ソロステージでは「X-encounter」で白仮面をつけたダンサーたちとのステージパフォーマンスを披露した。

　前半でソロのステージを終えたばかりの南條愛乃さんは、再びfripSideとしてsatさんとともに登場。ライブには欠かせない「sister's noise」でアリーナはいつものように大揺れ。アリーナをウルトラオレンジに染め上げ、クライマックスに向けて盛り上げてゆく。新曲「black bullet」では、「ブラック・ブレット」から生まれた劇中のアイドルユニット、天誅ガールズ（海保えりかさん、深沢紗希さん、澤田明菜さん、板山紗織さん、渡辺くるみさん、佐々木璃花さん、錦織めぐみさん）も応援に駆けつけ、fripSideのステージに華を添えた。

　そして１日目のトリを飾ったのは、T.M.Revolutionこと西川貴教さんだ。アニソン界だけでなく、日本の音楽シーン全体で活躍して来た西川さんは、90年代のJ-POPの名曲「WHITE BREATH」を皮切りに「機動戦士ガンダムSEED」の主題歌「INVOKE」のロックバージョン、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の「ignited -イグナイテッド-」を連続で披露。「聞かせてくれよ！お前らの声をー！」とオーディエンスを煽りまくり大合唱を作り上げる。

　西川さんはアニサマ10周年のトリを飾るにあたって特別な想いを語った。「僕は、かねてから音楽にジャンルとか垣根とかはないって言い続けてきました。だからこそ、このJ-POP畑で生まれたT.M.Revolutionが、このアニサマのトリを飾ってるんだよなあ！！（中略）アニメソングとか、J-POPだとかJ-Rockとか関係ねぇんだよ！　自らに規制を作ってどこからが仲間でどこからが仲間じゃねーとか、そんなのどうでもいいんだよ！今俺たちが一つになんなきゃどーすんだよ！（中略）俺はこうやって、アニメやゲームの主題歌をやらせていただく度に、始めた当初はJ-POPのアーティストがアニメやオタクカルチャーに媚びてると言われました。うるせえよ！こっちは好きでやってるんだよ！　どこのどいつに四の五の言われる筋合いはないねーんだよ！　だよなぁ！」とありったけの思いをぶつけた。

　最後は、西川さんの楽曲で初のアニメタイアップを果たした『るろうに剣心』のEDテーマ「HEART OF SWORD ～夜明け前～」が歌われた。西川さんがマイクをオーディエンスに向け、アリーナが大合唱に包まれた時、アニソンがジャンルや時代を越えてひとつに繋がる瞬間を体現していた。曲を歌い終える毎に、次々と衣装を脱ぎ捨てた西川さんは最終的に半裸の状態となり、カーテンコールのコメントでは「乳首が出ていてすみません。もう本当に今日、思い残すことはありません。その現れがこの乳首でございます」と軽快なトークで最後の最後までオーディエンスを楽しませた。

　こうして幕を開けた2014年のアニサマは、２日目へと続いてゆく。

◆Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-

【開催日】
2014年8月29日、8月30日、8月31日

【会場】
さいたまスーパーアリーナ

【出演】

●【1日目】8月29日(金)
藍井エイル、ALTIMA、Wake Up, Girls!、小野賢章、艦隊これくしょん -艦これ-、黒崎真音、ZAQ、JAM Project、sweet ARMS、STAR☆ANIS、谷本貴義、茅原実里、T.M.Revolution、9nine、流田Project、南條愛乃、fripSide、petit milady、Project.R、和田光司(50音順)

●【2日目】8月30日(土)
アイドルマスター（中村繪里子・今井麻美・下田麻美・沼倉愛美）、アイドルマスターシンデレラガールズ（大橋彩香・福原綾香・原紗友里・青木瑠璃子・松嵜麗・佳村はるか）、アイドルマスターミリオンスターズ（山崎はるか・田所あずさ・Machico・麻倉もも）、angela、Kalafina、喜多村英梨、栗林みな実、GRANRODEO、地獄の沙汰オールスターズ 阿仁尊地獄篇、ピーチ・マキ、fhana、FLOW、堀江美都子、堀江由衣、三澤紗千香、ミス・モノクローム、三森すずこ、ももいろクローバーZ(50音順)

●【3日目】8月31日(日)
アフィリア・サーガ、いとうかなこ、奥井雅美、小倉 唯、OLDCODEX、鈴木このみ、田村ゆかり、橋本仁、プリキュアサマーレインボー!（五條真由美、工藤真由、池田彩、吉田仁美、仲谷明香）、水樹奈々、宮野真守、μ's、May'n、motsu、ゆいかおり(小倉 唯＆石原夏織)、悠木 碧、LiSA(50音 順)

【主催】
MAGES.、文化放送

【協賛】
ＬＩＶＥ ＤＡＭ 第一興商、グッドスマイルカンパニー、ブシロード


【後援】
埼玉県、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン、KADOKAWA、キングレコード、ZERO-A、ソニー・ミュージックエンタテインメント、DIVE II entertainment、日本コロムビア、5pb.、フライングドッグ、ポニーキャニオン、マーベラス、ランティス、ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

【企画】
アニサマプロジェクト実行委員会

【協力】
さいたまスーパーアリーナ、セブン-イレブン・ジャパン、タワーレコード、ぴあ

【制作協力】
グランドスラム


>>「Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-」公式サイト