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「しずまよしのりライブペインティング+トークイベント」レポ

シーズン2も制作快調?『マージナル・オペレーション』「しずまよしのりライブペインティング+トークイベント」レポ

 戦争の現実をリアルに描き出す、芝村裕吏先生による小説『マージナル・オペレーション』。鬼気迫るシナリオももちろんのことですが、しずまよしのりさんが手掛けるイラストも人気の秘訣となっています。中野ブロードウェイにあるpixiv Zingaroでは、11月5~10日、12~17日の期間に渡り、『しずまよしのりマージナル・オペレーション画展』が開催されていました。

 11月14日には「しずまよしのりライブペインティング+トークイベント」も行われ、大盛況の内に幕を閉じています。本稿では、しずまさんによるライブペインティングイベントの模様をレポートでお届け。イベントにはシークレットゲストである芝村先生も駆けつけ、なかなか聞くことのできないレアなトークが繰り広げられていました。また、イベント終了後にお二人からいただいたコメントもご紹介しますので、最後までお見逃しなく。


●超レア! メイド姿のジブリール

 トップイラストレーターの腕前が生で見れるとあって、コアなファンたちが詰め掛けた会場。しかも、芝村先生も登場するとあって、みなさん目を輝かせていました。今回の司会を務めるのは本作の担当編集である平林さん。しずまさんのライブペインティングをメインに、3人が『マージナル・オペレーション』の制作秘話などを語っていきます。

 今回しずまさんが描くのはメイド姿のジブリール。すでに下描きの段階までは完成しているようで、主に着色などを披露してくださるとのこと。下描きだけでもかなりレアですが、これからどんな変貌が遂げられていくのか見ものです。

 しかし、初っ端から話題はなぜだかしずまさんの趣味である釣りの話へ……。「前職のときは徹夜明けに市ヶ谷フィッシュセンター付近によく行ってましたね」(しずまさん)、「僕は海釣りが好きで、しずまさんと一緒に行ったんですけど、しずまさんだけ釣れて。やっぱり売れてる人は違うなーって!(笑)」(平林さん)、「バス釣りが流行っているけど、ブルーギルってどうなのかな?」(芝村先生)、などなどかなりアットホームな空気には会場もにこやかになっていきます。

 といった話をしている間にもイラストは着々と進められていきます。まずは顔や目、肌の着色、そこから髪、洋服へと。しずまさんが実際に描いている画面がそのままスクリーンに映し出されているため、どのように製作が進められていくのか丸わかりです。「僕はけっこうイラストを回転させながら描きますね。髪を描くときとかは、バケツツールがあまり好きじゃないので、細かく描きます」と、しずま先生のこだわりポイントなども語られていきます。

 イラストが徐々に完成していきますが、とにかく細かいところの描き込みがすごいのが印象的でした。銃の傷や光の当たり方、洋服の装飾など素人目に見ても素晴らしいの一言に尽きます。平林さんによるとしずまさんのイラストは光の描き方がリアルだそう。「プロのデザイナーの人たちも、光の描き方がすごいと仰っていましたよ」(平林さん)とのこと。

 完成すると会場からも拍手が巻き起こります。「これ以上やると終わらなくなるので、今日はここまでということで(笑)」としずまさんは話していましたが、さらにこだわるとなると、どんな作品になるか気になるところですね。しかし、現状でもファンにとっては十分な作品には違いありません。しかも、このイラストはイベントの最後に、会場に集まったファンたちにプレゼントされていました。

●シーズン2の制作状況はいかに!?

 イベント終了後に芝村先生としずまさんからコメントをいただきました。こちらを最後にお届けします。


──まずはイベントを終えての感想をお願いします。

しずま:いやぁ、人が見ているところで描くのは初めてだったので、ちょっと緊張しましたね。画展でファンのみんなと話せたこともあって、少し緊張は和らいでいましたが。でも、流石に時間が足りませんでしたね。本気でやっていたら大変なことになっていましたよ(笑)。洋服の糸のところとか、全て差し色でいつも変えているんですよ。普通に描いていたら顔だけで1~2時間かかってしまいます。なので、「今日は頑張った俺!」って思いながら(笑)。今回の機材は画面が小さかったので、どんどん顔が画面に近くなっていったんですけど、老眼になってきたのか近くのものを見るのも大変で(笑)。

芝村:あー、老眼ね。私もヤバい(笑)。意地で老眼鏡かけてないですけど。今日のイベントはしずまさんがかなり集中していたので、話を振ってもなかなか返ってこなくて……。「ヤバいぞこれ!」って思いました(笑)。イラスト描いてるから当然なんですけどね。でも、流石に爪の色を塗りだしたときは「大丈夫かこの人!?」ってなりました(笑)。

しずま:「そこは妥協したくない!」って思ったんですけど、それを重ねると倍の時間がかかっちゃうので……。


──今回のイベントはアットホームな感じで、気兼ねなく話していたのが印象的でした。

芝村:国際情勢なんかで言うと、この作品では海外取材もけっこうやっていて、向こうに知り合いがたくさんできたんです。取材したところが後になって荒れたりすると、心が痛んだりしますよね。ミャンマーなんかは激動の渦に巻き込まれて、タイもきな臭くなり、私が作品に書いたところがことごとくうさん臭くなるので、いかんなぁと思いますね。

日本人って鎖国しているんですよ。海外に対する興味が薄くなっているところがあるので、そういうところに少しでも作品を通して興味を持ってもらえれば、違う見方ができるんじゃないかなとは思っています。リアリティラインを上げてしまったので、作品的にもいつでも紛争が起こりそうなものを書いた結果、実際に紛争が起こってしまったというのは確かだと思います。どこまでがフィクションで、どこまで面白がらせていいのか、その辺りはいつも考えながら書いています。悩みが深いところです。


──最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします。

しずま:シーズン2が発表になりました。シーズン2と言っても、一体どこまで続くのかはわかりません(笑)。そこを楽しみにしていただきたいですね。こらからどうなるかはわかりませんが。

芝村:まだ原稿を1行も書いてないですからね(笑)。

一同:(笑)。

しずま:『はるカナ』の完結、この前の外伝の『空白の一年』、そこを楽しみにしつつ待っていていただきたいです。

芝村:シーズン2は全く書いてないけど制作快調ということで!(笑)

一同:(笑)。

芝村:私のファンの方ってすごく細分化されていて、『刀剣乱舞』が好きな人もいれば、『マージナル・オペレーション』が好きな人もいる。互いに交流がないんです。ハヤカワ文庫のSFだけ好きな人になるとアニメイトにすら行ってないんです。なのでぜひ、横の繋がりも楽しんでもらえたら嬉しいなと(笑)。いろいろなものを作っているので、そちらも楽しんでください。


>>星海社公式サイト

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