声優
原田ひとみさん 1stアルバム発売記念インタビュー【前編】

「自分が歌ってきた曲なのに、曲の持つパワーがそれぞれ強過ぎて」――原田ひとみさん 1stアルバム『glänzend』発売記念インタビュー【前編】

 原田ひとみさんが2月4日(水)に1stアルバム『glänzend』をリリースします! シングルデビュー前の『機巧少女は傷つかない』のイメージソング「MACHINE DOLL」から『いつか天魔の黒ウサギ』『アルカナ・ファミリア』『閃乱カグラ』『精霊使いの剣舞』などのアニメのテーマ曲に、新曲、未発表曲などをぎゅっと詰め込んだ14曲入り。

 なお初回限定盤にはリード曲「ルシファーと言う名の翼」と、フルサイズ初公開の「Anicca」、「共鳴のTrue Force」のミュージッククリップも収録! 注目の『glänzend』発売を記念して、原田ひとみさんに前後編にわたるロングインタビューを実施! 前編となる今回はアルバム完成の感想とアルバム名の由来、選曲などについてお聞きしました。また前後編で全曲を紹介しますのでぜひ合わせて読んでください!




●原田さんのアーティストデビューから3年半の軌跡が遂に1枚に!

――1stアルバムを出すことが決まった時の感想は?

原田ひとみさん(以下、原田):「やっと出せるんだ」って(笑)。デビューシングルをリリースしたのが2011年7月だったのでここまで長かったし、ファンの方からも「まだアルバム出ないんですか?」とよく聞かれていて。

――既に8枚もシングルを出していて、曲数的には2枚くらい出せるほどのストックがありましたからね。

原田:そうなんです。でも私も「どうなのかな? もしかしたらこのまま出せないのかも?」と思いかけていたので、決まった時はすごくうれしかったです。そして、皆さんの応援のおかげでここまでたどり着けて、本当に感謝しています。

――実際にアルバムを制作するにあたって難しいのは選曲だったのでは? シングル曲も全曲収録されていないくらいですから。

原田:実は意外にすんなりと決まりました(笑)。まずアニメのタイアップの曲を中心に収録して、あとゲームのテーマ曲に新曲と。私が個人的にどうしても収録したいですとお願いしたのが『機巧少女は傷つかない』のイメージソング「MACHINE DOLL」で。私自身も納得の14曲が集まりました。

――新曲やCD化されていなかった曲が5曲も!?

原田:新録したのはリード曲にあたる「ルシファーと言う名の翼」、「Velvet Crow」、「Chromatic Words」の3曲で、初CD化の「Fly Away」と「Promessa」の2曲は2013年に録り終えていて、特に「Promessa」はPSP用ソフト『アルカナ・ファミリア2』のOP曲だったのでお待たせしました! という感じですね(笑)。

――1曲目、リード曲「ルシファーと言う名の翼」から始まって、13曲目に「MACHINE DOLL」、ラストにデビューシングル「Once」と大切な曲を終盤にそろえて。曲順に想いや意味を感じました。

原田:そうですね。曲順はお任せしたんですけど、私もこの配置がベストだなと。


●圧倒的なサウンド感でまばゆく“輝かしい”アルバム

――アルバムを全曲通して聴いてみた感想は?

原田:マスタリングに立ち会っていたので、全曲大音量で聴いたんですけど、圧倒されましたね。自分が歌ってきた曲なのに、曲の持つパワーがそれぞれ強過ぎて。また感動という言葉では表現しきれないほど魂を揺さぶられたし、いろいろな感情が駆け巡りました。

――ほぼすべての収録曲がアッパーですね。改めて原田ひとみはエモーショナルで熱い歌い手だなと。

原田:ありがとうございます。でも激しい曲が多いうえに、テクニカルで難しい曲ばかりで大変(笑)。一緒に聴いていたサウンドプロデューサーが「すべてがメインディッシュという豪華さで満腹になるアルバムだね」と言ってました。私もすごくカロリーが高い1枚だなと。聴く方も1枚聴き終わるとかなり消耗するのでは?(笑) タイトルに恥じないアルバムになったかなと思います。

――ちなみにアルバム名の由来は?

原田:ドイツ語で“輝かしい”という意味です。最初はリード曲をそのままタイトルにしようかなと思っていたら「ルシファーと言う名の翼」という曲名になって。そうなるとアルバム名は『ルシファー』かなと思ったけど、“明けの明星”以外に“堕天使”という意味があって、後者のイメージが強くなってしまいそうだし、ジャケットも真っ黒な衣装だったので余計にそう見られそうで(笑)。改めて私が考えました。プロデューサーから「ドイツ語で」という指定があって、いくつか候補を出した中から私も気に入っていたこのタイトルに決まりました。


●リード曲「ルシファーと言う名の翼」は原田ひとみの音楽活動を総括したような壮大でさわやかなナンバー

――「ルシファーと言う名の翼」はスピード感のあるサウンドと絶望から希望に変える地から強い歌詞でオープニングチューンらしいですね。

原田:新曲を作ることになった時、作曲は「MACHINE DOLL」や「Anicca」でお世話になったとくさんにしていただきたいなと。『機巧少女は傷つかない』がアニメ化してOP曲を歌わせていただけることになった時にも作詞をLINDENさん、作曲をとくさんにぜひとお願いしたんですが、今回もリード曲にふさわしい曲を作ってくださいました。そして作詞は「Once」を書いてくださった岩里祐穂さん。こんな豪華なコンビで作っていただいて幸せです。とくさんのサウンドは壮大で疾走感と広がりのあるさわやかなオケで。でもやっぱり難しいんですけどね(笑)。

 岩里さんの歌詞も素晴らしくて。“煌めき放つ金星(ほし)こそがルシファー”というフレーズがあるように“ルシファー”は“金星”や“明けの明星”を意味する言葉で。“嘆きの底に堕ちたとき 初めて人は光を見るはず”や“光のない場所でこそ 輝くだろう どんな光も”など歌詞の1つひとつに深みがあって、すごく共感できました。

――お気に入りのフレーズは?

原田:1番とラストのサビに出てくる“あなただけが私をいま この絶望から 連れだしてくれる天使なんだ”ですね。“そして私は泣き続けるでしょう 耳をふさいで声も出せぬまま”や“愛し過ぎた私はすべてを夢見るように失いました”など絶望に沈んだ後にくる希望が見えるフレーズで、ここに言いたいことは集約されているのかなと思いました。

――原田さんの歌ってきた曲は、絶望の淵から立ち上がる、強い曲が多い気がします。

原田:確かに(笑)。私の歌い方のせいかもしれないけど、深く感情を込めてしまうのでそういう歌詞がハマりやすいのかもしれないですね。だからこういう曲が1stアルバムの1曲目というのも私らしいのかも(笑)。今までの音楽活動を総括するような1曲になったと思います。

――レコーディングはいかがでしたか?

原田:私の普段のレコーディングは作り込みながら歌うので、いろいろなパターンを歌っているんです。Aメロ、Bメロ、サビにしてもそれにコーラスもやっていますし。あるところでこの言葉を強く言ってみたり、あるところでは別の言葉にビブラートをかけたり、それを繰り返した後、みんなで検証して「この歌い方がしっくりきた」とか「これが言いたいところだった」というのを組み合わせながら作っていくんですが、この曲に関しては大サビの最後の“連れだしてくれる天使なんだ”はすごくロングトーンになっていて。たぶん、その時、叫びだしたくなる心境だったんでしょうね(笑)。気持ちのままに出してみた声をOKテイクにして。そんな瞬発的な感情や感覚を練り上げて歌い上げた1曲に仕上がったと思います。

●重厚感と凛々しさを表現した「疾走論」、歌詞の美しさに衝撃を受けた「求愛リアル」

――では他の収録曲全部のお話も。2曲目の「疾走論」は5thシングルでスピード感のある曲。何も身にまとわずこちらをにらむジャケットも衝撃的でした。

原田:ジャケットはそんな反応があったかも(笑)。私が飛鳥役で出演していた、アニメ『閃乱カグラ』のED曲です。デモでいただいた時点ではもっとキーが高かったんですけど、「ちょっとおもしろ味にかけるね」と言われて。また重厚感や低音を出したほうがカッコイイということになって、キーを下げて歌いました。5人の少女忍者のお話にふさわしく、“地中に埋もれた原石(いし)のように 目を閉じ夜明けを忍んだ”という歌詞があったり、曲名通り、“走りつづけ”というフレーズもいっぱい出てくる歌詞やサウンドに駆け抜ける疾走感がありつつ、重い宿命を背負い、戦う凛々しさや強さが表現された曲になったかなと思います。

――「求愛リアル」は1stシングル「Once」のカップリング曲ですね。美しいピアノの調べから“君がもし苦しめば このカラダを傷つけても一緒に苦しむよ”や“ぐしゃぐしゃに 愛しておくれ”などかなり激しいラブソングです。

原田:実は「Once」よりも先にレコーディングして。ここから始まりました。岩里さんからいただいた歌詞を見た時、衝撃的でした。普通、“目映いKISSの死刑台”なんて思いつかないじゃないですか? 私の希望や要望も聞いてくださって。こんなにがっつりレコーディングしたのも、マスタリングまで立ち合わせていただいたことも初めてで。今まではあくまで作品世界観やキャラに沿って、オーダー通りに歌う感じでしたが、初めて原田ひとみを主張して歌った曲だと思うし、思い出深い曲です。


●「共鳴のTrue Force」はクールに、「Burnt Red」はドSっぽく

――「共鳴のTrue Force」は英語パートが多くて、速いリズムの中でスラスラと流暢に歌えるのがすごいし、クールです!

原田:その英語に苦戦しました(笑)。作詞のLINDENさんは英語ができる方なので発音など細かくて。「そのrはそうじゃなくて」とか。レクチャーを受けながら発音を細かくチェックされてできた曲なのに、「英語ができてない」という意見が届いてちょっとヘコみました(笑)。実は聴きやすいようにあえて和製英語的な発音で歌っているところもあって、聴く人のこともちゃんと考えているんですよ。そこはわかってほしいな。

 この曲は英語だけでなく井内さんの曲がリズムも超速いし、テニクニカルなのにずっとフルパワー状態という。井内さんとは初めてなのにこんなハードルが高い曲をぶつけてくるなんて意地悪だなと(笑)。歌詞を書いたLINDENさんでさえ、最初はあの速さでは歌えなかったそうですから。この曲に出会うまでは「Anicca」が一番難しい曲だと思っていましたが、まだ上があったかと。でも井内さんの曲が好きなのでまた曲を作ってくださいとお願いして「Velvet Crow」を作っていただきました。仕上がりを聴いたらカッコよかったので、本当に嬉しかったですね。ミュージッククリップでも剣を持って構えたりして。初回限定盤に付くDVDに収録されていますので、ぜひ凛々しい私の姿を(笑)。

――「Burnt Red」はトランスっぽい雰囲気のあるダンスチューンですね。

原田:『機巧少女は傷つかない』のスマホ用ゲームのテーマソングで、ラスボスの曲で、主人公に対しての狂おしい愛を歌っています。この曲はドSなんですよね。でも悲しみを背負っていて。私好みの曲と歌詞になっています。レコーディングもすごく楽しくて、きっとむかつく顔をしながら歌っていたと思います。“勝てると思うの?~笑える”とか。OKテイクも一番小バカにしたものを選んで(笑)。カッコイイ曲なので楽しんでほしいですね。Mっ気のある方だけでなく(笑)。


●「Velvet Crow」でも女王様ぶりを発揮、魔女感とオペラ調のビブラートに注目!

――「Velvet Crow」はダークファンタジー系の世界観で、ノータイアップなのに何でこのような曲を収録しようと?

原田:それは作詞のLINDENさんと作・編曲の井内舞子さんに聞いてください(笑)。井内さんに曲をお願いした時、アルバムのはし休め的な、もっとミドルでライトな曲になるのかなと思っていたら、めちゃくちゃカッコイイ曲だったので、またすごい曲が来ちゃったなと驚きとうれしさが。すごく好きな曲です! LINDENさんも私がドS系の歌詞が好きというのをわかっているから、今回も濃厚にたっぷりと。レコーディングでも“愚かさ祝して 嘲りをやろう”で、一番小バカにしてそうな歌い方を採用してます。

――3rdシングル「Scarlet Emblem」のMVあたりから女王様的なイメージが……。

原田:ドSをやっている時、楽しいんですよね。もっとやってやろうと拍車がかかって(笑)。でもそれだけでなく、人間ではないものの視点から見た歌なので、魔女感みたいなものを出せたかなと思うし、ダークな世界観を作れたと思います。

 あと今回、初めて挑戦してみたことがあって、部分部分でオペラ調のビブラートのかけ方をしているんです。神々が上から見下ろしている歌なので、ミステリアスな空間や神々しさを感じてもらえたらと思って閃きのまま歌ってみました。他にも随所に細かいニュアンスを詰め込んで。自由にやれることは楽しいんですけど、生みの苦しさもあって。体力と精神を削りながら突き詰めていって。その分、新たな表現をさせてくれた曲です。でも「Burnt Red」と2曲ドSっぽい曲が続くとさすがに濃過ぎですね(笑)。

[後編へ続く]

<リリース情報>
■原田ひとみ『glänzend』

発売日:2015年2月4日(水)
価格:
DVD付き初回限定盤3,600円(税別)

通常盤3,000円(税別)

発売:メディアファクトリー

<イベント情報>
■『glänzend』発売記念イベント

2月7日(土)東京・タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
12:00~
2月14日(土)東京・アキバ☆ソフマップ1号店
12:00~
2月14日(土)東京・AKIHABARAゲーマーズ本店
16:30~
2月28日(土)大阪・ゲーマーズなんば店
13:00~


>>原田ひとみ公式サイト

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