ロリータ系イラストレーターの個展におじゃまします！　虹のコンキスタドール・大塚望由さん×イラストレーター・今井キラさん対談レポート

　数々のアーティストたちの活動や展示が行われているpixiv Zingaro。2016年1月20日（水）～26日（火）には、ファッションブランドAngelic Prettyや雑誌・書籍の装丁画などで活躍している今井キラさんの個展「トゥワイライト ―薄明色の少女達―」が開催されています。

　アニメイトTVではpixiv Zingaroにおける様々な展示をレポートでお伝えしていますが、なんと今回、虹のコンキスタドールのイラストレーターチームとしても活躍中の大塚望由さんが個展の見学に来るということで、同行させていただくことに。実は大塚さん、今井さんの大ファンだそうで、今回の個展を楽しみにしていたひとりでもあります。

　そこで本稿では、大塚さんの個展見学のフォトレポートと、さらに大塚さんと今井さんの対談の模様をお届けしていきます。憧れの存在である今井さんとの対談に緊張の色を隠せない大塚さんですが、お二人とも楽し気にファンシーな雰囲気で会話しているのが印象的でした。


■ 真剣に見つめるロリータ少女の眼差し

　個展会場に到着するやいなや、驚いたのは大塚さんの姿。まるで今井さんのイラストから飛び出してきたかのような可愛らしいロリータファッションに身を包んでおり、筆者＆スタッフ共々、ほっこりした空気に包まれます。「よろしくお願いします！」と元気よく挨拶する様子は流石アイドルといった感じです。

　早速、展示を見学していくと、真剣に作品を見つめる大塚さん。お気に入りの作品を聞いてみると、「展示されている中では、「泪の海」が好きです。雰囲気が可愛らしくてお気に入りです」と応えてくれました。

　今井さんの作品はデジタル作品が多いということで、今回の個展ではハイクオリティーの複製イラストが展示されています。しかし、良く見てみると細かい装飾や描き足しが行われており、ここでしか見ることのできない作品に仕上がっているそうです。

　また、会場内にはグッズ販売も行われており、先行発売のグッズや今回の個展用に描き下ろされたイラストなども取り揃えています。「可愛い～！」と大塚さんも夢中になって物販をのぞき込んでいました。会場内に展示されているイラストの複製も販売されているようなので、気になる方はスタッフに声をかけてみてください。

■ 若い世代の子たちが私の作品を見てくれて嬉しい

　そして、いよいよ今井さんと大塚さんの対談へ。「こんなに可愛らしい方が見に来てくださるなんて嬉しいです」と優しく微笑みかける今井さんを見て、大塚さんの緊張も徐々にほぐれていっていた様子。貴重なお二人のお話をお楽しみください。


──大塚さんが今井さんを好きになったきっかけって何だったんですか？

大塚：Angelic Prettyの洋服をよく着ていて、お店に行ったときに今井さんのイラストを見かけたんです。すごく気になって店員さんに「このイラストを描いている人は誰なんですか？」って聞いたんですよ。

今井：まぁ、嬉しい！

大塚：そこで今井さんの名前を知って、自分で調べるようになって、好きになりました。

今井：お店で配布するポストカードのイラストを何年も担当させていただいているんです。


──ロリータファッションをするようになったのはいつごろですか？

大塚：洋服を着るようになったのは中学1年生くらいですね。

今井：早いですね。私は高校生くらいでした。

大塚：お母さんが私に洋服を着せるのが好きで（笑）。

今井：いいお母さんですね。私の母も可愛い洋服が好きだったので、母の影響も少しあったかもしれないです。


──しかも、お二人は同郷の出身だそうで。

大塚：地元は兵庫県で、去年上京してきました。

今井：中学生のころはもうAngelic Prettyのお店があったの？

大塚：ありました。

今井：あったんだ……。すごく羨ましいですね（笑）。

一同：（笑）。

今井：私が神戸の学校に通っていたときはロリータファッションを取り扱っているお店が全然なかったんですよ。Angelic Prettyのお店が神戸にあるなんて夢みたいですね。売っていなかったので自分で手作りしていました。スカートにレースを付けたり、ヘッドドレスも作ったりしていました。欲しくても買えなかったのに…今の人たちが羨ましいです（笑）。

──今井さんをはじめ、みなさんが頑張ってきたからこその今だと思います。

今井：そうだったら嬉しいですね。


──展示についてもお伺いさせていただきます。今回の展示はどういったコンセプトで行われているんですか？

今井：いつもの個展は『月行少女』というシリーズを展示していました。今回は会場も変わって、私の作品を知らない方に見てもらえるいい機会になるのではないかと思って描き下ろしの新作は『月行少女』とAngelic Prettyのようなポップなロリータ、その中間のものを意識して制作しました。

大塚：私はポスターやポストカードなどの作品しか見ていなかったので、新たに手を加えられたものを見れて嬉しかったです。

今井：デジタルアートなので、展示しているものは原画ではないんです。そのまま展示するのは寂しいかなと思って、個展のときはラメをつけてみたり、色を足したりして、会場まで来てくださる方のために何かできないかなと考えています。

大塚：だからこそ、会場で見たときに「見つけてしまった！」って嬉しかったです（笑）。


──ここだけでしか見られないものがあるんですね。それは大塚さんもずっとニヤニヤしてしまうわけです（笑）。

大塚：嬉しさが顔に滲み出てしまいました（笑）。

今井：かわいい（笑）。Angelic Prettyの時とはイラストのタッチも変えているのですが、見ている方は展示の時の作品とどちらがお好きなのか気になりますね。どちらがお好きですか？

大塚：どっちも違った良さがあると思います。今回の展示を見て、魂がこもっている感じがしました（笑）。

今井：（笑）。大塚さんも絵を描かれるんですよね？

大塚：描くんですけど、お恥ずかしいです……（笑）。私も今井さんのような細かいタッチの女の子を描くのに憧れているんですけど、いざ描くとなるとザックリと描いちゃって。

今井：わかります（笑）。ざっくり描いてしまうなら実物や写真を見ながら描いてみるといいかもしれませんよ。私も以前は花を描くのが苦手だったので買ってきて参考にしながら描く様にしていました。

大塚：なるほど。私、今井さんが描く手が好きなんです。柔らかい感じがして。

今井：ありがとうございます。女の子を描くときは特に柔らかさに気を付けていますね。それから絵の中に情報量が少ないので、特に細部は丁寧に描く様にしています。手は実際に自分の手を撮影して参考にしてみたりしています（笑）。

──大変恐縮ですが、そろそろお時間です。では最後にお二人のファンのみなさんにメッセージや、今日の感想などをお聞かせいただければと。

大塚：雲の上の存在である今井さんにお会いできて、夢のような時間でした。展示を見ていると、今井さんが絵を描いているときの魂を感じれるような気がして、心がギュってなりました。いつもポスターなどで見ていたものとは違って心に響きました。今井さんの絵を見て、もっと日頃からロリータファッションをしようと思ったし、絵をもっと描こうと思いました。今日の体験を生活に活かしていきます。ありがとうございました！

今井：長く続けていると、大塚さんの様な若い世代の人たちが私の作品を見てくれて、個展に足を運んでくれるようになって、絵を描き続けてきて良かったと思います。私の作品は誰からも好かれる絵ではない分、自分の絵を好きだと言って下さる方とこうやってお話出来てとても幸せです。
今回の展示は私の作品を知らなかった方々に見てもらえる機会になると思うので、私の作品を通してにロリータの世界に興味を持って頂けたら嬉しいです。


■ 今井キラ個展「トゥワイライト ―薄明色の少女達―」

日程：2016年1月20日(水)～1月26日(火) 12:00～19:00
会場：pixiv Zingaro
入場：無料
企画：pixiv
運営：Kaikai Kiki


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